トラクターのタイヤ交換は、危険をともなう重労働です。知識のない初心者にはハードルが高いため、信頼できるプロに任せた方が良いでしょう。
ただし、タイヤ交換の時期というのは日ごろの点検からも分かります。タイヤ交換のサインが出ていないか、自分で分かるようになっていると安心です。
この記事ではタイヤ交換の一般的な流れ、タイヤ交換時期について解説しています。どこに交換を依頼すればよいのかも分かるので、ぜひ参考にしてください。
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トラクターは適切な時期にタイヤ交換が必要
タイヤ交換をせずに乗車し続けると、トラクター本来の力強さが発揮できません。けん引力が不足して作業効率が低下したり、操作性が悪化して乗り心地が悪くなったりと、さまざまな問題が発生し得ます。
タイヤが外れる、破裂するといったケースも想定されます。重大な事故を引き起こさないためにも、トラクターのタイヤ交換はとても大切です。
適切な時期にタイヤ交換を行うには日々の点検が欠かせませんが、空気圧不足で走行しているトラクターは見ない光景ではありません。
数年前に交換してから何もメンテナンスをしていない場合は要注意です。どんなタイヤでも徐々に空気が減って劣化していきます。
トラクターの寿命を縮めないためにも、適切な時期にタイヤ交換を行いましょう。
点検でわかる!トラクターのタイヤ交換時期
タイヤを適切な状態で使い続けるためには日常的なチェックが必要です。トラクターを点検する際に、タイヤの外観も確認しましょう。目視で簡単にチェックできるため、とくに負担に感じることもありません。
ここではタイヤ交換をすべき症状を取り上げています。当てはまるものがあれば、速やかにタイヤ交換を行ってください。
ラグが摩耗している
タイヤのトレッド部、路面と接するゴム層に入っている溝や切り込みのことを「トレッドパタン」といいます。「ラグ」はこのトレッドパタンのひとつで、横方向に模様が連続して入っていることが特徴です。トラクターの走行性に関わる機能を持っています。
ラグの山にあたる部分が極端に低くなっていないか、偏って摩耗していないかを確認してください。中心部とショルダー部、どちらかが早く摩耗することがあります。これは空気圧の過不足によるもので、放っておくとタイヤの駆動力や制動力が低下してしまいます。
ラグの大切な役割として、タイヤと路面の間の水を除去したり、放熱性を向上させたりといった機能もあげられます。摩耗していないかこまめに点検しましょう。
亀裂・ひび割れがある
ゴム製品であるタイヤは、紫外線などの影響を受けて劣化します。時間が経つと表面が硬化して「オゾンクラック」と呼ばれる傷が発生します。
タイヤの表面に亀裂やひび割れがないか確認することは重要です。見落とすとパンクやバーストの原因になりかねません。
ラグの根元、サイドウォール部はひび割れが発生しやすい箇所として知られます。サイドウォールとは、メーカー名などが表示されている側面部です。タイヤの骨組みであるカーカスを保護する役目があります。
亀裂・ひび割れもタイヤ交換のサインです。トラクター点検時にはラグの摩耗だけに目が行きがちですが、傷の確認も忘れず行いましょう。
エア漏れの可能性がある
エア漏れはパンク等を引き起こす要因になります。日常点検ではタイヤの損傷がないかのチェックに加えて、空気圧が基準値にあるかを確認することが大切です。
ビード部にあるチェ―ファーの剥がれ、タイヤサイドの局所的な膨らみなどが認められた場合は危険です。内部に損傷をきたしている可能性があるので、すぐにタイヤ交換をしてください。
トラクターの空気圧もまずは目視で確認します。空気圧が適正ではない場合、タイヤに変形が生じます。例えば、空気圧が不足していると、タイヤの下側が潰れた状態になります。
空気圧を測定する「エアゲージ」を用いれば、より正確にチェックすることが可能です。空気圧の過不足はタイヤの損傷につながりやすいため、こまめに点検しましょう。
トラクターのタイヤ交換はどこに依頼する?
