全国的にもそうですが、農業分野も高齢化が続いていて、農業従事者の人口は減少傾向にあります。しかし、この状況をビジネスチャンスと捉え、これから農業をしていきたいと考える人も中にはいます。
これから新たに農家で生計を立てていくには、それなりの知識や努力が必要です。成功していくためには、そもそも自分が農家に向いているのか自己分析する必要もあります。
ここでは、新たな一歩を踏み出す就農希望者のために、農家の年収や、向いている人の特徴などを詳しく説明します。
農家全体の平均年収は?
農業といっても、稲作・畜産・果樹など、分野が分かれています。農家全体の平均所得は、約125万円という統計が出ています。
農家全体とは、個人でする専業農家・兼業農家、農業法人、農業法人に従事する全ての人が含まれています。つまり、農家を本業としている人の収入と休日などを利用している人の収入の平均なので、働くスタイルごとに収入を見ていかなくては正確な値が分かりません。
以下で、働き方ごとの年収の平均値を詳しく見ていきましょう。
農家の働き方4種類でみる年収
農業は、自分で独立して農業をすることもできますが、雇用されることも、週末のみ作業するということもできます。もちろん、作業の程度によって収入は異なります。ここでは、就農形態を正社員・専業農家・兼業農家・会社経営の4種類に分けて説明します。
正社員は、サラリーマンと同じように農業法人などに就職して、給料を得ます。雇用される場合の所得平均は、令和3年度の厚生労働省の賃金構造基本調査によると約344万円です。
年収だけでみると一般的なサラリーマンの平均値より少ないものの、安定した収入を得つつ農業スキルを身に付けることが可能です。
専業農家とは、自分が独立して事業主となることです。自分で経営する場合の平均所得は、約433万円となっています。
専業農家の年収分布の内訳をみると、300万円未満が約40%を占め、300万円〜500万円が約26.5%、500万円〜1千万円が約26.5%、1千万円以上が10%でした。全体の平均収入からみると、収入に大きな差があります。
なお、個人事業主としての収入と会社経営者の収入、サラリーマンの収入では、それぞれ収入の考え方が異なることに留意が必要です。
兼業農家は、農業以外の仕事をする傍ら休日などを利用して農業をすることをいいます。兼業農家の所得は、経費を引いたら約15〜90万円が目安です。収入は少ないですが、本格的に農業を始める前に、基本的な技術を身に付けることが可能です。
ここでの会社経営とは、農業を法人化して運営することです。農業法人の平均所得は約424万円です。
参照:令和3年賃金構造基本統計調査 結果の概況
農家として生活していくために目指すべき年収は?
上記の平均値から鑑みると、農家として生活するために目指すべき年収は、平均的な農家の収入以上の300万円〜400万円といえるでしょう。
この年収は、地方暮らしの単身者、もしくは夫婦2人であれば充分暮らしていけますが、家族が増えると不十分かもしれません。
農業は、最初から莫大な利益が出るわけではありません。農業を自分で始めるには、まず設備投資や初期投資が必要です。
さらに言えば、農業は天候や気温など、人の手ではどうにもできない部分により収穫量とそれにともなう収入が左右されるものです。農業を始める前には、しっかりとした事業計画を立てて収支予測をしていくことと、資金を十分に集めておくことが重要です。
農家が儲かるために必要な要素
農家として儲けるためには、まず収益が出やすい作物を選ぶことが重要です。収益がでる単価の高い農作物は、例えばビニールハウスで栽培するミニトマトやイチゴ、なすなどです。このような施設野菜は、高単価ですが、一方光熱費などの経費が固定でかかります。
露地栽培の場合は、農業を始める土地に合った農作物を栽培します。土地の気候や土質によって、育てる作物が合っていないと、美味しい作物ができない、収益が上がらないなどの問題が発生します。
ドローンなどのIT技術を活用する農家が増えてきています。ドローンなどは、先端技術を活用して作業効率化が図れて、農地管理が簡単になるので、利用する農家が増えています。
このように、自分のしたい農業分野で収益性・作物の適正などを考え、より効率の良い農業を総合的に考えると収益アップにつながるでしょう。
収入を上げるための方法
収入をさらに上げるには、収穫量を上げる、付加価値を付けていくなどの工夫が必要です。収穫量を上げるには、年2回同じ種類の作物を収穫する二期作を行ったり、年2回違う作物を収穫する二毛作を行い、田畑を有効活用する方法があります。
質の良い作物を生産して、これまでの作物との差別化を図り、独自のブランドとして販売する方法も有効です。
そもそも農家になるには?
正社員として働く場合は、学歴や資格などの厳しいハードルがあるわけではありませんが、農機具を扱うために普通自動車免許や特殊車両の免許などが必要な場合があります。
正社員として給料をもらいながら農業を学びたい、将来独立するために必要なスキルを身に付けたいと考えている人には向いているでしょう。
兼業農家になるには、市町村や農協、農家から農地をレンタルして栽培する方法があります。一定の使用料金を支払って利用が可能です。
専業農家は、個人事業主として新規就農すればなれます。自分ですべてを決められるため、ハードルはほぼないと言ってもよいですが、一方で知識や技術がないと初年度から収入を得ることが難しいでしょう。
どのような農業をするにも、資金や農地の準備が必ず必要です。また、農機具などは、購入なのか、レンタルなのかでも準備する金額は変わります。農業は、さまざまな条件で収益が変わります。1年だけでなく長期的な資金運用やリスク管理が必要です。
会社経営は、農業法人として農業経営をすることです。個人で経営する場合は、家系と分離され農業のお金の流れが把握しやすく、社会保険に加入するので、従業員を雇用しやすいメリットがあります。
ただし、設立・運営には手間や費用がかかるというデメリットがあります。個人で会社を設立するには手間がかかるため、専門業者を利用する人もいます。
専業農家や会社経営者になる場合は、農業に対する知識や技術を体系的に学ぶのが良いでしょう。本格的に学びたい場合は、全国の農業大学で1〜2年間かけて学べば、各分野の農業知識・技術を習得できます。
また、各自治体の農業研修では独自の研修制度があります。研修期間・内容が一定ではないので興味があれば確認してみましょう。
農家に向いている人の特徴とは
これから独立して農業をするために必要なのは、長期的な視野を持ち自然を理解し、農業スキルを学び続けることです。
長期的なお金の流れをしっかり計画して、将来的に自然災害で収入が減少しても余裕のあるプランを立てて準備している人は、いざという時に対応できるでしょう。
農業スキルを身に付けることは、短期的には非常に難しく、何年もかかります。また、必要な新しい技術が今後出たときに、吸収し取り入れれば、もっとやりがいのある魅力的な農業が目指せるでしょう。
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農業は不覚的要素が多く、さらに始めたばかりの創業期は特に支出と収入のバランスがとりづらい時期です。農機具を導入したいと思っても新車では高すぎる場合があるでしょう。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。