トラクターを生産するメーカーは、国内外問わず多くあります。現在はトラクターにもさまざまな先進技術が導入されているため、買い替えの際はメーカーの選択のみならず、ますます悩むポイントが増えました。
この記事では、国内・海外の主要メーカーごとの特徴などを説明していきます。国内メーカーについては、小型・中型トラクターの搭載機能なども紹介しているため、メーカーを比較する際のチェックポイントもぜひ参考にしてください。
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トラクターを買い替えるなら日本メーカーがおすすめ
海外製にこだわる大きな理由がなければ、買い替え時にも日本メーカーのトラクターを選ぶとよいでしょう。国内では中型トラクターの需要が高いため、大型トラクターを中心に生産する海外製よりも選択肢が豊富です。
故障して部品が必要となった場合、海外メーカーのものは国内に在庫がないことも考えられます。取り寄せに10日〜2週間程度は見ておかなければなりません。その点、日本メーカーは全国数か所に部品センターを設けているため、より迅速なサポートが期待できます。
近年では部品の供給延長サービスを掲げる企業も出てきました。生産が終了したトラクターについても、できる限り部品の供給を続けようというサービスです。年式が古くなっても、サポート体制が整っていると安心して使い続けられます。
日本の主要トラクターメーカー4社
日本国内で流通しているトラクターの多くは、「クボタ」「ヤンマー」「イセキ」「三菱マヒンドラ農機」いずれかの製品です。平成以降、この4社が国内出荷全体の8割を占める状況が続いています。
ここでは国内シェア率の高い順にそれぞれのメーカーを紹介します。小型・中型トラクターに搭載されている便利な機能についても注目しているので、トラクター選びの参考にしてください。
クボタ
クボタのトラクターは「耐久性」に定評があり、国内で大きなシェアを占めています。アジア・北米・中南米・ヨーロッパなど、海外にも多くのトラクター販売拠点を持ち、世界的にも有名なブランドです。
小型・中型トラクターのラインナップが豊富で、30馬力までの製品だけで10種類以上あります。購入時には必要な機能を比較して選ぶことが可能です。
中型トラクターには「GS機能」とよばれる直進アシスト機能を搭載したものもあります。自動でまっすぐ進むため、作業に不慣れな人でも簡単に運転できます。施肥の確認作業などに集中できるうえ、疲労感の軽減にもつながる機能です。
ヤンマー
国内シェア第二位のヤンマーも小型・中型トラクターを豊富に取り揃えています。20〜40馬力のトラクターは10種類以上生産されています。
ヤンマーの特徴は、使いやすさと快適さを追求した仕様です。一部の中型トラクターに搭載されているのが、クラッチいらずで簡単に操作できる「ノークラッチ10段変速」です。
作業内容や土質に応じた速度を素早く選択することが可能です。作業スピードを上げながら、うね立てを美しく仕上げられます。
また、軽くハンドルを切るだけでコンパクトな旋回ができます。前輪が後輪の倍速で回転し、内側の後輪には自動で半ブレーキがかかるからです。小さなほ場でもスムーズに運転ができます。
イセキ
国内でヤンマーに匹敵する人気を誇るのがイセキです。30馬力までのトラクターは10種類ほどあります。90馬力以上の大型トラクターも数多く生産しており、製品全体の数が豊富であることも特徴といえるでしょう。
直進アシスト機能「オペレスタ」が搭載されたモデルもあります。直進アシストへの切り替えは、レバーを上げ下げするだけの簡単操作です。ハンドルを握ったまま、落ち着いて切り替えられます。
作業開始時にGPS測位をしておくだけで、約2時間はシステム情報を記憶しています。直進アシスト作業の途中でエンジンを停止しても、再開時に続けて作業に入れます。
三菱マヒンドラ
三菱マヒンドラは三菱重工の完全子会社です。トラクターのほかにも田植え機やコンバインなどを製造・販売しています。インドのマヒンドラ&マヒンドラ社と農業機械分野において協業関係にあります。
13馬力から30馬力までのトラクターは10種類近くあります。その中でも日本農業応援モデルとして売り出されているのが、25馬力の「GOE25」。コンパクトながら充実した装備を兼ね備えたトラクターです。
三菱のディーゼルエンジンはパワフルで、4気筒ならではの滑らかな動きをするため快適性は抜群です。旋回時には小回りをアシストし、前輪が一定角を超すタイミングで自動的に作業機が上がります。
海外の主要トラクターメーカー4社
北海道のように広大な土地で営農する場合、海外メーカーの大きくパワフルなトラクターは威力を発揮します。国内メーカーも大型トラクターを生産していますが、海外製品はそれをさらに上回るサイズ感があります。
海外メーカーの中でも、日本に流通しているのは欧米で生産されたトラクターです。国内でも人気の高い主要メーカー4社を紹介します。
フェント(ドイツ)
フェントはドイツを代表する農機メーカーです。世界でも大きなシェアを誇り、日本では三菱商事のグループ会社である「エム・エス・ケー農業機械株式会社」が輸入・販売しています。
対向車線にはみ出すほどの大きさは圧巻です。521馬力もある「フェント F1050バリオG2」は日本でも販売されています。
大きな車体は力強く、視界も良好で操作性が抜群なのが特徴。高額であることでも知られ、中古で2,000万円を超える高値で取り引きされることもあります。
