【ウリハムシ】駆除方法と予防法!放置してはいけない理由とは?

害虫害獣対策

ウリハムシは、ウリ科の植物にとても大きな被害をもたらす害虫です。ウリハムシは、キュウリ、カボチャ、スイカ、メロンなどの葉や茎を食害し、時には果実にも被害をもたらします。

この記事では、ウリハムシの具体的な駆除方法と、今後の予防方法について詳しく解説します。農家の方でウリハムシを見つけてしまった場合や、被害防止を考えている場合にぜひ役立ててください。

ウリハムシを即駆除できる方法

ウリハムシは、農薬・殺虫剤・自作の駆除スプレー・捕獲の4つの方法で駆除できます。

農薬 

農薬使用は、ウリハムシなどの害虫駆除には効果的な手段のひとつです。使用するには、保護具の着用や使用後の農薬容器の適切な処理など、人体や環境への配慮が必要です。また、薬剤が流れたり飛散しないように雨の日や風が強い日には農薬散布は避けましょう。

注意点として、同じ農薬を連続して使用すると、ウリハムシが耐性を持ってしまう可能性があります。耐性を持つと薬剤が効かなくなってしまうので、耐性の発生を防ぐ為、異なる系統の農薬をローテーションで使用することをおすすめします。

殺虫剤

ウリハムシに対して有効な殺虫剤を使用します。成虫にはピレスロイド系の殺虫剤が有効です。ピレスロイド系殺虫剤は、昆虫の神経系に作用して殺虫します。

使用方法としては、成虫の活動時期の春〜夏に、葉や茎に散布します。注意点は、薬剤耐性を防ぐために連続使用を避け、異なる系統の殺虫剤を交互に使用することです。また、人やペットの安全性にも配慮しましょう。マスクをつけ直接の吸入を防ぐこと、そして自分以外の生き物を使用場所から遠ざける配慮が必要です。

土の中の幼虫に対しては、ネオニコチノイド系の殺虫剤が有効です。成虫の場合は葉に散布し、幼虫の場合は土壌内の根に浸透させて幼虫の摂食を防ぎます。ただし、有益な昆虫にも影響があるので、開花時期には使用を控えるのが良いでしょう。

自作の駆除スプレー

ニームオイル・ニンニク・唐辛子・牛乳などの天然成分を活用すると、環境や人体に優しいスプレーで害虫駆除ができます。例えば、ニームオイルは、昆虫の摂食を抑制し、成長を阻害する効果があります。

ニンニクは、殺虫効果がありウリハムシを寄せ付けない効果があります。葉や茎に散布しますが、特に葉の裏側にも散布するよう気を付けると、見逃しを防げます。

捕獲

成虫は、昼の時間には葉の上で活動するので、手で捕獲できます。また、黄色の粘着シートを使ってトラップを仕掛ける方法も有効です。黄色はウリハムシを引き寄せる色なので、粘着シートに付着させ捕獲すると駆除できます。

ウリハムシを放置してはいけない理由

ウリハムシを放置してはいけないのは、植物が健康に育つことが困難になり、収量や品質に悪影響がでるからです。ウリハムシは、葉や茎だけでなく、野菜や果実の表面まで食害する場合があります。

また、ほかのウリ科植物への被害が広がったり、土壌内の幼虫が根を食害し、農地への二次的被害がでることもあります。

また、ウリハムシは早期に対処しないと、個体数が急増して駆除が困難となり、一般的な駆除作業では対処できなくなってしまう恐れがあります。ウリハムシを発見したら、早めに対策をして、被害を最小限に抑えることが重要です。

そもそもウリハムシとはどんな害虫?

ウリハムシは、春に地中からでて、ウリ科の植物に卵を産み、孵化した幼虫は土壌内で根を侵食しながら成長し、3〜4週間で成虫になります。ウリハムシの寿命は1〜2か月ですが、卵からの期間を含めると3〜4か月です。

成虫の大きさは、約6〜9mmで、体色は、黄褐色で背中に黒い斑点があります。ウリハムシによく似たウリハムシモドキは、マメ科の牧草や豆類を好みます。

ウリハムシの嫌いなものは、ニンニク・唐辛子・木酢液・ネギなどの強い香りのする植物です。この特性を利用してウリハムシの発生を抑え、作物の被害を軽減できます。

ウリハムシの幼虫と成虫の違い

ウリハムシの幼虫の特徴と被害

ウリハムシの幼虫は、土壌内で生活し、植物の根を食害します。根が食害されると、根から水分や養分の吸収ができなくなり、作物がうまく育ちません。

幼虫は、春から夏にかけて発生し、3〜4週間で成長します。成虫になると、交尾・産卵をするので、温かい気候の地域では、被害が繰り返さないよう注意が必要です。

ウリハムシの成虫の特徴と被害

ウリハムシの成虫は、植物の葉を食べて穴が開きます。見た目が悪くなるばかりか、光合成が疎外され、植物の成長に悪影響を及ぼします。茎が食害を受けた場合は、根からの水分や養分が滞り、植物の成長を阻害するので、幼苗期の植物には特に大きなダメージです。