自家用車のタイヤ交換をする人であっても、トラクターのタイヤ交換はプロに任せた方が安心です。自家用車よりもタイヤが大きく重量もあるため、作業には危険をともないます。高い技術を持った専門の業者に任せましょう。
トラクターのタイヤ交換を依頼できる業者はいくつかあります。最も便利だと思うところで交換してもらいましょう。
メーカーの販売店
「クボタ」「ヤンマー」「イセキ」「三菱マヒンドラ」など、農機具メーカーの販売店ではタイヤ交換を受け付けています。近くに販売店がある場合は、定期点検などもまとめて依頼できて便利です。
自社製品に精通したプロの整備士が、タイヤも含めてくまなく点検してくれます。トラクター本体を長く使うためにメンテナンスは欠かせません。農作業のシーズン前に点検を受けて、タイヤの状態も確認してもらいましょう。
販売店の場所は、各メーカーの公式サイトで検索できるようになっています。
JA農機センター
JA(農業協同組合)には地域ごとに農機センターがあるのをご存じでしょうか。JA農機センターは、メーカーから仕入れた農機の販売を行っています。車検・点検・修理も手がけており、タイヤ交換ももちろん依頼可能です。
技能者講習に力を入れているため、農機センターには専門知識の豊富なスタッフがいます。また、迅速な修理ができるよう、広域部品センターを設置し在庫を充実させています。
農作業中にパンクしてタイヤ交換が必要になっても、的確に対応してくれるでしょう。
タイヤ専門店
農耕用タイヤ・建設機械用タイヤ・産業用タイヤなどは、特殊なタイヤです。これらを扱うタイヤ専門店であれば、トラクターのタイヤ交換も依頼できます。
幅広いラインナップの中からタイヤを選ぶことができるため、費用を抑えたい方にはおすすめです。海外メーカーのタイヤを取り寄せることもできます。
出張サービスを依頼できるタイヤ専門店もあります。サービスエリア内であれば、現地でタイヤ交換をしてくれます。店舗に出向く必要がないため、とても便利です。
ガソリンスタンド
近隣のガソリンスタンドで、トラクターのタイヤ交換ができるかもしれません。ただし、すべてのサービスステーションが対応しているわけではないため、事前に相談をした方が良いでしょう。
乗用車のタイヤ交換であっても、作業状況によってはすぐに取りかかれないといいます。また、在庫がなければ取り寄せる必要もあります。前もって、トラクターのタイヤ交換が可能か、タイヤの取り寄せに何日要するのかなどを確認しておきましょう。
トラクターのタイヤ交換の流れ
プロに依頼する場合も、トラクターのタイヤ交換の流れを知っておいて損はありません。日頃の点検作業において役立つ知識がたくさんあります。タイヤの構造や空気圧への理解が深まり、メンテナンスの重要性を再確認できます。
ここでは、トラクターのタイヤ交換について、新しいタイヤの選び方から取り付けまでの流れを解説します。
新しいタイヤを準備する
新しいタイヤを選ぶまえに、タイヤサイズを確認します。確認できる箇所はタイヤのサイドウォール、タイヤメーカーの表示がある部分です。
「タイヤ幅」「偏平率」「カーカス構造」「リム径」「プライ数」などが刻印されています。タイヤの仕様によっては、記載のない情報もあります。
安全な走行のため、必ずメーカーが推奨するサイズのタイヤを準備しましょう。1本のみで購入することも可能ですが、左右で高さが異なると消耗が早くなります。性能維持のため2本まとめて用意しましょう。
トラクターからタイヤを取り外す
タイヤ交換には、トラクターのサイズに応じた工具が必要です。大きい車体のタイヤ交換を小さな工具で行うと、工具破損の恐れがあります。
安全確保のため、舗装されている平らな場所で作業を行います。外したいタイヤのナットを緩めてから、トラクターをジャッキアップします。
ジャッキアップに必要なのは、フロアジャッキとジャッキスタンドです。トラクターが持ちあがったら固定し、インパクトレンチでボルトを回します。ボルトが外れたら、トラクターからタイヤを取り外します。
ホイールを取り出す
まずは、取り外したタイヤのバルブを開けて空気を抜いておきます。タイヤチェンジャーという特殊な工具を使って、「ビード」を円に沿ってまんべんなく落としていきます。
ビードはホイールの一部である「リム」にタイヤを固定している部分です。ホイールを傷つけないよう、慎重に作業を進めなければなりません。
ビードを持ち上げてタイヤがリムから外れたら、先にチューブを引き抜きます。タイヤを起こしてレバーを差し込み、てこの原理でタイヤをホイールから取り外します。
新しいタイヤをホイールにつける
ワイヤーブラシなどを使ってリムの清掃を済ませておきます。癒着したゴムやサビを取り除いておかないと、パンクの原因となることがあるからです。きれいになったら、タイヤ用の潤滑剤を塗ります。
回転方向を確認し、ホイールにタイヤを組み込んでいきます。チューブに少しだけ空気を入れておき、片側のビードが入ったらタイヤの中に入れていきます。
バルブが落ちないように固定しておくのがポイントです。ビードを落とし込み、リムをしっかりとはめます。落とし込みの程度が浅いと、ビードが切れることがあるので要注意です。
空気圧を調整する
タイヤには適正な空気圧があります。サイドウォール部に記載されている指定空気圧の確認が必須です。
確認が済んだらバルブコアを取り付けて、エアゲージで空気を入れます。ある程度空気が入ると、バルブが中に落ちる心配はなくなります。
指定空気圧どおりに空気を入れたら、エア漏れがないかどうかの確認です。バルブコアに石けん水をかけてチェックし、バルブキャップを閉めます。
トラクターに取り付ければタイヤ交換は完了です。ジャッキを下げる際は、車体が傷まないようゆっくりと着地させます。
タイヤ交換後のトラクターを長持ちさせる方法
タイヤの性能維持は、トラクター本体の性能を保つことにもつながります。日頃からタイヤの扱いに気をつけてトラクターの長寿命化を図りましょう。
先述のとおり、空気圧はこまめに点検してください。空気圧が低い場合は基準値まで入れる必要があります。逆に高くなりすぎないようにも気をつけましょう。
タイヤ表面には保護層が形成されているため、過度な洗浄をしてはいけません。保護層を壊し、ゴムの変質や劣化の原因となってしまいます。ワックスはゴムへの影響が少ない水溶性のものを使ってください。
スピードの出しすぎや積載荷重の超過にも注意が必要です。なるべく舗装路の走行を避けましょう。凹凸の多い路面では必ずスピードを落としてください。
シーズン終了後は内圧を調整してから、適切な場所で保管します。保管場所によっては、亀裂・ひび割れ・変色・変形などが起こり、タイヤの劣化が早まります。風通しが良く、直射日光や雨の当たらない場所を選びましょう。
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トラクターのタイヤ交換は、専門知識と高い技術を要する作業です。決して無理せずプロに任せることをおすすめします。
タイヤ交換が必要となるタイミングで、買い替えを検討することもあるでしょう。トラクターは中古市場での需要が高く、あぐり家でも多く取扱いがあります。
年式が古いからといって売却をあきらめる必要はありません。あぐり家は農機具を専門に買取り、故障していても整備士が修理を行います。専門業者だからこそ、適正価格での査定が可能です。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。