農業の資格12選!役立つ資格を取得方法まで解説

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農業を始めるにあたって、どんな資格が必要かご存じですか?農業に関連した資格は多岐にわたりますが、個人で農業経営を行うのに必ず取らなければならない資格や、取っておくと役立つ資格を種類別に分かりやすくまとめました。

この中から自分に必要な資格を選んで、賢く効率的な営農を目指してくださいね。

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農業を始めるのに資格はいる?いらない?

田んぼや畑で作物を育てること自体に必要な資格はありませんが、農業を行っていくのに欠かせない届け出があります。農業で生活していこうと考える場合、必ず確認しておきましょう。

「農家資格」は農地を入手するのに必要


農家資格は農家になるのに必要な資格と言えますが、正確には「農地を購入したり、借り入れたりするための資格」です。農地法に基づき、農地は一般人が自由に売買や貸し借りすることができないのです。

農家資格は、市町村の農業委員会に農家として認定を受け「農地基本台帳」に登録されることで取得できます。「認定申請書」や「営農計画書」などを提出する必要があるため、まずは市町村の農地委員会に相談しましょう。

個人で開業するなら「開業届」を提出


資格に分類されるものではありませんが、農業を始めるうえで必要な届け出として「開業届」を提出して個人事業主になることを紹介します。

これは農業に限ったことではありませんが、所得税法により、個人として仕事をしていく場合は専業・兼業にかかわらず、開業の事実があってから1か月以内に開業届を提出することが義務付けられています。

仮に提出しなくても罰せられることはありませんが、開業届を提出して個人事業主となることで最大65万円の所得税の控除を受けることができるため、メリットは大きいと言えるでしょう。開業については、住所地を管轄する税務署で相談・申請できます。

農作業に必要な資格・免許2選

資格がなくても農業自体は行うことができますが、農作業の内容によって必要な資格があります。ここでは稲作や畑作において、多くの場合で必要となる資格を紹介します。

運搬に必須の「普通自動車運転免許」


農機具や作物を運搬するのに軽トラックを運転したり、トラクターを自宅から農地まで動かしたりと、農作業には運転免許が欠かせません。

普通自動車運転免許をすでに取得しているのであれば、新たに免許を取得せずに済む場合が多いので、自分が使おうとしている農機具に必要な免許を確認しておきましょう。その一部をご紹介します。

・小型特殊免許または普通免許:全長4.7m以下・幅1.7m以下・高さ2.0m以下・最高速度15km/h以下の条件を全て満たす農耕者で、公道を走行する場合

・大型特殊免許:上記の条件をひとつでも上回る農耕者で公道を走行する場合

・けん引免許:積載物を含む750kg以上のものをけん引して公道を走行する場合

農機具の操作に必要な免許と取得方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。



農機具に必要な免許は?必須の運転免許から、あると便利な資格まで

ハウス栽培に必要な「危険物取扱者」「ボイラー技師」


農業では、大規模なハウス栽培において温度管理にボイラー施設を設ける際、灯油・軽油の指定数量が1000リットルを超えるため、危険物取扱者が必要になります。

ハウス栽培の場合は危険物の中でも一部のみの取り扱いになるため、「危険物取扱者乙種第4類」を持っておけば問題ないでしょう。各都道府県の消防試験研究センターで危険物取扱者試験を受けるか、農業大学校で講義を受けて受験までできる場合もあります。

大規模なボイラーの操作・点検を行うなら、併せてボイラー技師の資格も必要です。これは、公益財団法人安全衛生技術試験協会の試験を経て取得できます。取り扱うボイラーの電熱面積によって必要な級が異なるため、条件を確認しましょう。

【技術・知識関連】農業に役立つ資格・検定6選

ここからは、農業を行ううえで必須ではないものの、持っていると役に立つ資格や検定を紹介します。これらの資格を持つのはもちろん、資格試験に向けて学ぶことによって、経験だけでは得られなかったスキルを獲得することができます。

