一台で収穫・脱穀・稲刈りが可能なコンバインは、多くの面積を処理でき作業効率がアップするので、使用を検討している人も多いでしょう。
とはいえ、コンバインを購入する前には、コンバインの免許はどれを取ればいいのかをはじめ、コンバインの特徴を知り、どのコンバインを購入すべきかを検討していかなくてはいけません。
そこで今回は、コンバインの免許について、取得の費用や方法などを詳しく紹介していきます。
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コンバインの免許は私有地のみの運転なら不要
コンバインを私有地で運転するなら、特別な免許は不要です。ここでいう私有地は自分の畑や田んぼ、農地のことを指します。
コンバインだけあれば収穫・脱穀・選別が可能なので、免許を保有していない家族・アルバイトの人でも運転が可能です。
しかし事故防止や安全面から見ると、免許を保有していた方が運転の感覚が掴め、コンバインの扱いが初めての方でもスムーズに作業できるでしょう。
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また、私有地のみなら免許を所有していなくても運転OKですが、公道を走る場合なら必ず必要です。コンバインで公道を走る場合の必要な免許は、次の項目で詳しく解説していきます。
コンバインの運転には2つの免許が必要
コンバインを公道で走る際に必要な免許は以下の2つです。
・小型特殊免許
・普通自動車免許
それぞれの免許の特徴や、必要な条件を説明していきます。
・小型特殊免許
小型特殊免許は、原動機付自転車免許以外の免許に自動的についています。すでに普通自動車免許を所有している人は、コンバインの運転ができることになります。
こちらの項目では、普通自動車免許を所有していない場合を説明します。
〈免許の特徴〉
小型特殊免許で運転できるのは、以下にあてはまる自動車を指します。
・全長4.7m以下
・全幅1.7m以下
・全高2.0〜2.8m以下
・最高速度15㎞以下
農業用で使用する場合は、以下の通りです。
・車両の長さの制限なし
・車両の幅の制限なし
・車両の高さの制限なし
・最高速度は時速35㎞未満
〈免許が取れる条件〉
視力が両目で0.5以上あることが必須です。
〈免許が取れる年齢〉
満16歳から取得が可能なので、高校生でも取得OKです。
〈免許を取るときの必要書類〉
・住民票(マイナンバーが記載されていない原本)
・本人確認書類(身分証)
・申請用写真(縦3㎝、横2.4㎝で過去6か月以内に撮影されたもの)
・普通自動車免許
〈免許の特徴〉
普通自動車は、定員が10名以下、車両の総重量が3.5トン未満、最大積載量が2.0トン未満の自動車が運転できます。
〈免許が取れる条件〉
・両目の視力が0.7以上あること
・視野が150度以上あること
・信号機の青、赤、黄色が識別できること
・10mの距離で90デシベルの音が聞こえること
(※90デシベルの目安:大声の合唱、正面5mからの犬の鳴き声)
運転に支障がある身体障害がないこと(障害がある場合、義足・義手を使用し運転可能ならOK)
〈免許が取れる年齢〉
18歳以上です。高校3年生の誕生日を迎えると取得可能です。
〈免許を取るときの必要書類〉
・本籍が記載された住民票の写し(コピー不可)
・本人確認書類の提示(健康保険証・マイナンバーカード・住民基本台帳カード・パスポートなど)
・申請用写真(縦3㎝、横2.4㎝で過去6か月以内に撮影されたもの)
〈免許の有効期限〉
一般的には5年です。免許取得後5年に満たない人や違反運転者は3年が有効期限です。
大型コンバインの場合は大型特殊免許が必要
大型コンバインを運転する場合は、大型特殊自動車免許が必要です。畑や農地の規模によっては、大型コンバインを使用する人もいるでしょう。
大型特殊自動車免許で運転できる自動車は、以下が対象です。
・ホイールローダー、ショベルカーなど特殊な自動車
・全長4.7m以上
・全幅1.7m以上
・全高2m以上
〈免許が取れる条件〉
・両目の視力が0.7以上あること
・視野が150度以上あること
・普通自動車免許を所持していない場合、教習所で学科22時間、実技12時間を受講
〈免許が取れる年齢〉
普通自動車免許と同様、18歳以上なら取得可能です。
一般的な大型特殊自動車免許を所有していると、ホイールローダーやショベルカー・クレーン車などで公道を走ることが可能です。
「農業のみで使用したいけど、大型特殊自動車免許をとるのは面倒だ…」とお悩みの人は、農業大学校で開催している研修を受講するといいでしょう。
農業大学校では、農耕者限定の大型特殊自動車免許の講習を開催しており、期間内に通うと免許を交付してもらえます。農耕者限定の大型特殊免許を持つことで、農作業時に使用するトラクターやコンバインが運転できます。
農業用の大型特殊自動車のみを扱う免許が欲しい人は、各都道府県の農業大学校ホームページで確認してください。
コンバインの免許取得にかかる費用や期間
コンバインで必要な免許を取得するときの費用や期間はどのくらいかかるのでしょうか。
