バックホーや油圧ショベルとも呼ばれる小型ユンボは、農業はもちろんあらゆる土木作業に活躍します。作業効率の大幅な改善につながるものの、安い買い物ではないため失敗したくないと思うのは当然のことです。
そこで、この記事では小型ユンボの上手な選び方を徹底解説!新品だけでなく中古やレンタルを視野に入れながら、あなたの用途にぴったりの1台を賢く選びましょう。
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ユンボとバックホー・油圧ショベルの違いは?
建設現場や農業で耳にする「ユンボ」とは、キャタピラで移動し大きなアームを操作する重機のことです。しかし、子どもの歌で耳馴染みのある「ショベルカー」や、「バックホー」という名前も聞いたことがある人はいるはず。
実は、それらはすべて同じ重機を指す名称なのです。ショベルが付いた重機全般を「油圧ショベル」と呼び、手招きするような形で作業を行うのが「バックホー」ですが、小型のものを指すことが多く、小型ユンボ=バックホーと思って差し支えないでしょう。
「ユンボ」は商品名が広まり一般的に使われるようになった呼称で、今は「株式会社レンタルのニッケン」の登録商標となっています。「パワーショベル」も商品名ですが、厳密にはショベル部分だけを指します。「ショベルカー」も一般名詞で主にマスコミが用いる名称です。
ここでは日本の行政で使われる「バックホー」という言葉で、いわゆる小型ユンボを説明することとします。
土木作業だけじゃない!バックホーの用途
土木作業で使われるイメージの強いバックホーですが、取り付けるアタッチメントによってビルの解体や農業でも活躍します。バックホーの幅広い用途の一部を紹介します。
・掘削
油圧ショベルの使い方として最も一般的なのは土を掘る作業です。畑の土づくりや作物の収穫、豪雪地帯の除雪にも使えます。
・積込
掘った土をトラックなどに積み込む作業もバックホーで行えます。農業では土の入れ替え時など、掘削から積込を1台で行えるのはバックホーのメリットの1つです。
・破砕、選別
バケット部分を取り換えることで、掘る・すくう以外の作業も可能になります。例えば、はさみ型のクラッシャーは解体工事の破砕、格子状のスケルトンバケットは土砂の選別などに用いられます。
1台でさまざまな作業の効率をアップしてくれるバックホーは、1度使えばその便利さゆえに手放せなくなる人も多い代物です。
バックホーの選び方①サイズで選ぶ
バックホーはさまざまな現場で使われることもあって幅広いサイズが展開されています。農業など個人で使う場合は小型を選ぶことがほとんどですが、そのなかでも「寸法・作業範囲」「バケット容量」の2点に着目して選びます。
寸法+アームの作業範囲も重要
長いアームを動かすバックホーは、寸法(幅・高さ・長さ)に加えて作業範囲(掘削半径・深さ、後端旋回半径(アーム旋回時の後方の半径))も重要です。
トラックで運搬するのであれば、荷台寸法と最大積載量を超えないようにしましょう。積載量を超えて公道を走行するのは法律違反になります。例えば2tトラックの場合は、機械質量だけではなく総重量が2tを超えないように選ぶ必要があります。
また、日本は住宅地など狭い場所が多いため、作業範囲がコンパクトな「後方超小旋回機」や「超小旋回機」タイプが多く販売されています。スペースに合わせた作業範囲のものを選びましょう。
作業効率を左右するバケット容量
作業範囲と合わせてバックホーならではのポイントと言えるのが、バケット容量です。一度に掘削できる量を表し、容量が大きいほど掘削の回数が少なく済みます。
容量の表記は、旧JIS規格と平成6年3月以降の新JIS規格があります。どちらも「山積み容量」で規定されていますが、新JISの方が鋭角の山として積み上げるため数字が大きくなると覚えておきましょう。
バックホーの選び方②メーカーで選ぶ
バックホーのメーカーは国内だけでも多数あります。建設機械を扱う会社や農業機械を中心に製造している会社など、得意分野はさまざまです。メーカーの特色を知ることも、バックホー選びの参考になります。