マッセイファーガソン(フランス)
マッセイファーガソンは、世界中で農業機械を販売するAGCOグループの一員です。トラクターは主にフランスで製造され、フェントと同じく「エム・エス・ケー農業機械株式会社」が輸入・販売しています。
日本では55〜295馬力までの10種類近くが販売されています。力強いエンジンと油圧装置が燃料消費を低減し、作業効率を向上させます。
トラクターを操作する装置は技術の進化とともに複雑化していますが、マッセイファーガソンは直感的に操作できるシンプルさを大切にしています。
ジョンディア(アメリカ)
ジョンディアはアメリカの農機具メーカー「ディア・アンド・カンパニー」が製造するトラクターです。日本ではヤンマーが輸入販売を行っており、90〜410馬力までの製品が流通しています。
緑色のボディに鹿のロゴがあしらわれた外観は特徴的です。海外製トラクターの中では比較的手頃な価格設定となっています。
環境にも配慮しながら、効率的な作業ができるエンジンを採用しています。現在発売されている「5Mシリーズ」に搭載されたエンジンは、欧州排気ガス規制StageⅤをクリアしています。
ランボルギーニ(イタリア)
高級スポーツカーのイメージが強いランボルギーニですが、もともとは農業用トラクターの開発から始まった会社です。ランボルギーニのトラクターは、他に類を見ないスタイリッシュなデザインが最大の魅力です。
ホワイトとブラックのカラーリングが特徴的なだけでなく、キャビンの構造にもこだわりがあります。視界が広く確保できるよう、計器パネルなどはコンパクトかつ操作性を重視して配置されています。
最新技術のドイツエンジンは燃費効率が高く、環境にも配慮したものとなっています。
トラクターメーカーを比較するポイント
日本のトラクターメーカーを比較するには何をポイントとすれば良いのでしょうか?どのメーカーも中型トラクターを中心に豊富なラインナップを用意しているため、馬力だけを基準に選ぶことは難しいでしょう。
トラクター選びにおいて、各メーカーで注目しておきたいポイントは馬力以外にもいくつかあります。順番に確認していきましょう。
近くに販売店があるメーカーを選ぶ
トラクターの修理が必要となった場合、最も重要なのは迅速に対応してもらえるかどうかです。この点から考えると、自宅に近い場所に販売店があるメーカーは有力な候補となります。
修理対応だけでなく、定期的な点検やメンテナンスもまとめて依頼することができます。トラクターの寿命を延ばし、故障により生じる作業ロスを大きく減らせるでしょう。
近隣の農家でよく使われているメーカーは、その地域に強い可能性があります。サポート体制が確立されていれば、故障時にもすぐに対応してもらえるため安心です。
機能を比較して決める
メーカーや価格帯ごとにトラクターの機能は少しずつ違います。例えば、いま注目の「直進アシスト機能」や「ノークラッチ」などは、すべてのトラクターに搭載されているわけではありません。
そのほかにも以下のような機能に違いが見られます。
・自動深耕制御
・自動水平制御
・ポンパ
・バックアップ
・倍速ターン
・オートアップ
いずれも運転の負担を減らすためのアシスト機能です。何を組み合わせているのかはトラクターごとに異なります。メーカーの展示会に参加して、実機を確認すると分かりやすいでしょう。
操作性の違いを確かめる
スイッチやレバーなど細かな点での操作性には、メーカーごとに違いが見られます。「新しいトラクターに買い替えたい」「2台目として購入したい」という場合、現在使用しているものと同じメーカーでそろえるのが無難です。
操作に慣れたメーカーであれば、運転に対する違和感は少ないでしょう。2台目購入で日々使い分ける場合はとくに、操作性は重要なポイントとなります。
もし、違うメーカーのものを選ぶとしても、仕様のチェックは慎重に行いましょう。アタッチメントをつけるリンク機構、ヒッチの規格はそれぞれ数種類あります。できるだけ慣れた仕様のものを選ぶとよいでしょう。
日本のトラクターメーカーは中古市場でも人気
「クボタ」「ヤンマー」は新車だけでなく、中古市場でも人気のあるメーカーです。クボタは耐久性が高く、ヤンマーはエンジンに定評があります。年式の古いモデルでも値がつくことは珍しくありません。
たとえ壊れてしまっても、中古市場で需要が望めます。開発途上国などに送られ、現地で修理してまた使われることもあります。日本国内で需要がなくなっても海外に市場があるため、壊れているトラクターの買取が可能というわけです。
中古市場でも小型・中型トラクターの需要は高く、過去の人気モデルであれば古くても想定以上の値段がつくケースもあります。きれいに掃除をしてアタッチメントを付ければ、より高く査定してもらえるでしょう。
日本メーカーのトラクターは古くても買取の可能性が十分にあります。新しいトラクターを購入する資金にもなるため、処分を検討する前にぜひ買取査定をしてもらいましょう。
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不要になったトラクターは年式が古くなっていく前に、一日でも早い段階での売却をおすすめいたします。まずはご相談だけでも良いので、お気軽にあぐり家までお問い合わせください。
株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。