北海道、東北、北陸といった雪の多く降る地域に住む人なら、誰しも毎年の雪かきに苦労しているのではないでしょうか。除雪機はそんな骨の折れる除雪作業を効率的に行うことができますが、メーカーや種類が多岐にわたり、どれを選べば良いのか迷ってしまいますよね。
そこでこの記事では、豪雪地帯と女性・初心者におすすめの除雪機をメーカーごとに解説します。降雪量や使う人によって異なる除雪機の選び方を知って、あなたにぴったりの除雪機を選びましょう。
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除雪作業を手軽に!除雪機を使うメリット
今まで手作業で行っていた雪かきを除雪機に変えるかどうか考えるにあたって、まずは除雪機を使うメリットを知っておきましょう。メーカーや機種によってさまざまな特徴や機能がありますが、主なメリットは以下の2つです。
・手ではかき出すのが難しい湿った雪や固まった雪、踏み固められた雪も除雪できる。
・ロータリー式の場合は、かき集めた雪を前方上部の煙突(シュート)から吹き飛ばすため、雪かきしたあとの雪の置き場に困らない。
ただし、除雪機の種類によっては固まった雪には対応していなかったり、雪を集めて吹き飛ばすのではなく押して除雪する仕組みになっていたりと、特徴が異なります。そのため購入前に、除雪機に期待する機能を想定しておく必要があります。
除雪機の選び方
除雪機に期待する機能といっても、そもそもどんな種類の除雪機があるか分からない人も多いはずです。ここでは、除雪機の選び方をポイントごとに解説します。自分の用途に合った機能を、それぞれ確認しておきましょう。
どの選び方でも「積雪量」「使用面積」「雪質」の3点を踏まえます。自分が使う場所の特徴を想定しながらチェックしていってください。
除雪方式で選ぶ【ローダー・ロータリー】
除雪機の主な特徴でもご紹介したとおり、除雪機には雪を集めて吹き飛ばすロータリー式と、そうでないものがあります。それぞれのメリットとデメリットを解説します。
・積雪量が少ない地域なら「ローダー式」
ローダー式は雪を押してどかす除雪機で、「ブレードタイプ」「ドーザータイプ」とも呼ばれています。小型の機種が多いものの雪と接する面積は広いため、積雪量が少ない地域の駐車場などにおすすめです。
湿った雪もしっかりと押し出せる反面、積雪が深い場合や踏み固められた雪には不向きです。
・豪雪地帯向けのパワフルな「ロータリー式」
ロータリー式は、回転刃(オーガ)でかき集めた雪を煙突(シュート)から遠くに飛ばす仕組みです。大型かつパワフルなモデルが多く豪雪地帯での作業には向いていますが、オーガやシュートに雪が詰まる原因となるため、湿った雪には不向きです。
ロータリー式の場合、種類によって対応している積雪量や雪を飛ばせる距離が異なります。購入を検討している除雪機が、使用する土地の積雪量や雪を捨てる場所までの距離と合っているかどうかを確認しましょう。
動力で選ぶ【エンジン・電動・ハイブリッド】
駆動する方式によっても、除雪の性能や適切な使用立地が異なります。エンジン、電動、ハイブリッドそれぞれの特徴を知って、用途に合った動力を選びましょう。
・固い雪や広範囲の除雪には「エンジン式」
エンジン式は、ガソリンやディーゼルを補充しながら使用するタイプです。固まった雪をかき集められ、広範囲の雪を一気に除雪することもできるパワフルさが特徴です。
ロープを引いてエンジンをかけるリコイルスターターと、キーを回すセルスターターがありますが、初心者には技術が要らないセルスターターがおすすめです。
・コンパクトで静か、住宅地向きの「電動式」
電動式は、エンジン式に比べると除雪性能が劣るものが多いですが、燃料が要らず手軽に使えます。コンパクトで音が静かなため、住宅地でも時間を気にせず作業ができるのも特長です。
電動は「バッテリー式(充電式)」と「コンセント式」の2種類があります。バッテリー式の場合はフル充電で1時間ほど使用でき、コンセント式はコードが届く場所であれば電池切れを気にせず長時間にわたって使えるので、作業場所と駆動時間で選ぶとよいでしょう。
・パワーと操作性を兼ね備えた「ハイブリッド式」
ハイブリッド式はエンジンで除雪し、モーターで走行する仕様で、エンジンのパワーとモーターの走行しやすさを両立した除雪機です。高い除雪性能で固い雪も取り除きながら、小回りが利き駆動音が小さいというメリットがあります。
走行方式で選ぶ【手押し・自走】
乗用式の除雪車以外は、どれも手で押して走行するように見えますが、実は「手押し」と「自走」の2種類があります。
・低コストでコンパクトな「手押し式」
