最近では、脱サラをして農業を目指す方が増加傾向です。田舎の気ままな農業暮らしをイメージして、憧れを抱いている人も少なくないと思われます。しかし、脱サラして農業を始める前に、自分が向いているか、しっかりと考えたほうがよさそうです。
ここでは、脱サラ農業に踏み切る前に知っておきたい注意点や特徴、メリットデメリットを詳しく説明します。農業にまつわる補助金や支援なども紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
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脱サラで農業を選ぶ人はどれくらいいるのか
農林水産省の調査結果で2021年の新規就農者は、52,290人です。このうち、新規参入者(親からの相続以外で農業を始めた人)は3,830人で、49歳以下は2,690人となり前年に比べ4.3%増えていることが分かっています。
世代別に見ると20代は470人、30代は1,080人、40代は1,130人となっています。20代・30代でサラリーマンを勤め切った若者が、新たなチャレンジ先として農業を選んでいるようです。
参照:新規就農者調査 - 農林水産省
農業の種類で見る自営農家の年収
農家といっても、コメに限らずさまざまな作物の種類があり、何を作るかによって収入が大きく異なってきます。自営農家になると考えたときに、何の作物を作ってどれくらいの年収を目指せばいいかが気になるところでしょう。
農林水産統計を元に、2021年のそれぞれの平均年収を見てみます。
・水田農家:350万円
・畑作農家:1,317万円
・施設栽培農家:1,738万円
・露地栽培農家:1,083万円
・果樹栽培農家:884万円
・露地花き農家:677万円
・施設花き農家:2,211万円
・酪農家:9,107万円
年収とはいっても、農業には経費が掛かるため、収入から経費を引いて計算する必要があることに注意が必要です。経費として計上されるのは、種や肥料、農機などをはじめ、土地代や、施設農家ではビニールハウスなどがあります。また、作付面積が広い農家と、小規模農家では収入が異なります。
ひとくくりにジャンルで区切っていても、たとえば元々土地を持っているかどうかで収支の内訳が異なりますし、規模の大小で収入に開きは出てくるでしょう。
なお、農業全体の収益だけ見ると、前年より8.5%増ですが、飼料・肥料・燃料費も同じく増加していて9.5%増です。主業経営(農業所得が主となっている個人経営の農家)の農業所得は約433万円で前年より4.3%増加しています。
参照:農林水産省|営農類型別経営統計
また、以下の記事で農業の種類と収益について詳しく説明しているので、そちらも参考にしてください。
あぐり家|農業の種類と収益は?基本から最新情報まで紹介!
脱サラ農業は本当に儲かるのか?いま農業を目指すメリット
脱サラ農業で成功をしている方は、ただ農業を始めてうまくいったというだけではありません。農業に参入し成功していくには、相当の努力と支援が必要というのが現代の考え方です。
現在は、農林水産省をはじめさまざまな支援が行われてきていて、それが今農業への新規参入をしやすくしている要因の1つとなっています。今農業を目指すとどんなメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。
メリット1:補助金が活用できる
日本では、全国規模で新規就農者の支援を行っています。例えば、農業次世代人材投資資金は、就農前の準備期間に受けられる支援(最長2年)と、就農後経営が安定するまでの支援(最大3年)があります。
準備資金・就農後経営資金共に49歳以下となっており、それぞれ条件があります。詳しくは直接確認してください。必要な要件を確認し、条件が合えば補助金・給付金を活用していくとよいでしょう。
参照:農林水産省|就農準備資金・経営開始資金(農業次世代人材投資資金)
メリット2:就農支援を受けられる
行政では、新規就農者のために、研修・融資・制度への疑問などの相談窓口を設けています。全国新規就農相談センターがその1つで、就農したい地域が決まっていれば、その都道府県の相談窓口で知りたい情報を得られます。
また、農業に興味があり、就農を目指しているが何から始めれば良いか分からない人は、毎年開催される「新・農業人フェア」で相談する方法もあります。就農先の希望があれば自治体や農業法人につないでもらえ、家族連れで気軽に参加できるので足を運びやすいのが特徴です。
