たい肥は化学肥料と比べて散布量が多く形状もさまざまで、作業に大きな負担がかかります。そんなたい肥を効率的に散布できるマニアスプレッダーは、農作業の改善には欠かせません。
ただ、マニアスプレッダーには自走式、けん引式、大型、小型とさまざまな種類があり、どれを選べばよいか迷ってしまいがちです。この記事では、種類ごとに選び方を分かりやすく解説しています。中古の価格相場も紹介するので、購入時の参考にぜひご覧ください。
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マニアスプレッダーの用途・使い方とは
購入を検討する前に、まずはマニアスプレッダーでできることをおさらいしましょう。マニアスプレッダーはマニュアスプレッダーとも発音され、マニア(マニュア・MANURE)はたい肥、肥料という意味です。ここでは化学肥料ではない天然の有機肥料を指します。
マニアスプレッダーで行う作業には次のようなものが挙げられます。
● 運搬:かさばるたい肥を積み込み、圃場まで運ぶ
● 打ちほぐし:積み込んだたい肥を細かく粉砕し、散布しやすくする
● 散布:たい肥を均一に散布する
一口にたい肥の散布といっても、農地に撒くまでに運搬や打ちほぐしの作業があります。さらに、たい肥は形状や材質がさまざま。そのなかで運搬から散布までの一連の作業を任せられるのが、マニアスプレッダーなのです。
マニアスプレッダーの種類で選ぶ【自走式・けん引式】
マニアスプレッダーの基本的な用途が分かったら、いよいよ商品選びです。まずは走行形式による違いを解説します。
トラクターでの作業が多いなら「けん引式」
トラクターの後部に接続してけん引することで稼働させるタイプです。積載量は大きいものでは5,000kg以上、小型のものは1,000kg弱と幅広く、作業面積や接続するトラクターの馬力に合わせて選ぶことができます。
あらかじめ灯火類が取り付けられた公道走行が可能なタイプも販売されているので、圃場までの移動もしやすくなっています。ただし、たい肥置き場から圃場までの距離が10kmを超える場所での作業には、遠すぎてけん引式は向きません。
大型・小型と環境に合わせて選べる「自走式」
トラクターでけん引するのが難しい場所でも使えるのが、自走式のマニアスプレッダーです。散布部と走行部が一体になっており、トラックをベースにした大型と積載量500kg程度の小型が選べるため、小回りが必要な果樹園やハウスでの作業にも適しています。
中型・小型はキャタピラのようなクローラー走行タイプとなっており、走行する圃場の広さや土質に合わせて選びます。クローラーは湿田など走行しづらい地面でも安定して動かしやすい反面、公道走行はできないため注意が必要です。
トラックがあるなら「搭載式」
トラックに搭載するだけで、自走式マニアスプレッダーと同様に使用できるのが搭載式の特徴です。トラックの機動力を活かして走行できるので広大な農地はもちろん、圃場がたい肥置き場から離れている場合にもおすすめです。
積載量は500kgから3,000kg程度で、本体にはたい肥散布用の小型エンジンが搭載されており、リモコンなどで操作します。
マニアスプレッダーの散布方式で選ぶ
マニアスプレッターにはビータと呼ばれる散布羽が付いた回転機構が付いており、その取り付け方によって散布方式が異なります。
散布の厚さと破砕力なら「横型ビータ」
散布する羽根軸が水平に設置された横型ビータは、軸の回転が縦方向です。そのため散布できる幅は2、3mと狭いものの、厚みを持たせてたい肥を撒くことができます。
また、長わらなどを含むたい肥にも適応し破砕力も特徴で、特に横二段ビータは破砕力に優れ、大量でも均一に散布できるタイプとして挙げられます。
ワイドに散布するなら「縦型ビータ」
横型ビータに対して、散布する羽根軸が垂直に設置されているのが縦型ビータです。小型なら2本、幅の広いものなら4本の軸が横向きに回転するため、散布幅の広さが特長。約7~10mと広範囲にわたって均一に撒くことができます。
幅を広げて一気に散布するなら縦型ビータがおすすめです。
薄く広く散布するなら「ディスクビータ」
かくはん用の水平羽根軸と、散布口の下部に付いた2枚の円盤が組み合わさっているのがディスクビータです。水平の羽根軸でたい肥を下に落とし、2枚の円盤の回転によって散布します。縦型ビータよりも散布幅が広く、最大で約15mまで撒くことができます。
散布幅が広い分、一度に散布できる厚さは薄くなるので、薄く広く散布したいときにおすすめの方式です。
マニアスプレッダーの主なメーカー
マニアスプレッダーはトラクターなどの農機具と異なり、製造しているメーカーが限られています。国内の主要3メーカーを押さえておきましょう。なお、クボタ、ヤンマーなどの有名メーカーでも次に紹介するメーカーの商品が紹介されています。
シリーズ展開の豊富さが圧倒的な「デリカ」
デリカはマニアスプレッダーを中心に、農業の生産性を改善するための農業機械の製造・販売を行っているメーカーです。使用する条件に合わせてさまざまな機種が選べるのが特徴です。
けん引式・自走式・搭載式や大型・小型があるのはもちろん、けん引式はすべて公道走行に対応しています。さらにシリーズ展開に力を入れているため、多くのモデルで複数の型がラインナップされています。
特にプロ農家向けの「スーパーマニアスプレッダ」は展開が幅広く、最大積載量は1,500〜8,800kg、散布方式は横型、縦型、乾燥したたい肥を広く散布するスーパービータの中から選べます。
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大型・小型どちらにも適応する「タカキタ」
土作りや飼料作物の収穫・調製用作業機といった農業機械の製造メーカー、タカキタ。中小規模の酪農家に向けた作業機械が主力製品で、そこから派生してたい肥散布のためのマニアスプレッダーも複数のモデルを展開しています。
マニアスプレッダーは酪農家向けの展開だけではなく、さまざまな農家に合わせたラインナップがあります。
北海道などの大規模な農場に対応したけん引式の「マニアスプレッダ(大型)」から、ハウスや果樹園、小区画の農地向けの最大積載量600kgの「自走マニアスプレッダ(SD-601)」と、小型から大型まで選べるのがタカキタの特長です。
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積極的な開発で効率化をサポートする「IHIアグリテック」
牧草の刈り取りからたい肥散布まで、さまざまな場面での農業機械を提供するIHIアグリテックは、2017年に旧IHIスターとIHIシバウラの2つの農業系企業が合併してできたメーカーです。
マニアスプレッダーは、大型から小型まで揃うけん引式の「マニュアスプレッダ」に、ハウスや田畑向きの「自走マニュアスプレッダ」と、さまざまな条件に適応しています。
さらにはたい肥の積み込みから散布まで1台で行える「自走積込マニュアスプレッダ」もあり、豊富な機能を有した充実のラインナップです。
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マニアスプレッダーの中古価格相場
新品だと小型で100〜200万円程度、大型はけん引式で200〜600万円、自走式では400〜1,000万円を超えるものもあり、決して安い買い物ではありません。
しかし国産の農業機械は品質が高く、中古でもまだまだ使用できるものが少なくありません。中古だと安ければ10万円程度で手に入る場合があります。
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中古で購入するときに重要なのは、どこで買うかです。長く愛用できるように、メンテナンスやアフターフォローが充実した中古販売店を選ぶようにしましょう。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。