その名のとおり、手で押して雪を集めるタイプの除雪機です。人の力で押す必要があるため、大量の雪や湿った雪、固まった雪を除雪することは困難ですが、安価で小型なものが多く、気軽に扱えるのがメリットです。
・軽い力でパワフルに除雪できる「自走式」
自走式はエンジンや電気の動力によって走行するため、人は手で支えて方向を調節するだけで除雪作業ができます。手押し式では難しい広い場所や固い雪の除雪も少ない力で行えます。
その分重量があり旋回にコツがいるほか、巻き込み事故のリスクがあるため、周囲の安全に十分気を配りながら操作する必要があります。
サイズで選ぶ【小型・中型・大型】
除雪機はサイズも豊富に揃っています。積雪量や面積に合わせて適切なサイズを選びましょう。
・小回りが利き初心者向けの「小型」
自宅の玄関先や駐車場など比較的狭い場所でも使いやすいサイズの「小型」は、小回りが利くため女性や初心者でも使いやすいのが特長です。
サイズが小さいため対応している積雪量は約60cm程度までです。しかし中型・大型に劣らない機能で、湿った雪や固まった雪もしっかり除雪してくれるタイプも多く販売されています。
・豪雪地帯にも対応する「中型・大型」
小型の除雪機では取り除ききれない大量の雪や重さで詰まった雪も除雪できるのが「中型」「大型」。大型なら100cmを超える積雪にも対応した除雪機があります。
馬力が大きくなるほど高額にはなりますが、安価で手軽という理由だけで小型のものを選ぶと、積雪量や固さに対応できずに結局買い替えることになる場合もあるでしょう。手軽さと合わせて使用する環境も考慮するのは必須です。
豪雪地帯におすすめの中型・大型除雪機【メーカー別】
除雪機の選び方が分かったら、条件に合わせたおすすめの除雪機をメーカー別に紹介します。型番だけではなくメーカーごとの特色を知っておくことで、除雪機を検討するときの参考になりますよ。
ハイブリッドといえば「ホンダ」の除雪機
ホンダの除雪機は、国内シェアトップクラス。中型除雪機の魅力は充実したハイブリッド式モデルです。走行は電気、除雪はエンジンを使用し操作性とパワーを両立していて、約100cmまでの新雪や硬い雪に対応しています。
特に「HSM1590i」はハイブリッド式に加えて「スマートオーガ」という独自機能を搭載。路面の傾きに合わせて回転刃(オーガ)の角度を自動で調整し、より簡単に雪かきができます。
100cm以上の積雪にも対応した大型除雪機はエンジン式です。2022年夏に新モデルが発売されたばかりですが、「HSL2511」にはスマートオーガが搭載されています。
ユーザーの使いやすさを考え新たな機能を開発し続ける、ホンダの姿勢が伝わるラインナップです。
すべての雪質に対応する「ヤマハ」の除雪機
ホンダに次ぐシェア率で、日本の除雪機のほとんどはホンダとヤマハの2社が占めているといっても過言でありません。そんなヤマハでは、ユーザーに優しい独自機能が付いた高性能なモデルが揃っています。
特徴的なのは「ジェットシューター」。煙突の付いたロータリー式が苦手とする湿った雪もパワフルに吹き飛ばせる機能で、新雪・固まった雪・湿った雪のすべての雪質に対応することができます。
最もサイズが大きく機能が充実しているのが中型の「YS1390AR」です。除雪高79cm、除雪幅91.5cmで、もちろん全雪質に対応。さらに左右に傾いた車体を水平に保つ「オーガローリング機能」が搭載されるなど、パワーと使いやすさを兼ね備えたモデルです。
充実のラインナップ「ワドー」の除雪機
ホンダやヤマハにも除雪機をOEM供給しているワドー(和銅産業)は、自社ブランド以外にOEMも含めるとその生産数は日本トップクラスです。
除雪高~68cmの中型タイプ、~76cmの大型タイプともに、幅広いバリエーションで、駐車場から農場まで対応できるラインナップが揃っています。
中型ながら22馬力の強力な「SX2211WT」は、しっかり除雪できるワドー独自の2段オーガが特徴です。除雪幅はワイドな112cm、きれいに飛雪する独自の「カッ飛びシュータ」と、ワドーならではの機能がフル装備されています。
大型除雪機は除雪高76cm、除雪幅122cmのワイドサイズです。どのモデルも雪の切り崩しに対応できるプレートを装備しているため、豪雪や広い場所にもしっかり対応できるでしょう。
プロ用高効率タイプが充実「ヤンマー」の除雪機
農機具メーカーとして誰もが知るヤンマーは、除雪機も小・中・大型の3タイプが揃います。
最も充実しているのはプロ用の大型除雪機で、最大の「JL-4512A」は44.1馬力のパワフルモデルです。新雪から湿った雪、踏み固められた締まった雪までしっかり除雪し、シューターで20m〜25m先へ吹き飛ばします。
