本体を引くだけで雑草を一気に刈ることができる自走式草刈機は、農地など広い面積の草刈りには欠かせません。しかし、いざ入手しようとすると種類やメーカーが多岐にわたり、どれを選べばよいか迷ってしまいがちです。
そこでこの記事では、自走式草刈機を選ぶときのポイントからメーカー別のおすすめまで、初心者にも分かりやすく解説していきます。これを読めば、購入すべき自走式草刈機がイメージできるようになるはずです。
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自走式草刈機の特徴・刈払機との違い
自走式草刈機とは、動力と車輪が付いていて自動で草を刈りながら前進する草刈機です。種類によっては、広い場所を短時間で一気に刈り取れ、背の高い草にも使えます。
操作はレバーを握って方向を調整するだけと、簡単です。スティック状の草刈機・刈払機のように持ち上げて手を動かす必要がないため、体の負担が少ないのも特徴です。
自走式草刈機の選び方
自走式草刈機の主な特徴が分かったら、製品選びに移る前に選ぶポイントを把握しておきましょう。ほしい草刈機の条件をある程度狭めておくことで、ずっと選びやすくなりますよ。
草を刈る方法で選ぶ(ハンマーナイフ、ロータリーナイフ、スパイダー)
自走式草刈機は、刃の形状や草を刈る方法によってハンマーナイフモア、ロータリーナイフモア、スパイダーモアの3種類に分けられます。
パワフルで草を集める手間いらず!ハンマーナイフモア
Y字の複数刃を縦に回転させ、ハンマーのように叩きながら草を刈り取っていくタイプの草刈機です。パワフルで背の高い草にも対応しやすく、刈り取った草はチップ状に砕かれるため土に還元されやすくなり、後で草を集める必要がありません。
パワフルで機能的な反面、刃の枚数が多いため他の種類と比べると交換する手間もコストもかかります。また、叩きながら草を刈るため仕上がりの美しさは劣ります。刈った後の高さを揃えたいのであれば、別の種類を使うようにしましょう。
スピーディ&手軽に刈れるロータリーナイフモア
ハンマーナイフモアが刃を縦に回転させるのに対し、ロータリーナイフモアは機械の底についた平らな刃を水平に回転させて草を刈ります。スピーディで刈跡がきれいなのがメリットです。
小型で価格は比較的リーズナブルなものが多いのが特徴。刃の枚数も少ないのでランニングコストも安く済みます。ただし、刃の構造がシンプルなぶん石などの障害物には弱く、背の高い草や密集した草を刈るのには向きません。小規模な農地や家庭向きといえます。
長いハンドルで斜面も楽々のスパイダーモア
本体から長いハンドルが出た形状が特徴的なスパイダーモアは、その名の通りクモのように斜面でもしっかりと地面をとらえ草を刈ることができます。畦(あぜ)や法面(のりめん)といった傾斜のある土地での使用に向いたタイプです。
刃の形状自体はロータリーナイフモアと同じ水平タイプで、障害物や背の高い草には不向きです。また、固すぎたり柔らかすぎたりする土地だと扱いにくくなる傾向にあるため、注意が必要です。
歩行型だけじゃない!大型業務用なら乗用モア
より大型でスピーディに作業ができるのが、自動車のように乗って運転するタイプの乗用モア。前輪と後輪の間に刈刃が付いており、ハンマーナイフモアとロータリーナイフモアのどちらの形式も見つけられます。
歩行型の草刈機と比べて大幅に作業時間を短縮できる反面、新品だと60万~100万円と高額なため、規模の大きい農家の業務用として選ばれる傾向にあります。
草を刈る面積や草の高さで選ぶ
一口に自走式草刈機といっても、一度に刈ることができる幅や対応している草の高さは異なります。除草作業をする場所の面積や草の高さを確認しておくことで、作業に適した種類の草刈機を選べます。
注目すべきは刈幅です。刈幅が広い自走式草刈機は往復する回数が少なくてすむ反面、どうしても大回りになります。大は小を兼ねると大きいサイズを購入しても、狭い敷地では小回りが利かずかえって使いづらくなり、刈残しが出てしまうこともあります。使用する土地面積に合った適切な刈幅を選びましょう。
また、自走式草刈機は手持ち操作ができるタイプとは違って、刈れる草の高さが決まっています。草や背が高い草を刈りたいときは、その高さに対応したサイズの草刈機を選ぶ必要があります。
