建設現場や農作業で、バックホーを購入したいと思ったときには、まずサイズを知ることが重要です。
バックホーのサイズとそのサイズのものを運転するのに必要な免許、またサイズ以外の要素も含めた詳しい選び方を解説します。
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建設・農業の現場で使われるバックホーとは?
油圧ショベルを前にして、「バックホー」や「ユンボ」などと呼ぶ人を見たことがあるのではないでしょうか。それぞれどう違うのか、定義や仕組みを紹介します。
油圧ショベルとバックホー、ユンボの違いと関係
油圧ショベルと、バックホー、ユンボの違いは主に以下のとおりです。
油圧ショベル:JISでの登録名称で、いわゆる正式名称。油圧式でショベルを動かす仕組みをもつ。
バックホー:バックホウとも。運転席から見て前方にショベルが取り付けられている形の油圧ショベルのこと。官公庁での呼び名としてはバックホーが主となる。
ユンボ:もともとは商品名。現在は油圧ショベルの代名詞的な存在に。
上記のとおり、基本的には油圧ショベルと使うのが正しいとも言えますが、バックホーもユンボも、代名詞的に呼ばれる名称です。
バックホーの仕組みと特徴
バックホーの仕組みを理解するには、まず油圧について知る必要があります。
油圧とは、油に圧力をかけてその圧によって移動させ、歯車を通してそのエネルギーを利用する技術です。
一般的に、油圧ショベルはエンジンを始動させて油圧ポンプを動かします。油圧ポンプが動くと、圧力がかかった油がコントロールバルブを通して移動します。移動する先は動かしたい部分、つまり走行・旋回するためのモーター部分と、ショベル部分です。
油圧ショベルのうち、バックホーは前方にショベルが付いているタイプです。ショベルは油圧で動き、運転席側に引き寄せる動きを行って掘削します。主に、地面より低い場所を掘削するのに向いている油圧ショベルです。
バックホーのサイズは?
バックホーは、そのショベル容量(㎥・立方メートル)あるいは機体の重量でサイズが分かります。基本的には機体の側面に機体の型番が記載されていて、型番にある数字がサイズの参考になることもあります。いくつかのメーカーでは、型番が機体の重量を示しています。
ショベル容量ごとの区分(平方メートル)
● 0.7~:大型バックホー
● 0.25~0.45:中型バックホー
● ~0.2:小型バックホー
ショベル容量の0.25平方メートルのことを「コンマ25」、0.7平方メートルのことを「コンマ7」と呼ぶこともあります。
バックホーの運転に必要な資格
バックホーの運転をする際に必要な資格は、機体の重量で決まります。
バックホーの資格としては、以下2種類のうちいずれかをとる必要があります。また、公道を運転する場合は、その2つとは別に自動車免許も必要です。
● 車両系建設機械運転技能講習
● 小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育
車両系建設機械運転技能講習
この講習は、3t以上の建設関係の機械の運転の際に受けなければならないもので、労働安全衛生法で受講を義務づけられています。
具体的には「掘削」のほか、「整地」「運搬」「積込み」などを行う機械の運転をする人が対象です。
講習の必要時間は、その人の知識量(資格・業務経験)に応じて、6時間から38時間までの6段階で区分されています。
何の資格も経験もなければ、最大の38時間もの講習を受けることになります。
14時間の講習で済むのが、大型特殊免許を持っている人や、不整地運搬車運転技能講習を終了した人などが対象です。
最小の講習時間は6時間で、車両系建設機械(解体用)運転技能講習を受けた人が対象となります。
バックホー以外でも、この講習を受けて運転できるようになる機械として、ブルドーザー、ホイールローダー、バケット掘削機、そのほか多くのものがあります。
小型車両系建設機械の運転の業務に係る特別教育
この資格は、3トン未満のバックホーを運転する際に必要です。具体的な講習の項目としては、以下のものがあり、合計で13時間かける必要があります。
なお、対象の機種としては「車両系建設機械運転技能講習」と同様で、対象の機体質量が異なるものです。
【学科】
走行に関する装置の構造及び取扱いの方法に関する知識(3時間)
作業に関する装置の構造、取扱い及び作業方法に関する知識(2時間)
運転に必要な一般的事項に関する知識(1時間)
関係法令(1時間)
【実技】
科目教育時間走行の操作(4時間)
作業のための装置の操作(2時間)
自動車免許
基本的に、建設機械類は現場での走行がほとんどで、公道を走る機会はそう多くありません。しかし、場合によってはトレーラーに乗ってではなく、自力で公道を走って現場に向かうこともあります。