中型除雪機「JM-1390A」のキーワードは「自動」です。レバーを「後進」にすると、自動的にオーガが上昇する「オーガバックアップ」や、除雪速度をコンピュータが自動制御する「車速制御機能」など、除雪作業の負担を軽くする機能が充実しています。
さすがの高出力エンジン「ヤナセ」の除雪機
除雪機の二大メーカーであるホンダ、ヤマハと同様に自動車メーカーの技術力を活かして製造されているヤナセの「スノースロワー」。ヤナセならではの高出力エンジンと、強い推進力の舟形クローラを使ったパワフルな除雪機です。
ヤナセの除雪機の中で最強の「Y11-25DK」は、除雪高70.5cm、除雪幅110cmと高性能です。手を放すと停止する安全装置「デッドマンコントロール」が最大モデルも含めて全機種に搭載されているなど、たとえ大型モデルであっても非力な人や初心者にも使いやすい仕様で作られています。
女性や高齢者、初心者にもおすすめの小型・家庭用除雪機【メーカー別】
続いて紹介するのは小型除雪機です。積雪量、雪質、サイズがマッチする1台が見つかれば、機械操作に慣れない人でも手軽に除雪ができるようになります。
固い雪も楽々「ホンダ」の小型除雪機
約50cmまでの積雪量に対応したホンダの小型除雪機は、電動式、エンジン式、ハイブリッド、さらにはローダー式とロータリー式と豊富なラインナップが揃います。ロータリー式の除雪幅も55~71cmと幅広いので、使用する環境に合わせて選べます。
小型ハイブリッド式モデル「HSS1170i」は、操作性の良さとパワフルな除雪を両立し、さらに低騒音なのが特徴で、力の弱い人でも快適な除雪がかないます。
パワフルなのに静音「ヤマハ」の小型除雪機
ヤマハの小型除雪機はエンジン式で、手押し式と自走式の両方が選べます。自走式はジェットシューターが搭載されており、中型には劣るものの全ての雪質に対応しています。
なかでも「YSF860-B」はローダー(ブレード)とロータリーの1台2役。雪質に合わせて押し出すか吹き出すか、除雪方法を選べます。しかも静音設計なので、雪が多い住宅地で活躍しそうです。
シンプルからハイスペックまで「ワドー」の小型除雪機
ワドーは小型モデルも充実しています。除雪高~30cmのローダー(ブレード)タイプは電動とエンジンの2種類から選べます、エンジン式のロータリータイプは除雪幅65cmコンパクトなものから92cmのワイドなものまであり、環境に合わせてぴったりの1台が見つかるでしょう。
「SX1092T」は小さいながらもしっかりと除雪できる機能が充実しており、操作のしやすさと、ディーゼルエンジンのパワフルな除雪性能は秀逸です。
コンパクトボディで手軽「ヤンマー」の小型除雪機
ヤンマーの除雪機は、農地や大きい駐車場などのプロ仕様だけではありません。積雪量が少ない家庭や店先などで気軽に使える小型除雪機もあります。
除雪高は52.5cmと豪雪地帯には向きませんが、除雪幅65cm~80cmと、狭い場所でも使いやすいサイズがあります。どのモデルも、雪を遠くへ吹き飛ばせない場合は足元にも投雪できるなど、住宅地ならではの使い勝手の良さが考えられています。
パワフル&便利「ヤナセ」の小型除雪機
小型のモデルもパワフルさと使いやすさが追求されているのがヤナセの除雪機です。1番小さなタイプ「Y7-9GB」も、除雪高45cmと小型ながら強力エンジンを搭載したパワフルな1台です。
除雪幅は70~90cmと、小型ながら比較的ゆとりのあるタイプで、自宅駐車場などで活躍してくれます。
除雪機をお得に購入する方法
雪が積もる地域、特に豪雪地帯には欠かせない除雪機ですが、近年の円安等の影響で価格が上がり手に入りにくくなっているのが実情です。小型モデルで安価なタイプといっても、しっかりとした除雪性能を求めるのであれば新品だと50万円前後かかるため、気軽に購入できるものではありません。
そこでおすすめしたいのは、中古での購入です。除雪機の寿命は10年前後と言われており、中古でもまだまだ使えるものが売られています。今後、中古も在庫が少なくなっていくことが予想される除雪機。購入のチャンスを逃さないようにチェックしてみてはいかがでしょうか。
除雪機の中古購入ならあぐり家へ
農機具の買取販売店であるあぐり家では、除雪機の買取や販売も行っています。農業に携わられる方であれば、不要になった農機具を元手にしつつ中古購入することも可能です。
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長年使っていないものや、壊れてしまっているものでも売却査定ができます。プロの整備士が常駐しているので、故障した農機具であっても買い取りができる仕組みなのです。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。