連作障害とは?原因と作物への影響、防止策まで紹介

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連作障害とは?原因と作物への影響、防止策まで紹介

作物を育てるには、収穫量を増やすための知識を知っておくと対策しやすくなります。今回は、これから農家を目指す方、あるいは農家になったばかりの方に、ぜひ知っておいてほしい「連作障害」について解説します。

そもそも連作障害とは何?なぜ連作障害があると困るの?そんな疑問や、対処法や予防法までをわかりやすく説明しますので、参考にしてください。

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連作障害とは?

連作障害は、同じほ場で同じ科の作物を作ることで収穫量の減少や、病気が発生してしまうことをいいます。

野菜などの作物は、土壌の養分を栄養にして育ちます。しかし、土壌内には、作物が育つための栄養以外にもさまざまな要素があります。

作物は土壌の養分・菌のバランスが悪いと生育不良や病害虫が発生しやすくなってしまうのです。

連作障害の原因

連作障害の原因は、土の中にあります。作物は、土の中の必要な栄養分をとり生育します。同じ畑で、ずっと同じ科の作物を作ると、土の中で必要な栄養分だけを吸収するため、生育する過程で土の中の環境は、微生物や栄養が偏った状態に変化してていくのです。

土の中の微生物や栄養が偏ると、酸性度の変化や微生物のバランスが崩れ、生育不良や病気に対する耐性が弱くなってしまいます。

連作障害の症状

連作障害は、「土壌病害、線虫害、生理障害」の3種類があります。それぞれの連作障害の症状の出方が異なり、予防法もそれぞれ異なります。

土壌病害

青枯病:初期症状は、日中、葉が水分を失いしおれた状態になり、夜や曇りの日には回復。2~3日続き、上の葉から順に青いまま回復せずに枯れていく。
萎黄病:葉が黄色くなり、落葉。葉が縮み、茎内部が変色、根は黒く変化。
つる割病:日中、下の葉がしおれて、夜に回復する。
根こぶ病:生育が悪くなっていき、葉の色も徐々にあせる。根に大小のこぶ状のものができる。
半身萎凋病:株の片側(半身)の葉だけが黄化し、萎れる場合が多い。
線虫害
線虫は、土の中に生息し、1ミリ以下の細長い糸状なので肉眼では確認しづらいです。植物の根に寄生し根腐れなどの症状がでます。根以外に葉にも寄生する場合があります。

生理障害

生理障害は、土の中の養分・気温や雨量・太陽光の過不足などさまざまな環境要因により、作物の成長が充分に行われないことをいいます。特に土の中の養分の偏りは、作物の生育不良につながってしまいます。

土の中の養分は、おもに窒素・リン酸・カリです。窒素は葉や茎を成長させ、葉色を濃くする働きがあります。リン酸は、開花や結実を促進する働きがあり、カリは、根の成長に欠かせません。

ほかにもカルシウム・マグネシウム・硫黄などがありますが、作物によって必要な施肥量は異なります。また、他の環境要因とのバランスも重要です。

連作障害になりやすい作物

ナス科(トマト・ナス・ピーマンなど)
青枯れ病・萎凋病・半身萎凋病・立ち枯れ病・線虫

アブラナ科(白菜・小松菜・キャベツなど)
根こぶ病

ウリ科(キュウリ・スイカ・メロンなど)
つる割病・線虫

作物を育てると、その作物は必要な栄養を根から吸い上げます。特にナス科・アブラナ科の作物は養分を大量に吸い上げます。土の中にある養分は減り、追肥で補えますが、土の中の栄養分は変化してき、連作障害になりやすい環境になります。

連作障害になりにくい作物

連作障害になりにくい作物は、さつま芋やニンジン、ネギやニンニクなどです。これらの野菜は比較的連作障害の影響を受けにくいです。

しかし、何年も同じ作物を植えていると、その作物を好む病害虫が増えていき収量が減ってしまう可能性があります。いくら連作障害になりにくいといっても、なる可能性はあります。

そのような場合は、後作などを上手に取り入れてみましょう。例えば、さつま芋の後作には、栽培時期が11月からの玉ねぎが適しています。

連作障害を防ぐためには?

土壌改善

土の中の栄養分の偏り、病害虫の発生、カビやウィルスなどの病気により作物が育たない環境にある場合は、土壌改善が必要です。カビやウィルスが畑で発生すると、消毒などが必要になってきます。

健康な土は、水もちや水はけが適度にあり、有用な微生物が適度にいます。耕すときには天地返しをして、畑に適度な施肥を行います。また、土壌改良剤などを利用するのもよいでしょう。

健康な土壌で、必要な栄養や、環境で作物を育て元気な作物を育てましょう。

輪作

輪作は、毎年別の作物を作ることをいいます。輪作をすると、土の中の養分や微生物の偏りを防ぐことができます。作物には、輪作年限があり、作物ごとに定められています。

例えばトマトは、3年〜5年、キュウリは2年〜3年、小松菜は1年の間隔をあけるのがよいとされています。連作障害を避けるために輪作として別の野菜を育て、栽培間隔をあける目安になります。

コンパニオンプランツ

コンパニオンプランツは、同じ場所や近くに、互いの生育を助けるあるいは病害虫を防ぐ効果のある相性の良い植物を植えることをいいます。

例えば、マリーゴールドは線虫などの予防に有効で、ナス・トマト・ピーマンなどと好相性です。ニラは土の中の病原菌を減らす効果があり、ナス科の植物との相性がよい作物です。トマトとバジルの組み合わせは、アブラムシの忌避や、根の水分を保つ効果が期待されます。

アブラナ科の小松菜や水菜は、ハムシの忌避効果があるニラと植えると良いとされています。

連作障害になってしまったら?

畑に連作障害の症状がでたら、土の中の栄養分の偏りが原因の場合が多く、その場合は、土の栄養状態によって、適切な土壌改善が必要です。

土壌改善の応急処置として専用の資材を使用する方法があります。例えば、「ポーマン」は、アミノ酵素や活性ケイ素の力で作物の生育を助け、病気への耐性を高めます。

本来なら徹底的に土壌改善が望ましいですが、育てている途中の作物の収穫をしたい場合の応急処置として資材を利用してみる方法もあります。

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この記事を書いた人

株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)

1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。

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