【農家向け】収穫した野菜の保存方法とテクニックを紹介

最新情報

収穫物を長く保存するためには、その収穫物に合わせた保存方法を選ぶ必要があります。この記事では、農家向けに収穫した野菜や果物などの保存方法や、保存に役立つテクニック、そして便利な農機具を紹介します。

農機具を見る

収穫物の保存とは

野菜などの収穫物は、収穫後も成長しようとしたり熟したりしようとします。保存を考えるためには、何をしたら現状維持でき鮮度や状態を保てるのかを知るところから始めなくてはなりません。

基本的には、植物の「呼吸」を抑えることで保存性を高めることができます。ここでいう「呼吸」とは、植物が生き続けるために必要な酸素を吸い炭酸ガスを吐き出すことをいいます。

長く保存していると、風味や鮮度が落ちていくのは、この呼吸だけでは栄養や水分が取れずに生命維持がしきれないためです。

さらに言うと、水分量も保存性に関係します。葉野菜は特に顕著ですが、水分が数パーセント失われるだけで品質が落ちます。

 

つまり呼吸を抑え水分量を保たせることで、できるだけ品質を保ちながら保存できるということです。

収穫した野菜の保存方法は5種類

収穫物の保存方法としては主に5つあります。冷えた環境のほうが保存のきくものや、土がついたままのほうが長持ちするもの、置き方によって向き不向きがあるものなどがあり、それぞれの特徴に合わせて選択が必要です。

ここでは、それぞれの保存方法について詳しく紹介します。

密封して保存する

呼吸を抑えるために、空気を通しにくいポリ袋に収穫物を入れるという方法があります。

多少の空気の循環はあっても、袋の中はしだいに炭酸ガスで埋め尽くされていき、酸素が減っていきます。それによって収穫物の呼吸が抑えられ、かつ水分の蒸発も少なくなるという効果が生まれます。

土付きのまま保存する

筒が付いたままだと、雑菌に触れるリスクを減らし水分量を保ちやすくなる場合があります。特に芋や根茎などの根菜類は、洗って水分が付着することで腐食しやすくなります。土がついたままの出荷が望ましいでしょう。

家庭での保存をするなら、土がついたままで紙など吸湿できるものでくるみ、冷暗所で安置します。

常温暗所で保存する

収穫物自体の特性によって、0度近い低温が保存に向いているものと、15度程度の常温が向いているものがあります。たとえば熱帯が原産の植物などは、常温保存が適しています。芋やショウガなど、土の中で育つものは常温が適している場合が多いといえます。

また、常温とひと口に言っても、白菜やキャベツなど、湿度を保つ保存方法が適しているものもあれば、ニンニクや玉ねぎなど、乾燥したほうが長持ちするものもあります。

温度と湿度の適切な範囲は植物によって異なるので、それぞれの特徴を把握しておくようにしましょう。

立てて保存する

成長の向きによっては、その方向性を保存時にも適用する必要があります。アスパラガスやホウレンソウなど、上に向かって伸びる野菜は縦に置いて保存することで無駄なエネルギーを消耗せずに鮮度を保つことができます。

この場合横に置いてしまうことで、縦向きになろうとするエネルギーを使ってしまうためです。

冷所で保存する

0度程度、あるいは0度以下の冷所で保存するのが長期保存に向いている種類もあります。越冬野菜という種類に分類されるイチゴや玉ねぎは、風雨や雪、霜などにさらされて収量が落ちたりキズが付いたりすることがあります。

それを避けるためにハウス栽培されることもありますが、不織布など資材を直接かけて越冬し、休眠状態にしたまま越冬させることができます。

なお、これは収穫前の保存方法ではありますが、収穫したものを雪の中に入れて保存するものもあります。

タネの保存方法

タネの保存の基本は、低温低湿の暗所です。タネの発芽能力を維持するためには、できるだけ良く乾かした状態で、乾燥した容器に密封するのが一番です。乾燥材を入れるとさらに安全です。

