1台あれば、耕運はもちろん土づくりにまつわるさまざまな作業ができる便利な耕運機。農作業の効率化には欠かせませんが、いざ購入しようとすると種類が多くてどれを選んだら良いか迷ってしまいますね。
そこで、耕運機の正しい定義からロータリー、燃料、アタッチメントといった種類、さらには主要メーカーのおすすめまで解説します。購入・買い替えを考えるなら、まずはこの記事をチェックしてみてください!
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種類の前に、耕運機の定義を知ろう
耕運機を調べようとして、耕耘機、管理機、テーラーなどいろいろな名前が出てきて混乱した人もいるでしょう。耕運機の種類を見ていく前に、耕運機の正しい定義を知っておく必要があります。
耕運機は、その名の通り田んぼや畑を耕す「耕運」に使いますが、開発当初からうね立てや整地などもできる便利な農機具として販売されてきた農機具です。
耕運機と管理機はほぼ同じ
耕耘機、管理機、テーラーと耕運機の違いは何でしょう。実は、現在はどれもほぼ同じだと思って良いという状態です。
耕運は「耕耘」と書いていたものを、日本新聞協会用語懇談会が「耕運機」という代用表記を定めました。「耕うん機」と書くメーカーも少なくありません。
耕運がメインの耕運機に対して、管理機はアタッチメントを取り付けることが前提という分類もされますが、管理機も耕運がベース機能である場合も多く、厳密な違いは見られません。「テーラー」は基本的には耕運機の英語で、大型や乗用のものを指す場合もあります。
このように耕運機、管理機、テーラーは違いが曖昧なため、耕運機を探すときにはすべてを候補に入れて選ぶようにしましょう。
耕運機の種類の選び方
ここからは耕運機を選ぶときのポイントになる種類を解説していきます。主な要素を理解して選ぶことで、自分の農地にぴったりの耕運機を見つけることができます。
ロータリーの種類【車軸・リア・フロント】
エンジンの力で耕運爪を回転させて土を起こす「ロータリー」。その位置によって特徴が異なります。
コンパクトで初心者にも使いやすい「車軸ローター式」
車軸部分にローターが付いてロータリーとして機能するのが車軸ローター式です。近年増えている「ミニ耕運機」によく使われており、コンパクトさが最大の特徴といえます。小回りが利き比較的安価で手に入るので、家庭菜園や力の弱い人でも使いやすいのがメリットです。
車軸がローターになっているのでタイヤが無いものが多く、移動させづらいのが難点ですが、ハンドルをたたんで小さくなるので軽自動車のトランクに乗せて運ぶことができます。
パワフルに耕すなら「リアロータリー式」
耕運機のオーソドックスなスタイルがこのリアロータリー式で、車輪の後ろにロータリーが付いているタイプです。タイヤが先にあるため隅まで耕すことはできませんが、直進性が良く、エンジン部の重量でロータリーを土に深く食い込ませられます。
ただし、タイヤの後ろにロータリーが位置しているため足元のすぐ近くに爪がきて、足を巻き込むリスクが高いため注意が必要です。メーカーや機種ごとに安全のための対策を確認してから購入しましょう。
隅々まで耕せる「フロントロータリー式」
タイヤの前にロータリーが付いたフロントロータリー式は、リアロータリーの欠点を解消した耕運機です。前方にロータリーがあるため足を巻き込んでしまう危険性が少ないうえに、隅々まで耕すことができます。
エンジンから離れた位置にロータリーがあるため、リアロータリーのように重さが伝わりにくく、食い込みが浅めにはなります。そのぶん軽く持ち上げて操作ができるので、安全性や操作性を求める人にはこちらのタイプがおすすめです。
燃料の種類【ガソリン・ディーゼル・電動・ガス】
耕運機は、動力源となる燃料にも複数種類があり、パワーやメンテナンスのしやすさなどに違いが出ます。
ベーシックな「ガソリンエンジン式」
小型でもパワフルに稼働するガソリンエンジンは、耕運機に最も多い動力源です。家庭菜園にも使えるミニ耕運機から、プロ仕様の大型のものまで幅広く使われています。
4サイクルエンジンと、混合ガソリンを使う2サイクルエンジンがありますが、現在の一般的なガソリンエンジン式の耕運機は4サイクルエンジンが採用されています。燃費効率が良い反面、自動車のように排気や騒音が出るため閑静な住宅地での使用には注意が必要です。
大きな馬力を出すなら「ディーゼルエンジン式」
ガソリンエンジンよりも回転させる力であるトルクが大きく、馬力を出す必要がある耕運機に用いられるのがディーゼルエンジンです。負荷がかかっても低速回転ができるので、しっかりと土を耕したい耕運機に向いているエンジン形式です。
燃料は軽油を用いるため運用コストは安く済む反面、本体価格や修理代は高額です。大規模な農場を運営する人に向いているタイプといえるでしょう。
住宅地の家庭菜園向き「電動式(コンセント・バッテリー)」
ガソリンや軽油といった燃料を使わないタイプの耕運機は、静かで排気が出ないため住宅地での作業でも近所に迷惑をかける心配がありません。パワーはエンジン式に劣るため、家庭菜園のような小規模の作業に向いています。