知識・技術を深めるなら「日本農業技術検定」


新たに農業を始めるなら、「日本農業技術検定」を取得しておくことをおすすめします。農業を仕事にしたい人に向けた検定で、学科試験だけでなく実技試験もあります。そのため、農業の知識と技術の両方を深め、習得状況を客観的に把握することができます。

一般社団法人全国農協観光協会が運営する検定試験で、過去問題や参考書を使って勉強して合格を目指します。3級は学科のみ、2級・1級は学科と実技試験を受験します。

類似の検定に「日本農業検定」がありますが、こちらは小中学生から一般の人が対象で、仕事や趣味で農業の基礎的な知識を必要とする人のための検定です。

農業機械の安全を守る「農業機械士」


「農業機械士」は、トラクターや田植え機といった農業機械の安全に関する知識や農業機械のメンテナンスや修理についての知識を得られる資格です。農業大学校で研修を受け、都道府県から認定を受けます。

「農業機械士」と、指導者として活動するための「指導農業機械士」の2種類があります。全国各地で受験資格や研修内容が異なりますが、基本的には、農業大学校がある地域で農業をしている人や、就農を希望する18歳以上が対象です。

類似の資格で「農業機械整備士」という、農業機械の整備・保守に関する国家資格があります。こちらの1級は工数見積りを含み、農業はもちろん、農機具メーカーや農機具の買取や修理といった仕事にも活かせる資格です。

農業に欠かせない土壌のプロになる「土壌医検定」


農作物を育てる上で、土の状態を知ることは生産数に関わるとても重要な事柄です。「土壌医検定」は、一般社団法人日本土壌協会が主催し、理論的な土づくりの知識を学び「土づくりのプロ」になれる資格です。

検定試験には1級から3級があり、試験に合格し登録料を支払い申請を行うと、1級から順に「土壌医」「土づくりマスター」「土づくりアドバイザー」を名乗ることができます。

1級は土づくり指導または就農実績5年以上が受験資格となっており、研修会は東京での開催となりますが、2級と3級はオンラインで受講でき、誰でも受験が可能です。土づくりに関する客観的な知識を得たい人は受験してみてはいかがでしょうか。

農薬の取扱いを指導するなら「農薬管理指導士」


「農薬管理指導士」は農薬の適正な使用を助言・指導するための資格で、農薬についての専門的な知識についての研修と認定試験を受験し、都道府県から認定を受けます。

農薬を使用するだけであればこの資格は必要ありませんが、誰かにアドバイスをする立場にある場合や、安全に農薬を使うために知識を深めたい人なら受験しておいて損はありません。

類似の資格に「毒物劇物取扱責任者」という国家資格があり、これも農薬を含む毒物や劇物に関するものではあります。しかしながら、使用や指導のみの場合は対象とならず、製造や販売、譲渡したりする場合に必要な資格です。

ドローンで農薬散布するなら「産業用マルチローターオペレーター技能認定」


撮影機材としてのイメージが強いドローンですが、実は農業でも農作物の生育状況のモニタリングなど、活躍の範囲を広げているのをご存じですか?

「産業用マルチローターオペレーター技能認定」はそのなかで、ドローン(マルチローター)を使って農薬を散布する場合に必要となる資格です。国土交通省が認定する、一般社団法人農林水産航空協会によって運営されています。

ドローンを使って農薬を散布することで、作業時間が大幅に短縮されます。こういった新しい技術に対しても、安全を守るために資格が必要になる場合があるので注意しましょう。

農業経営を可視化する「農業簿記検定」


日本で古くから行われてきた農業ですが、近年はより効率的な営農のために集落営農の法人化や、個人事業主の農家による法人化など、現代的な農業経営のスタイルが広がっています。