・小型特殊免許
・普通自動車免許
・大型特殊自動車免許
の順に、説明していきます。
小型特殊免許
・免許取得にかかる費用:3,550円(※受講料1,500円、免許証更新料2,050円)
・免許取得にかかる期間:最短1日
小型特殊免許の合格率は、50〜60%と自動車免許の中で一番簡単です。
実技試験が無いので、学科の過去問題を解いて対策しておくとスムーズに合格できるでしょう。(※免許取得にかかる費用は2022年11月時点)
普通自動車免許
・免許取得にかかる費用:約25~30万円
・免許取得にかかる期間:平均2~3か月
普通自動車免許は、教習所の合格検定をパスしたあと運転免許センターで実施している本免学科試験を受け、交付される流れが一般的です。
最短で合格したい場合だと、15日で取得が可能です。
しかし教習所には繁忙期や予約が集中する時期があるため、早めに取得したい場合でも1か月半〜2か月を目安に考えておくといいでしょう。
【参照元:マジオドライバーズスクール多摩校「【教習所で免許を取ろう】通いで卒業するために必要な最短の日数とは? | マジオドライバーズスクール多摩校│八王子・府中・日野の教習所」】
大型特殊免許
〈免許取得にかかる費用〉
・普通自動車免許を所有している場合:約8~12万
・普通自動車免許を所有していない場合:約18~22万
・農業大学校で農耕者限定資格を取得する場合:約2万
〈免許取得にかかる期間〉
・普通自動車免許を所有している場合:最短4日
・普通自動車免許を所有していない場合:6日以上
・農業大学校で農耕者限定資格を取得する場合:約3日
大型特殊免許(農耕者限定)の免許を取得したい場合は、農業大学校で開催している研修が最短で取得できます。
研修期間は各学校で定められているので、最寄りの農業大学校のホームページをチェックしてください。
それぞれの免許にかかる費用や期間は目安です。詳細はお近くの教習所へ問い合わせましょう。
コンバインの免許があれば公道は走れる?
免許を持っていないなら、公道を走ってはいけません。公道を走るには、運転に関する十分な知識とスキルを持つ必要があります。そのための免許取得というわけです。
仮に無免許でコンバインを公道で走った場合、以下のペナルティが課されます。
・罰金50万円以下
・免許取り消し
・違反点数25点
・最低2年間の免許取得不可
【参照元:交通事故・違反の法務相談室「無免許運転の点数・処分とその軽減 - 交通事故・違反の法務相談室 (toyoshima-k2.jp)」】
コンバインで公道に出る際は、免許を所持している場合のみとしてください。
コンバインの免許を取ったあとの注意点
コンバインの免許を取った後でも、操作の際に気を付けておきたいことがいくつかあります。ぜひ覚えておいて、参考にしてください。
農機の事故に気をつける
コンバインに限らず、私有地での農機の事故には気を付けましょう。
農林水産省が発表した、令和2年1月から12月に発生した農作業事故での死亡者は270人となっています。
〈事故件数の内訳〉
・農業機械作業にかかる事故:186人(68.9%)
・農業用施設作業にかかる事故:8人(3.0%)
・農業機械作業・施設以外での作業にかかる事故:76人(28.1%)
【参照元:農林水産省(令和2年の農作業死亡事故について)「令和2年の農作業死亡事故について:農林水産省 (maff.go.jp)」】
コンバインを運転する際は、バック時の転落、転倒や手こぎ中の巻き込まれには十分注意しましょう。慣れると勘に頼って運転しがちです。確実な運転を心がけてください。
公道を走るときは細心の注意を
コンバインで公道を走る際は、交通事故対策を徹底しましょう。
警視庁が調査した、平成27年~令和元年の農機による交通事故件数と割合は以下の通りです。
・単独事故:196件(54.1%)
・追突事故:132件(36.5%)
・車両相互(出会い頭、その他):33件(9.1%)
・列車:1件(0.3%)
【参照元:農林水産省・警視庁・JA共済「nousagyouR2.pdf (pref.mie.jp)」】
公道での事故を起こさないようにするためには、以下を徹底しておくとよいでしょう。
・ハンドルやブレーキミスを起こさないよう、確実な運転を心がける
・シートベルト、ヘルメットの着用
・周囲に気づくよう、ランプや低速車マークの設置
農作業をする際は、常に安全確認を行いましょう。
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コンバインの免許は公道を走るなら必要
コンバインを農地内で操作する目的一つでは免許は必要ありませんが、公道を走ったり、より安全に操作をしていくには免許を持つ必要があります。
コンバインの使い方をマスターして、ぜひ効率的な農作業に役立てていってください。
農機具専門の買取・販売業者のあぐり家では、コンバインやトラクター、草刈機などをはじめ、さまざまな農機具を売買しています。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。