コンセント式は作業時間に制限がありませんが、コンセントが届く範囲でしか作業ができません。バッテリー式はコードが不要で作業をする場所を問わないものの、一度の充電で作業できる時間が20~30分と短めです。
手軽に燃料交換できる「ガスボンベ式」
耕運機には、家庭でよく使うカセットボンベが燃料のタイプもあります。手軽に手に入り、保管ができるためガソリンと比べて燃料交換の手間がかからないのがメリットです。稼働時間は1本あたり1時間と、充電式バッテリーよりは長めです。
広い畑では稼働時間が物足りないのと、パワーもガソリンほどは出ないため、ガスボンベ式も電動式と同様に家庭菜園や小規模の農作業に向いているタイプです。
耕幅・馬力は広さと土質で選ぶ
耕運機には、家庭用の小型なものから業務用の大型なものまで幅広いサイズで展開されています。大きさを選ぶときにポイントになるのが、耕幅と馬力です。
耕幅は、一列で耕せる土の幅を意味します。たとえばクボタの場合は42cmのミニ耕運機から75cmの管理機用アタッチメントまで、ヤンマーはミニ耕運機で33cm、大きいものだと70cmと、メーカーや機種によって幅があります。
一方馬力は大きいほど力が強くなり、幅の広い耕運が可能になるほか、硬い土や粘土質の土もしっかりと耕すことができるようになります。ただし大きい馬力になればなるほど価格も高くなるため、自分の農地に合ったサイズを選ぶようにしましょう。
アタッチメントの種類【耕運・整地・うね立て・マルチその他】
続いて、耕運機に取り付けられるアタッチメントの種類を紹介します。機種によって対応しているアタッチメントが異なるので、どんな作業を行いたいかを確認してから製品選びを始めましょう。
土地の状況に合わせた「耕運」
土を掘り返してかき混ぜる耕運は、耕運機の最もベーシックな機能です。耕運機にはローターが標準装備されているのでそのままでも耕運できますが、アタッチメントのローターを取り付けることでより効率的に作業ができるようになります。
例えば硬い土を砕いたり、より深く耕したりしたいときに爪の形が異なるローターを取り付け、うね崩しなど幅広く土を掘り返す必要があるときは、車軸の広いローターを用います。
作物の生育に欠かせない「整地」
耕した土を平らに整えるときに、整地レーキやレベラーと呼ばれるアタッチメントを取り付けます。整地作業によって作物が均等に育つようになり、うね立てがしやすくなるといった利点があります。
熊手のように櫛状になっているレーキは耕運後に残った藁や雑草を取りながら整地していくことができます。レベラーは土の表面を軽く押さえつけながら進むことで、土地を平らに均します。
作業効率が一気にアップ!「うね立て・マルチ」
作物によって平うねや丸うねといった形やうね幅は異なります。作物に適したきれいなうね立てには耕運機のアタッチメントは欠かせません。うねの幅や高さが固定されたシンプルなタイプから、幅・高さを細かく調整できるものまで、豊富な種類が選べます。
さらにマルチャーと呼ばれるマルチ作業のアタッチメントなら、耕運機を走らせるだけでうね立てからマルチシート張りまでの一連の作業がまとめてでき、作業時間の大幅な短縮が可能となります。
マルチャーについて詳しくは、こちらの記事でも紹介しています。
管理機用マルチャーの選び方を解説!価格相場・メーカーも紹介
生育途中に重要な「中耕・培土」
作物の生育途中で固くなってきた土を耕し、土の通気性や水はけを良くする中耕作業や、うねから作物の根が露出するのを防ぐために行う培土作業も、耕運機のアタッチメントを使って行うことができます。
中耕には、耕運よりも狭い範囲を耕すのに適した専用のローターがあります。培土器のアタッチメントも種類が豊富で、うねや溝の幅に合わせて選ぶことができます。
自宅の庭も果樹園も、幅が選べる「除草」
土そのものを作る作業以外にも使えるアタッチメントがあります。その主たるものが除草作業です。草刈機単体で所有している農家も少なくありませんが、除草用のスパイラルローターを使えば、耕運機でもパワフルな除草が可能になります。
スパイラルローターは土より少し下を掘り返しながら除草するため、草を刈るよりも次の雑草が生えてきにくいというメリットがあります。耕運作業同様に幅が選べるので、使う土地の広さに合わせたアタッチメントを使いましょう。
その他、便利なアタッチメント
耕運機に取り付けられるアタッチメントには、他にもさまざまな種類があります。タイヤがない車軸ローター式の耕運機の移動用車輪や、かごを乗せて収穫物の運搬ができるリアキャリア、さらには豪雪地帯に嬉しい除雪作業までも。
耕運機1台で多様な作業を行いたい場合、対応しているアタッチメントを詳しくチェックしておきましょう。
メーカー別!おすすめ小型耕運機
耕運機は多くのメーカーから販売されています。ここでは家庭菜園や小型の田畑にもおすすめの小型・家庭用耕運機を、主要メーカー別に紹介します。
農機具メーカーについて詳しく知りたい人は、こちらの記事もチェックしてみてください。
農機具メーカー国内売上高ランキングTOP7!選び方のポイントも解説
世界に広がる農機具メーカー「クボタ」
知名度・売り上げともに知られているクボタ。国内でも高いシェア率を誇っていますが、実は農業のトータルソリューションカンパニーとして世界でも活躍しています。