農業に対して漠然としたイメージしか湧かなくても、相談することでイメージが具現化しやすく早いスタートがきれる可能性がでてくるでしょう。
参照:全国新規就農相談センター
参照:新・農業人フェア
メリット3:田舎での移住支援がある
田舎暮らしを望む人には移住支援という方法があります。あこがれの土地や旅行で気に入った土地で暮らしていきたいと考えている人がいるかもしれません。
移住支援は、東京から離れ田舎に住んで就業もしくは起業をする人のために、交付金が支給されます。農業を行いたい地域で支援が行われているかどうかをチェックするとよいでしょう。
そのほか地域おこし協力隊などの取り組みを推進している地域もあるので、あわせて調べてください。
参照:農林水産省|田舎に移住して、農業を営む
脱サラ農業に向いている人、向いていない人
脱サラ農業を行うかどうか決める前に、本当に自分が農業に向いているのかどうかを考えてみましょう。向いている人・いない人の特徴を挙げていきますので、参考にしてください。
脱サラ農業に向いている人の特徴
・これからしっかり農業の勉強をできる人
初めて農業をする場合には、学ぶべきことが山積みです。
知識が不十分で就農してしまうと「こんなハズでは…」と、後悔して離脱することになりかねません。そして必要なのは、就農前の勉強だけではありません。就農後も多くの経験を積み、より良い収益や作物の状態を目指していく必要があります。
常に前向きに勉強をし続けて、農業を追求していこうと思っている人は向いていると言えるでしょう。
・失敗を糧にでき、問題への対処能力がある人
農業は、順調に収益が出る場合もあれば、思うように収益が出せない場合もあります。農業の収穫に影響を及ぼすものとして、天候・害虫・社会情勢による経費の増加や対策などがあるでしょう。自分の努力のみではどうにもできない事態が降りかかることがあるということです。
あらゆる失敗や苦難を糧にして、都度修正し、問題が起きたときに対処する能力がある人あるいは気持ちが強い人に向いているでしょう。
・農作物の売り方を工夫できる人
ある程度収穫できるようになったら、自分で作った作物の売り方を考えていく必要があるでしょう。
どんな作物を作りたいかにも関わることです。どのように、またどんな人に販売していきたいかを準備期間中から考えておくとよいでしょう。
脱サラ農業に向いていない人の特徴
自分で農業をする場合は、毎年必ず安定した収益が約束される訳ではありません。予定した収益を下回ることだってあります。
少ない収入の時代があったとき、やりがいをもって向上心を持ち続けられない人は向いていないかもしれません。
農業では人付き合いも大切です。収穫期には朝から晩まで重労働になる場合もあります。そのような苦労を乗り越え、将来を見据えた努力が苦手な人には向かないでしょう。
新規農業からの離脱者の人数
新規就農を行っても、さまざまな理由で離脱してしまう人も一定数います。2014年に国の支援制度を利用して研修を受けた就農者がいますが、2019年の総務省調査で約35%が離農していることが分かりました。
農業法人で研修を受けた離職者の理由の多くは、「想像と違った、業務が合わない」という内容でした。自分が農業に向いているかどうかは、よく考えてから決めるとよいでしょう。
参照:平成31年総務省|農業労働力の確保に関する行政評価・監視-新規就農の促進対策を中心として-
脱サラ農業を決めた時から準備しておきたいこと
脱サラ農業をすると決めたら、さまざまな就農成功例を見聞きしたり、自分の目指す農業の形を考えたりしていくことが重要です。農業の知識を広く学び、まず自分が行いたい農業のイメージを作り上げるところから始めてみましょう。
そして、実際に自分で農業を始めるには農機具が必要です。貯金が少なければ中古で揃えることもできます。
農機具で大活躍するトラクターの相場はこちらの記事を参考にしてください。
トラクターの値段、相場は?中古/新車の平均価格をメーカー別に紹介!
脱サラ農業を行うときには、中古の農機具を活用しよう
脱サラ農業を行う際の準備として、農機具の準備は必須です。親から譲ってもらったりレンタルしたりするのではない限り、自分で用意する必要があります。
しかし資金に余裕がない時もあるでしょう。そんな時は中古の農機具を活用して、できるだけ安く初期費用を抑えてみてはいかがでしょうか?
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。