成虫は、春から夏にかけて発生します。活動期間は1〜2か月ですが、この間に産卵をし、幼虫になるので繰り返し被害を受ける場合があります。

ウリハムシが発生する原因

ウリハムシは、ウリ科野菜を栽培していると発生するのはもちろんですが、収穫後の廃棄野菜などもウリハムシの発生につながります。廃棄野菜をそのまま放置していると、ウリハムシだけでなく、その他の害虫や病気の発生原因となるので注意しましょう。

ウリハムシは、常に温かく湿った土を好むので、温暖な気候になると活動が活発になります。また、湿度の高い地域や梅雨時期にもウリハムシの発生が増加する傾向です。

土の中にウリハムシが残存している場合は、ウリハムシが繁殖しやすくなります。例えば、同じ場所にウリ科作物を連作すれば、土壌内はウリハムシが繁殖する条件が整っています。また、ほかの場所から移動した土の中にウリハムシの卵がある場合もあります。

ウリハムシを捕食する天敵は、テントウムシや鳥類などです。それらの天敵が少ないと、ウリハムシの個体数が増えてしまいます。

ウリハムシの予防法

ウリハムシの発生を予防するには、さまざまな方法があります。ここでは代表的な予防方法として3つの方法を紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

農薬OKなら:農薬での予防も効果的

農薬は、ウリハムシの発生を予防し、被害を最小限に抑えるための効果的な手段です。農薬の種類は、ピレスロイド系・ネオニコチノイド系・有機リン系などがあり、適切なタイミングと方法で使用する必要があります。

それぞれの薬剤は、害虫の耐性発生を防ぐために、ローテーション散布をした方がよいでしょう。また、農薬使用と合わせてほかの方法を組み合わせ(生物的防除など)、総合的な予防をするとウリハムシの予防効果が上がります。

自然農法なら:生物的防除やトラップを使用

・トラップ:光るものや、防虫ネットを設置し、害虫の侵入を防ぎます。

・マルチ:黒色のマルチは、地面を黒色に覆うことで、ウリハムシの産卵場所を減少させることができます。また、土壌温度を調整し、雑草の発生を抑える効果もあります。ウリハムシなどの多くの害虫は、光の反射を嫌う性質なので、シルバーマルチの使用も有効です。

長期対策なら:コンパニオンプランツ(ネギ)や畑の清浄化

ウリ科植物の周囲に強い香りのニンニク・ネギ・バジルなどを植えることで、お互いの生育を助け、害虫を寄せ付けない効果があります。

ウリハムシ対策でおすすめなのは、ネギです。ネギは、ウリ科植物との相性が良く、ウリハムシが嫌う特有のニオイがあるため、発生の抑制効果が期待できます。ネギの根は、土の中の菌を減らすので、畑の清浄化にも効果的です。

そのほかの予防方法として、草木灰の利用があります。草木灰は、草や木を焼いた後に残る灰で、農業や園芸で古くから利用されてきています。草木灰には、カリウムやカルシウムなどのミネラルが豊富に含まれ、土壌改良や病虫害の予防に効果があります。

利用方法はさまざまで、例えば、水に溶かして植物の葉面散布、土壌に混ぜ土壌内のpH調整に利用、植物の周囲に撒くなどです。また、強い香りの木酢液やニームオイルスプレー、ガーリックスプレーの散布なども、忌避剤として利用できます。

まとめ

ウリハムシを放置すれば、作物の健康・収量・品質に悪影響を及ぼします。また、ほかの作物への影響や、畑の土壌環境が悪化するなど長期的な問題も引き起こします。このような理由から、ウリハムシの早期発見と適切な対処はとても重要です。

定期的な観察と早めの対策は、ウリハムシの被害を最小限に抑え、作物が健康に育ちます。効果的な防除のために防除機の使用もおすすめです。防除機は、液体が霧状になって散布でき、害虫駆除や除草、洗浄などに利用できます。

防除機は、使用目的によって大きさや、タイプが異なります。防除機の購入や買い替えを検討している方は、農機具専門店「農機具ランドあぐり家」がおすすめです。

あぐり家は、防除機以外でも農機具の販売や買取もしているので、商品の問い合わせなど、お気軽にご相談ください。

散布機・防除機

この記事を書いた人

株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)

1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。

農機具をお売り下さい
査定無料!最短即日お支払い!
pagetop