パワーと静音性で動力を選ぶ(エンジン、電動)
数年前まではエンジン式が主流だった自走式草刈機ですが、近年では電動式の開発も進んでいます。それぞれパワーや静音性、扱いやすさといった観点でメリットとデメリットがあるため、それぞれの特徴を見てみましょう。
パワフルで効率的な作業ができるエンジン式
燃料によって動くエンジン式の草刈機は、パワーが大きく密集した背の高い草も刈ることができ、効率的な作業が可能です。ただしその分、振動や騒音が大きいため住宅地で使用するには気が引けます。
エンジン式のなかでも2サイクルと4サイクルの2種類があります。2サイクルはパワーが大きく、構造がシンプルなため安価なのが特徴ですが、混合ガソリンが必要です。排ガスの有毒性が高いというデメリットもあります。
一方4サイクルは、2サイクルよりパワーは劣るものの通常のガソリンで稼働でき、比較的静かで燃費が良く、排ガスも少ないのが特徴です。
静かで扱いやすい、電動・バッテリー式【リモコンタイプも】
数年前に登場した電動タイプの自走式草刈機は、ガソリン式の課題であった振動、騒音、排ガス、取り扱いの難しさを解消し、住宅地でも気兼ねなく除草作業ができます。初心者でも使いやすくなりました。
軽量で扱いやすい反面、ガソリン式と比べるとパワーが劣り、大規模な除草作業には向かないというデメリットもあります。
電動式の自走式草刈機を入手する場合、2タイプから選べます。電池切れを気にせず使える電源コード式と、どこでも使えるものの稼働時間が長くはないバッテリー式に分かれるので、作業環境や時間に合わせて選ぶようにしましょう。
法面や畦など斜面を刈るなら、斜面適用角度を確認
スパイダーナイフモアをはじめ、自走式草刈機には斜面でも作業ができるタイプのものがありますが、種類によって適用角度が異なります。
斜面に特化したタイプもあれば、平面と斜面の両方で使用できるタイプもあります。斜面での使用を想定している場合は、使用環境に合わせて適用できる斜面の角度を確認しておきましょう。
【メーカー別】自走式草刈機のおすすめ10選
自走式草刈機の選び方が分かったら、いよいよ商品探しです。メーカーごとの特徴を押さえて、ほしい草刈機を見つけてみてください。農機具の主要メーカーについてはこちらの記事も参考になります。
農機具メーカー国内売上高ランキングTOP7!選び方のポイントも解説
● 農作業を極めるクボタの自走式草刈機
世界トップクラスのシェアを誇る農機具メーカーであるクボタは、2015年に初の自走式草刈機を発売しました。操作のしやすさはもちろん、畦(あぜ)や法面(のりめん)など斜面にも対応し、農作業の効率化に役立つ幅広いラインナップです。
軽量で操作しやすい畦畔草刈機「カルキュート」
畦の上と側面が同時に刈れる畦畔用の草刈機のなかで、初心者や女性にもおすすめなのが「カルキュート」です。軽くて溝越えがしやすい特徴をもっています。
住宅地でも使いやすい電動式「しずかる」
クボタの自走式草刈機なら電動式は外せません。排ガスゼロで環境にやさしく、騒音や振動も少ないため住宅地の田畑でも気兼ねなく使用できます。1回の充電で60分使用でき、燃料交換が不要なのも嬉しいですね。
本格プロ仕様の「GC Master」シリーズ
プロ仕様の本格的な自走式草刈機として、GC Masterシリーズがあります。ハイパワーのエンジンと高い耐久性で、広い農地での作業を効率化しました。平面と法面で使えるタイプと畦畔向けタイプがあります。
● ホンダは自動車メーカーならではの高性能
自動車メーカーとして知らない人はいないホンダですが、農機具や除雪機の製造も行っており、自動車メーカーならではのエンジン性能を活かした高機能な機種があります。自走式草刈機も例外ではありません。
ホンダ自走式草刈機のスタンダードモデル「UM2160」
ホンダのエンジン式ロータリーナイフモアのなかで、もっとも安価でベーシックなタイプです。2段変速で狭い場所や長い草は1速、広い平地には2速と使い分けできます。刈高も15~75mmの4段階調整が可能です。「UM2160」のほかに刈幅が広く傾斜地に対応したタイプもあります。
ロボット草刈機「グラスミーモ」を開発
最新技術の開発にも積極的に取り組んでいるホンダからは、ロボット掃除機ならぬロボット草刈機も販売されています。果樹園など広大な敷地の草刈の手間を一気に軽減してくれます。
