草刈り機(刈払機)は、庭の手入れや農作業、道路や公園の管理などさまざまな場面で使用される便利な機械です。しかし、正しい知識や技術がないと、事故やケガのリスクが高まります。
この記事では、刈払機を安全に使用するために必要な資格や講習について詳しく解説します。刈払機の使用に不安がある方は、まず講習を受けることをおすすめします。
刈払機の使用で必要になる資格や講習は?
刈払機の使用に関して、法律で定められた義務の資格や講習はありません。しかし、業務として従事する場合は、安全性を高めるために「刈払機取扱作業者安全衛生教育」を受講することが推奨されています。
この教育は、平成12年2月16日付けの労働省労働基準局通達「刈払機取扱作業者に対する安全衛生教育について」に基づいています。労働者が、適切な機種の選定・点検・整備・保護具などの正しい知識を学ぶための講習として定められています。
また事業者に対しては、刈払機の作業に従事する労働者に安全衛生教育を行うことを求めています。
刈払機取扱作業者安全衛生教育とは
刈払機安全衛生教育は、刈払機の構造や原理、安全な使用方法、事故防止対策、振動障害の予防などについて学ぶ包括的な教育プログラムです。学科講習と実技講習で構成されています。
学科講習では、刈払機の種類や特性、関連法規、安全装置の機能など理論的な知識を学びます。実技講習では、実際に刈払機を使用して、正しい姿勢や操作方法、危険回避の方法などを学びます。
この教育を通じて、作業者は安全意識を高め、効率的かつ安全な作業を行う能力を身につけることができます。
受講目的とメリット
刈払機安全衛生教育の主な受講メリットは、以下のとおりです。
・安全性の向上:刈払機の使用は、刃による切断や飛散物などによる事故のリスクが伴います。教育を受けることで、これらのリスクを理解し、安全な作業方法を習得します。
・労働災害の防止:正しい操作方法やメンテナンス方法を学び、機械の故障や誤作動による事故を防ぐことができます。また、作業環境の整備やリスク管理の方法を学び、安全な作業環境を維持することができます。
・作業効率の向上:適切な使用方法や整備知識により、作業の質と速度が向上します。また、長時間の使用による身体への影響と予防法を学びます。
正しい作業手順を習得すれば、誤作動による事故や機械トラブルを防ぐことができます。さらに、無駄な時間や労力を減らすことにつながり、結果、効率的な作業が可能になるのです。作業時間の短縮は、コスト削減が期待できます。
対象者
刈払機取扱作業者安全衛生教育の対象者は、農業、林業、建設、造園業従事者のような使用頻度の高い労働者のほかにも、多くの方が対象です。
例えば、農業学校、林業学校など、将来的に刈払機を使用する可能性がある学生も対象です。さらに、公園や道路などの公共施設管理を行う方や、自治体職員なども対象になります。
家庭で使用する方、地域の清掃活動や環境保全活動に参加するボランティア作業者も受講して問題ありません。刈払機の販売や修理を行う業者、レンタル業者などは、顧客に適切なアドバイスを提供するために受講しておくと良いでしょう。
受講方法
刈払機取扱作業者安全衛生教育の受講は、公共機関や民間の教育機関などで受講できます。具体的には、以下の3つの方法があります。
・講習会への参加:全国各地で開催される講習会に参加する方法で、受講日程を合わせ受講します。また、参加人数が定員が定められ、人数が満たない場合は予定の日時にならない場合があります。
・出張講習の依頼:講師を職場や学校などの指定場所に派遣してもらう方法です。費用は、通常よりかかりますが、日程が決定しやすく、定員制限がないメリットがあります。
・Web講座の受講:オンラインで学科講習を受講する(実技は別途必要)方法で、個人でも団体でも受講可能です。スマホやPCを使用するので、時間や場所を選ばないメリットがあります。
講習内容
刈払機取扱作業者安全衛生教育の講習内容は、以下のとおりです。
学科講習(5時間)
・刈払機に関する知識(1時間)
・刈払機を使用する作業に関する知識(1時間)
・刈払機の点検及び整備に関する知識(30分)
・振動障害及びその予防に関する知識(2時間)
・関係法令(30分)
実技教育(1時間)
・刈払機の操作方法
・刈払機の点検、整備方法
講習の受講費用は、実施する団体により異なりますが、教材費・消費税込みで9,515〜13,000円程度です。
有効期限
刈払機取扱作業者安全衛生教育の修了証に有効期限はありません。一度受講すれば、基本的に更新や再受講の必要はありません。ただし、長期間刈払機を使用していない場合や、新しい機種や技術が導入された場合は、自主的に再受講すると安全な作業を続けられるでしょう。
その他よくある質問と回答
Q1:丸のこ・チェーンソーは講習の対象ですか?
A1:丸のこ・チェーンソーは刈払機取扱作業者教育の対象ではなく、別の安全教育が必要になります。
Q2:刈払機の歯が樹脂製でも講習の対象ですか?
A2:刈払機の歯の材質がなんであっても講習の対象です。安全確保と振動障害の防止が主な目的なので、使う刈払機の材質が怪我をしにくいものであろうとなかろうと受講すると良いでしょう。
Q3:この教育を受けないと、刈払機の業務を行えなくなりますか?
A3:法律上の義務ではないので、受講していなくても作業を行えます。
草刈り機の購入はあぐり家で
刈払機(草刈り機)を購入する際は、農機具専門店「あぐり家」がおすすめです。あぐり家では、さまざまな種類の草刈り機を取り扱っているので、初心者向けの軽量タイプから、プロ仕様の高性能モデルまで、幅広い選択肢があります。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。