「農業簿記検定」は、簿記検定も実施している一般財団法人日本ビジネス技能検定協会による資格です。これを学ぶことで、一般的な複式簿記の知識に加えて農業ならではの帳簿作成を学び、農業経営を可視化することができます。

日本各地で試験が開催されており、誰でも受験することができるので、自身の農業改善はもちろん、親の農業を数値面でサポートしたい人にもおすすめです。

【食関連】農業の資格・検定4選

効率的な農作業や経営に加えてビジネスの可能性を広げるために、より消費者に近い知識として「食」にまつわる資格を取ることも有効な手段と言えます。

最後に、食にまつわる資格や検定の一部をご紹介します。趣味の家庭菜園を仕事につなげる際にもおすすめなので、これまで紹介した資格のハードルが高かった人もチェックしてみてくださいね。

育て方から食べ方まで教える「野菜栽培士」


「野菜栽培士」とは、日本インストラクター技術協会が認定試験を行っている資格で、季節ごとの野菜の育て方や含まれる栄養素、野菜に合う食材に関する知識を有することが示されます。

協会に受験を申し込むと教材が届き、自宅で試験問題に解答して提出することで資格を取得することができます。資格試験のハードルはあまり高くないため、その手軽さも魅力です。

自身の農家で育てた野菜の食べ方をアドバイスしたり、農業の傍らで、家庭菜園をしたい人へのレクチャーを行ったりといった活動に役立てることができます。

野菜の魅力を伝える「野菜ソムリエ」


多くの芸能人が取得していることでも有名な「野菜ソムリエ」とは日本野菜ソムリエ協会が主催する、毎日の食生活における野菜・果物の魅力や価値を社会に広めるための資格です。

資格は3種類あり、野菜・果物の基礎知識と伝え方のノウハウを持つ「野菜ソムリエ」、青果物のスペシャリストとしてメディア出演などを行う「野菜ソムリエプロ」、食関連のイベント総合プロデュースなどを行う「野菜ソムリエ上級プロ」に分かれます。

芸能人の方が多く取得しているのは「野菜ソムリエ」の資格です。自分が育てた野菜の魅力を最大限伝えていくために、取得されてはいかがでしょうか。

野菜をまるごと大切にする「野菜コーディネーター」


「野菜コーディネーター」とは、養成講座を経て、野菜・果物の特徴や選び方、保存方法、そして、おいしさと栄養を最大限に引き出す調理法やレシピが身につく資格です。

「野菜ソムリエ」と似た資格にはなりますが、こちらは野菜本来の味や栄養価を最大限に引き出し、もっと美味しく食べられるようにサポートする資格で、一般社団法人ホールフード協会が主催しています。

ホールフード協会が提唱する「Whole Food」とは食物そのものだけではなく、食も、暮らしも、環境も、まるごと考えていくこと。野菜をおいしく食べて健康的な生活をするのと同時に、食べ物を大切にすることも重要な使命と考えられています。

食についての意識を高める「食育インストラクター」


食育を日々の生活に活かし、広く推進・社会で活躍できる指導者が「食育インストラクター」です。NPO 日本食育インストラクター協会が主催しています。

資格は5段階に分かれており、食育の基礎知識を日々の生活に活かすことができる「プライマリー」から、4級から1級と級が上がるに従って食育に関する知識を広く伝える普及活動ができるようになります。

「プライマリー」は通信講座の終了のみ、4級以上は推進校に進学するか研修会に参加し、調理実習や食育筆記試験などを経て資格取得となります。

類似の資格に「食育アドバイザー」がありますが、より初歩的な資格で、ビジネスとして活かすのであれば「食育インストラクター」がおすすめです。

資格を取得して効率的な農業経営を

今回ご紹介した以外にも、農業に活かせる知識にはさまざまなものがあります。自分が農業を続けていくうえで足りない知識や技術を資格の取得によって補い、より効率的な農業経営を行っていきましょう。

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この記事を書いた人

株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)

1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。

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