● 自走式草刈機といえばオーレック
自走式草刈機で国内トップクラスのシェアで、多くのメーカーにOEM供給も行っているオーレック(OREC)。用途に合わせて多くの自走式草刈機を展開しています。
スパイダーモアの先駆けはオーレック!小型軽量な「SP301A」
スパイダーモアーは、もともとはオーレックの商品名でした。その需要の高さから、一般名詞として呼ばれるようになったのです。小型で軽量な「SP301A」は操作性と安定感が抜群で、1本のハンドルで斜面の雑草を楽に刈れます。
スパイダーモアーは「SP301A」以外にも操作性とパワーを両立した「SP431F」、スピードアップした「SP853」、さらにはハンドル不要のラジコンタイプ「RCSP530」と、種類が豊富です。
ほかにも、2面刈りの「ウィングモアー」、ハンマーナイフ式で草を粉砕する「ブルモアー」など、豊富なラインナップのなかからぴったりの機種を選べます。
● 共立(やまびこ)
小型野外作業機を製作している株式会社やまびこのブランドである共立(KYORIZ)は、目的に合わせて選べる自走式草刈機を展開しています。
畦草刈機の斜面刈り用コンパクトモデル「AZ301A」
共立の畦草刈機と呼ばれるタイプは畦の上と側面を刈れる「二面刈りシリーズ」と法面にも対応した「斜面刈りタイプ」の2種類が展開されています。
軽量タイプからプロ仕様までラインナップされていますが、いちばん求めやすいのが軽量な斜面刈りタイプの「AZ301A」です。コンパクトながら、4輪駆動と特殊スパイク車輪で斜面に張り付くように作業することができます。
パワフルなハンマーモアのクローラーモデル「HRC665」
共立には広大な敷地をきれいに刈る歩行用ロータリーモアもありますが、ここで紹介するのはハンマーモアのクローラーモデル。後輪がベルト状になっていて、休耕地など不安定な土地でも安定して走行ができます。「HRC665」はもっともベーシックなタイプです。
● イセキ、ハイガー産業も人気
ほかにも自走式草刈機を製造しているメーカーは多岐にわたります。ここではその一部を紹介します。
イセキの手軽なプロ仕様ウイングモアー「WM634」
小型農機具メーカー、イセキ(ISEKIアグリ)の自走式草刈機はスパイダーモアからハンマーナイフモアまでさまざま。なかでも展開が豊富なのがウイングモアーという名称の畦の上と側面の2面刈りができるタイプです。
「WM634」は安価で軽量なタイプですがしっかりとしたプロ仕様で、3速まで速度が変更でき、クローラータイプで安定走行が可能です。
ハイガー産業のロータリーモア「HG-CK165B」
ハイガー(HAIGE)は徹底的にコストを抑え、中国生産、自社開発・製造・販売を行っているのが特徴。自走式草刈機には乗用型と歩行型があり、「HG-CK165B」はハイガーで唯一の歩行型です。
三輪車方式で小回りが利き、ロータリーナイフできれいに雑草を刈っていきます。求めやすい価格でパワフルかつ斜面にも対応した品です。
レンタル?中古?おすすめの入手方法
新品だと15万円以上かかる自走式草刈機は決して安い買い物ではありません。毎シーズン使う訳ではなければレンタルするのも一つの方法ですが、年に何度も使用する場合は購入したほうが安く済む場合もあります。
日本の農機具は高性能で中古でも使えるものが多いものの、購入店選びには注意が必要です。安くても整備が不十分だったりアフターフォローがなかったりすると、せっかく購入しても長く使えません。プロの整備士が常駐していて、使える状態で販売している中古販売店を選ぶのがおすすめです。
自走式草刈機の中古購入、買い替えならあぐり家
中古農機具の買取販売店のあぐり家は、元農機具修理店・販売店の実績があるため購入後のアフターフォローが充実しています。購入後も長いお客様との長い付き合いを心がけています。
また、プロの整備士が常駐しているのでどんなに古い物、壊れている物でも買取可能。不要な農機具を元手に新しい農機具を購入することもできます。電話やWEBサイトのお問い合わせフォームをはじめ、LINEでも相談可能です。まずは気軽にお問い合わせください。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。