冷凍することもできますが、冷凍する場合は解凍した際の湿度に注意が必要です。取り出してすぐ土にまいてしまうと、結露のせいでタネがカビてしまい発芽しないおそれがあります。

果物の保存のコツ

果物は、野菜類とは違う要素も考慮が必要です。温度と湿度が重要なのは同様で、例えば熱帯植物であるパイナップルは常温での保存が適している一方で、ブドウは5度未満の低温が望ましい果物です。

果物が他と異なるのは、「エチレン」と「湿度」の考え方です。

エチレン感受性と生成量

エチレンとは、果実の成熟にかかわる植物ホルモンの一種です。野菜では生成が少ない一方で、果実だと非常に多くのエチレンが生成される種類があります。種類によってエチレンの生成量は異なりますが、分泌量は温度が関係していて、基本は低いほど生成が抑制されます。

エチレンはその発生した果物のみに影響せず、その周辺にある同じ空間の果物にも影響します。つまり、エチレン生成が多い果物と一緒に保存していると、周辺の果物の成熟も早まるのです。エチレンによる影響度合い(感受性)とエチレン生成量は種類によって異なります。

そのため、保存性を考えるならできるだけ保存空間には一種類の収穫物を入れるのが理想です。

果物の保存と湿度

みかんやイチゴなど、表面に水分が付いて腐ったりかびたりする現象は家庭でも見られますが、果物の保存の観点からは、近年「85%以上の湿度」で保存するのが望ましいとされています。ただし85%以上の湿度であっても、水滴が発生しないのが条件となります。なお、加湿の適切な度合いも果物によって異なります。

そのため、新しい機種の保冷庫ではエチレン生成を抑える機能を持つものや、安全に高湿度を保てる機能を持つものも出てきています。

収穫物別の保存方法と保存のポイント

ここでは、主な収穫物の種類ごとの保存方法と保存のコツを簡単に紹介します。

根菜

じゃがいも:5度未満で保存。紙などで包み、箱に入れる。

さつまいも:適温は13度で湿度90%程度が望ましい。紙に包んで何か所か穴をあけた保温性のある箱に入れる。

にんじん:濡れた紙で包んでポリ袋に入れて5度前後で保存。冷蔵庫の野菜室で保存。冬なら畑に残したまま保存も可能。

だいこん:葉を切り離し、根茎部分を濡れた紙で包んで5度程度で保存。

葉物

ホウレンソウ:湿った紙に包むか、ポリ袋に入れる。長期保存には向かないが冷凍できる。

キャベツ:芯を下にして5度程度で保存。長期保存には向かない。

レタス:表面の水分を取って、芯を下にポリ袋に入れる。5度程度で保存。

ネギ:泥つきのものは、風通しのよい暗所で立てて保存。

アスパラガス:切り口を濡れた紙で包み、ポリ袋に入れる。5度程度で保存。冷凍も可能。

果菜

ナス:ポリ袋に入れて冷暗所で保存。

トマト:ポリ袋に入れて密閉し、ヘタを下にして保存。適温は7〜10度程度。

キュウリ:表面の水分を取り、ポリ袋に入れる。凍らないように5度以下にしない。

枝豆:保存には向かないため加熱して冷凍保存が望ましい。

収穫物の保存は保冷庫がおすすめ

収穫物は温度管理と湿度管理が基本です。長期保存したり、できるだけ鮮度の良い状態で出荷したりするためには、保冷庫があると便利です。

農機具ランドあぐり家では、状態の良い保冷庫を中古で販売しています。新品よりも手軽な値段でまずは保冷庫を探してみてはいかがでしょうか?

今すぐ保冷庫の一覧を見る


 

この記事を書いた人

株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)

1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。

農機具をお売り下さい
査定無料!最短即日お支払い!
pagetop