耐久性に優れた農機具を多数販売しているクボタは、耕運機のバリエーションも豊富。大型でパワフルなプロ仕様の管理機だけではなく、家庭で使えるミニ耕運機も作られています。
静かでパワフルな小型耕運機「菜レント」
クボタの小型耕運機は、バッテリー式の車軸ロータータイプ。モーター駆動で騒音や排ガスが少なく、住宅地でも使えます。手元の振動が少ないので、女性や高齢の人が長時間使っても疲れにくい設計の耕運機です。
耕幅55cm、最大耕深15cmとワイドながら、小さくたたんで小型車にも簡単に積み下ろしができます。移動に便利な車輪付きなのも嬉しいポイントです。
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初心者からプロまで愛される「ヤンマー」
ヤンマーは大型船舶用エンジンやエネルギー関連など幅広い事業を展開していますが、そのなかでも農機具が占める割合は高く、主力事業となっています。
ヤンマーの農機具はシンプルな操作性と故障のしにくさで、初心者からプロまで幅広い層から支持されています
豊富な機能で本格的な農作業「QT17」
使いやすさを豊富な機能を両立した本格的なミニ耕運機「QT17」は、耕幅48cmで効率よく耕運作業を行えるのはもちろん、爪を分割して22.5cm幅で中耕・除草・培土作業まで行えます。
ハンドルが折りたためるコンパクトさ、車輪ローター式ながら移動車輪付きという便利さに加え、4サイクルエンジン式でパワフルに稼働する点も見逃せません。
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車軸ローター式といえば「ホンダ」
自動車メーカーとして知らない人はいないホンダですが、除雪機など幅広い分野で活躍しているのをご存じでしたか?農機具は人気が高く、特に車軸ローター式の耕運機は有名です。
車軸ローター式だけでもカセットガス式の「ピアンタ」、8万円を切るリーズナブルな「プチな」、ベストセラー「こまめ」と複数の種類を展開しています。
40年を超えるロングセラー「こまめ」
「こまめ」は2020年で発売40周年を迎えた、長年支持され続ける耕運機です。ハンドルをたためば小型車にも積めるコンパクトさとパワフルなエンジンを両立しており、家庭菜園はもちろんプロの農家でも大満足の一品です。
54.5cmと31cmの耕幅の切り替えで耕運から中耕・培土作業までできるうえに、作業に合わせて選べるアタッチメントも豊富です。
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手に取りやすい価格の「イセキ」
ヤンマーと並ぶ国内シェアを獲得している農機具メーカー、イセキ(井関農機)は技術開発に積極的であることでも知られます。耕運機には目新しい機能はありませんが、家庭用から大型まで幅広く展開しています。
また、イセキの最大の特徴は価格とアフターサービス。耕運機を購入したいけれどコストがネックという人は、一度検討してみてはいかがでしょうか。
フロントロータリーの小型耕運機「マイペット」
小型耕運機を多数展開しているイセキですが、20坪以下のタイプは小型耕運機には珍しいロータリー式。車軸ローター式よりもパワーが出るうえに、フロントロータリーなので初心者でも操作しやすく隅々まで耕運できます。
車軸ローター式には劣りますが、ハンドルをたたむことでコンパクトに収納することもできます。別売りでうね立て、整地のアタッチメントも。
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草刈機だけじゃない、充電式なら「マキタ」
総合電動工具メーカーのマキタは家庭・業務用掃除機でも有名ですが、草刈機などの充電式園芸工具も高い人気を誇っています。
パワー不足が懸念される充電式でありながらエンジンに匹敵するほどのパワーがあり、燃料要らずの手軽さと環境への優しさ、パワフルさをすべて兼ね備えた工具として高く評価されています。
パワー抜群の充電式耕運機「MUK360DZ」
土壌への食い込みや推進力で抜群のパワーを発揮する充電式の耕運機。1つのバッテリーの作業時間は15分ですが、バッテリー2個をスイッチで切り替えでき、連続作業をサポートしてくれます。
「MUK360DZ」は本体のみで耕運・中耕・除草作業ができますが、アタッチメントでより幅広い作業ができる管理機の「MKR0250H」も販売されています。
耕運機をお得に購入する方法
耕運機は小型でリーズナブルなものもありますが、それでも決して安い買い物ではありません。少しでもお得に購入するためにおすすめなのが、要らなくなった農機具を元手に中古で購入する方法です。
クボタやヤンマーなど耐久性に優れた耕運機は多く、中古でも長く使えるものが販売されています。また、壊れて処分に困っている農機具も、買取店でお金に換えられることは少なくありません。
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桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。