私有地ではなく公道を走る場合は、運転免許が必要です。運転者は、運転する機体の車両総重量と最大積載量に見合った免許を持たなくてはなりません。また、その機体はナンバープレートの登録を事前に行います。
車体の総重量と最大積載量ごとに対応する免許は以下の通りです。
大型自動車免許:車両総重量11トン以上・最大積載量6.5トン以上
中型自動車免許:車両総重量5トン以上11トン未満・最大積載量6.5トン未満
普通自動車免許:車両総重量5トン未満・最大積載量3トン未満
なお、ホイール(タイヤ)のみが公道走行が可能で、キャタピラ(クローラー)での公道走行は許されていないことに注意が必要です。
バックホーの選び方
ここまでバックホーの基本についてみてきましたが、ではバックホーは何を基準に選べば失敗しないでしょうか?選び方のポイントを紹介します。
以下に挙げる以外にも、コマツや日立をはじめ、住友、ヤンマーなどのメーカーの好みで選ぶのもよいでしょう。
機体サイズ
本体のサイズは最も重要で、選ぶ際の最初の絞り込み条件となるでしょう。作業する現場の広さや移動する道の狭さの程度、掘削したい部分の広さ・深さなど、適切なサイズを見つけるにはさまざまな箇所の確認が必要です。
機体を保管する場所の広さも重要です。保管場所に入りきらずに雨ざらしにしてしまえば、劣化しやすくなり、さらには故障の原因にもなりえます。
また、保管場所から公道を通って現場へと移動させる可能性があれば、運搬時について考えなくてはなりません。運搬するトラックやトレーラーの積載量や寸法に合わせる、あるいは逆に、求めるバックホーに合わせて運搬手段を調達する必要があります。
もちろん、公道を運転するための免許も、バックホーのサイズに合わせて持っておくことも必要です。
現場の条件
現場によっては、バックホーの移動する範囲が限定されて「旋回」できるかどうかも重要な要素となります。
そんなときは「超小旋回機」または「後方超小旋回機」を選ぶのがおすすめです。旋回することで、移動のために機体自体を動かす必要がなくなり、効率的な作業が可能になります。
現場の地面の状況も選び方にかかわります。地面がぬかるむ場合やその他タイヤが動かしづらくなる条件の場合は、ホイールタイプよりもキャタピラタイプが向いています。
一方、現場に直接移動する場合や、スピーディに除雪や運搬を行う場合のような機動力が求められるときはホイールタイプが向いているでしょう。
掘削の深さ
バケット容量を決める際は、掘削の深さを参考にできます。当然、バケット容量が小さいと掘削するための回数は多くなり、作業時間が多くなります。効率を求める場合はバケット容量を大きいものを選ぶ必要があります。
掘削したい深さや容量から、必要なバケット容量とかかる時間を計算してみるのもよいでしょう。
オプション
バックホーのオプションとして、欲しい機能を搭載できるかどうかも検討しましょう。バックホーはハサミやブレーカー、ブレードなどのアタッチメントを付けて、バケットでの掘削以外の作業も効率的に行えます。
すべての機械ですべてのアタッチメントが使えるわけではなく、アタッチメントを付けるためにパーツや加工が必要な場合もあることに注意が必要です。
小型ユンボの選び方【中古販売・レンタル】必要な資格も解説
バックホーの新品価格・中古価格の相場
バックホーは、新品だと小型のもので400万円台から600万円台まで、中型だと800万円程度から1000万円を超えるものまであります。
大型だと1500万円から、ショベル容量が大きくなればなるほど比例して価格も上がっていきます。
新品価格だと小型のバックホーですら数百万円単位で費用が必要です。
一方、中古であれば、あぐり家のバックホーは50万円台から100万円台ほどの価格で手に入れることができます。
中古のバックホーは、新品とは価格のつけ方が異なります。サイズ以外でも、年式やアワーメーター(稼働時間)、故障歴などで価格が異なってくるため、残りの見込み稼働時間も含めて検討しましょう。
関連リンク:
【素人でも簡単】ユンボをメンテナンスして長持ちさせる方法
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バックホーは、新品価格だとかなりの高額出費になりがちです。何かと機械が必要で出費が重なってしまうことや、あるいはほかの理由で購入をためらう場合もあるでしょう。
新品へのこだわりがなく、最新機能が付いていなくても問題ないのであれば、中古の購入がおすすめです。
中古であれば比較的安く手に入り、支出を圧迫しないで効率的な営農をしていくことができます。
農機具ランドあぐり家では、バックホーをはじめトラクターや管理機、草刈り機など、さまざまな農機具を販売・買取しています。
購入後すぐに使える状態に整備しているので、安心です。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。