パワーショベルの生みの親「小松製作所(コマツ)」
油圧ショベルの通称として広く知られる「パワーショベル」は、もともとは小松製作所の商品名。そんなコマツは油圧ショベルで日本トップクラスのシェアを誇ります。
トラクターやブルドーザーの国産化に成功した会社という歴史もあり信頼度は高く、国産ならではの操作性の高さも厚く支持される理由の1つ。普段あまり建設機械を操作しない農家の方でも扱いやすいのが嬉しいポイントです。
バックホーも充実したラインナップで、機械質量300~5,200kgと小さいサイズを含め幅広い種類があります。日本の狭い土地でも使いやすい後方超小旋回型、超小旋回型や、操作性の高い標準型が揃うほか、バッテリー駆動のタイプも生産されています。
世界を代表する重機メーカー「キャタピラー」
世界最大手の重機メーカー、キャタピラーは日本における油圧ショベルのシェアでもかなりの割合を誇り、コマツと上位を争う有名企業です。黄色い機体と「CAT」の文字を目にしたことがある人も多いのではないでしょうか。
操作性の高さが魅力のコマツに対して、キャタピラーはパワフルさが特徴。そのタフさに安心感を覚える人も少なくないでしょう。
バックホーはパワフルな掘削性能とコンパクトなボディを両立し、機械質量500〜5,400kgと幅広いラインナップの後方超小旋回機、超小旋回機が揃っています。
バックホー世界シェアトップの「クボタ」
建設機械市場で高いシェアを持つコマツに対して、クボタは農機具メーカーとしてかなりのシェアを誇る企業です。しかし今回特筆すべきは、農機具だけではなくバックホーのシェアも大きいということ。
小規模な都市型工事に適した特性で50年前から支持され続けるクボタのバックホー。操作性の高さや静音設計に加え、世界各国の排ガス規制をクリアした環境配慮型のモデルも登場しています。
ラインナップは機械質量500〜5,470kgで、標準型、後方超小旋回型、超小旋回型の中から作業環境に適したモデルを選ぶことができます。
油圧ショベルが主力の「日立建機」
誰もが知る電機メーカー、日立製作所から1969年に分社化してできたのが今の日立建機です。大型、小型の油圧ショベルを主力としており、国内シェアはコマツと肩を並べるほどです。
超大型の油圧ショベルを多数製造している日立建機ですが、土木や解体をはじめ、林業、畜産、農業、除雪といった、個人利用を含むさまざまなシーンに合わせた仕様が用意されています。
バックホーの機械質量は890〜5,500kgと、最小サイズが他メーカーと比べると少し大きめですが、農業などで使用する分には問題ない範囲でしょう。
高い技術力で生み出す高品質モデル「コベルコ建機」
コベルコ建機は、日本の大手鉄鋼メーカーである神戸製鋼グループの建設機械メーカーです。日本を代表する高い技術力を誇り、世界初のハイブリッドショベルを開発したことでも有名で「低燃費のコベルコ」と言われるほどです。
大型重機以上に小型のミニショベルが充実しており、標準型、後方超小旋回型、超小旋回型から選べることはもちろん、排ガス性能が高いモデルもあります。機械質量も550〜5,320kgと十分な幅広さです。
上位企業と比べると少しシェアは劣るものの、高い技術力から生み出されるバックホーは実用性、耐久性ともに評価が高く、世界に誇るメーカーの1つと言えます。
小型のバックホーがメインの「ヤンマー」
ヤンマーは、キャラクターを起用したCMでお茶の間の知名度が高い人気メーカーです。農機具は運転しやすく故障が少ないことでも有名で、品質の高さで支持を集めています。
油圧ショベルに関しては大型の種類は限られており、多くが小型のバックホーで、他メーカーと同等の機械質量550〜5,320kgのラインナップが揃います。
農業機械と比べるとシェア率は高くありませんが、農業に携わる人ならメーカーを揃えて持つのも選択肢として考えられるでしょう。
バックホーの選び方③入手経路で選ぶ《新車・中古・レンタル》
気に入った最新のバックホーを新車で購入できるのがベストですが、決して安価ではないため、できるだけお得に使える方法を考えたいですよね。複数の方法からベストな入手経路を選びましょう。
新車と中古の価格差と注意点
油圧ショベルの中でも小型のバックホーは、新車だと200~800万円近くかかるのに対して中古なら50万円~400万円程度で購入できます。機械質量やバケット容量、年式によっても価格が異なりますが、中古だとかなりお得に購入できることが分かります。
ただし中古購入の際は種類や年式だけではなく、以下のポイントにも気を付けましょう。
・メンテナンス状況を目視で確認する
・アワーメーターを確認する
写真だけではメンテナンス状況までは把握できません。購入前に自分の目で確認しましょう。また、バックホーは同じ場所に留まって操作するものなので、走行距離ではなくアワーメーターでどのくらい使用されているかを確認する必要があります。
レンタルする場合の価格
購入するには敷居の高いバックホーも、使用回数が少ない場合はレンタルするという方法があります。個人でも免許や資格があればレンタル可能です。
例えば2tクラスの場合、基本使用料と日額のレンタル料金、補償料を合わせて1日あたり1万~2万円程度でレンタルできるので、使用頻度や年数と照らし合わせて購入するかどうか検討しましょう。
バックホーの運転に免許は必要?
バックホーは操縦のための資格や、公道走行時の運転免許が必要になります。購入やレンタルをする前に必ず確認しましょう。
操縦に必要な資格
建設機械の運転には危険が伴うため、労働安全衛生法で技能講習などを修了する必要があると定められています。バックホーを操縦する資格は次の講習を受けることで取得でき、大きさによって異なります。
・重量3t未満:小型車両系建設機械の運転に係る特別講習
・重量3t以上:車両系建設機械運転技能講習
3t未満の場合は学科と実技の講習で修了証が交付されます。3t以上は学科と実技の講習後に修了試験があり、合格すると修了証が交付されます。
この講習は、コマツやキャタピラーといった建機メーカーが展開している教習所などで受けることができます。時短できる受講要件を満たしているかどうかで受講時間や費用が異なるため、事前に確認しましょう。
公道の走行に必要な免許
操縦の資格があればバックホーの運転はできますが、公道を走行することはできません。走行方式がキャタピラの場合はトラックやトレーラーなどで移動させる必要があり、相応の運転免許が必要です。
キャタピラではなくホイールで走行するタイプの場合、トラック等に乗せる必要はありませんが、公道を移動させるのに免許が要ることに変わりありません。
トラックやトレーラー、ホイール式バックホーを運転するために必要な運転免許は次のとおりです。
・普通免許:車両総重量3.5t未満、最大積載量2.0t未満
・準中型免許:車両総重量7.5t未満、最大積載量4.5t未満
・中型免許:車両総重量11.0t未満、最大積載量6.5t未満
・大型免許:車両総重量11.0t以上、最大積載量6.5t以上
すでに普通免許を取得している場合、教習所に通って免許を取得するのに中型免許であれば4~8週間、大型免許の場合は20~40日間程度かかります。
中古のバックホーをお得に購入しよう
バックホーは機体の購入だけではなく、運搬用トラックの手配や資格取得にも費用がかかるため、安易に入手できるものではありません。
中古のバックホーをお得に入手するために、中古買取販売店で不要になった農機具等を元手に、よりコストを抑えて購入することをおすすめします。
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中古農機具を買取・販売しているあぐり家はプロの整備士が常駐しているため、どんなに古い物や壊れている物でも買取します。もちろん中古のバックホーの販売も行っているので、売却から購入まで丸ごと頼れるところもポイントです。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。