農機具の運転に必要な免許を知って、トラクターに乗る準備をしましょう。ただし、免許を取るだけでは必要な準備が整いません。農耕用トラクターなどが公道を走行するには、道路運送車両の保安基準をクリアする必要があります。
ここでは、トラクターなどの農耕車が公道を走行するための必須免許や、農業を本格的に始める方が持っていると便利な資格などを紹介します。ぜひ参考にして、農業に役立てていってください。
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トラクター、テーラーの運転に必要な免許
公道の運転に免許は必須!
規制緩和によりロータリーなどの作業機を装着したままトラクターなどが公道を走行できるようになりました。しかし、そのためには以下四つの条件をクリアする必要があります。灯火器類の確認・車両幅が規定内か確認・安定性の確認・免許の確認の四つです。
公道とは、国や自治体などが管理する道路のことをいいますが、公道を走行するにはどんなに短距離でも運転免許は必須です。
トラクターや乗用テーラーなどの農耕車は、道路運送車両法では小型特殊自動車・大型特殊自動車と規定され、公道を走行することが可能となっているので、必要な免許を所有しておきましょう。
参照:農林水産省「作業機付きトラクターの公道走行について」
ナンバープレートは運転していなくても必要
小型特殊自動車は、ナンバー登録が必要です。小型特殊自動車は公道を走行するかどうかに関係なく、ナンバープレートを取り付けることが義務付けられています。
所有している農耕車は課税対象となり、現に使用していない農耕車も該当します。ただし乗車装置のない手押しタイプのテーラー(耕うん機)などは該当しません。
小型特殊免許・普通免許が必要な場合
農耕車などを運転するためには、最低でも小型特殊免許か普通免許が必要です。なお、普通免許があれば小型特殊免許も自動で付属するので、新たに小型特殊免許を取得する必要はありません。
道路交通法では、小型特殊免許・普通免許で運転できる条件があります。その条件は、「全長4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下、最高速度15km/h以下の条件を全て満たした場合」のみ小型特殊免許・普通免許で運転可能となっています。
また、高さは、安全フレーム・安全キャブが装着している場合には2.8m以下となります。
大型特殊免許が必要な場合
小型特殊免許の条件(全長4.7m以下、幅1.7m以下、高さ2.0m以下、最高速度15km/h以下)を一つでも超える場合は、大型特殊免許が必要です。高さは、安全フレーム・安全キャブが装着している場合には2.8m以下となります。
これから大型特殊免許を取得する際、費用や時間がないからと諦める必要はありません。トラクターなどの農耕車両には、農耕車に限定した大型特殊免許があるのです。農耕車限定免許は、取得費用が数千円で、取得日数が短く取りやすくなっています。
農耕車限定免許は、農業大学やJAなどで講義受講後、実技研修をした場合にも取得できます。ただし人数制限がある上、取得できる期間が限定されているので、申し込みをしたい場合は免許状況を確認すると良いでしょう。
農耕車の場合は「大特免許(農耕車限定)」で十分な場合が多いので、農業する方にはメリットの多い免許です。
大型車両をけん引するなら、けん引免許
農業をしていると、トラクターなどで農機具などをけん引する必要性があるかもしれません。農耕作業などの大型車両をけん引するには、けん引免許が必要です。
けん引免許は、750キロを超えるもの(積載物含む)をけん引して公道を走る際に必要になります。もちろん、750kg以下なら条件を満たした場合や、故障した車両をロープなどでけん引する場合は、けん引免許がなくても公道の運転が可能です。
免許がなくてもけん引できる条件とは、
・灯火器類の設置や速度15㎞以下
・けん引する車とけん引される車の長さ1.2以下・幅2.5以下・高さ3.8以下
・故障した車をけん引する場合
です。
けん引免許には、農業大学やJAなどで取得可能な農耕車限定免許があります。
大型車両を乗せて運転するなら大型・中型免許
コンバインや田植機などの大型車両をトラックなどに乗せて運転する場合には大型免許・中型免許が必要です。また、大型自動車でけん引する場合も大型免許が必要になります。
まだコンパクトな農耕車しか扱っていなくても、仕事の幅を広げたい、大型車両を乗せる可能性があるならば大型免許、中型免許の取得を検討してみると良いでしょう。
あると便利!農機具に関連した資格
日本農業技術検定
日本農業技術検定は、農業についての知識や技能を判定するための検定試験です。学生や農業後継者、農業法人で収納を目指す研修生などに対して実施しています。
検定内容は、1級から3級までレベルごとに構成され、3級は学科試験のみです。2級・1級は学科と実技試験がありますが、学科試験のみの試験も受けることが可能です。
似た名称の検定に日本農業検定があり、これから農業を仕事にしていきたい農業初心者や農業の基本的な知識を学びたい方にとって有意義な資格です。
より深い知識やレベルが高い検定を求める場合、日本農業技術検定は適していると言えるでしょう。
農業機械士
農業機械士は、農業機械の基礎的な知識や扱い方を習得していることを都道府県知事より認定される資格です。この資格は、18歳以上の就農者で、農業機械士養成研修終了、大型特殊自動車免許取得者が受験可能です。
この資格を持つメリットは、農機の点検やメンテナンスなどを行う際や、農機の不調に自分で対処できることです。また、指導農業機械士の資格取得が可能になります。
農業機械整備技能士
農業機械整備技能士は、トラクターなど農家に欠かせない農業機械の点検や整備に関する専門知識や技術を認定する国家資格です。
試験はレベルによって1級と2級があり、それぞれ学科試験と実技試験があります。また、試験を受けるにはレベルごとに実務経験が必要になり、学歴によって必要な実務経験年数が異なります。
学科試験と実技試験は一度に受ける必要がなく、別の年に分けて受けることが可能です。農耕車両という特殊車両の整備だけでなく、安全性や構造、農業全般の幅広い知識が求められる資格です。
そのため、農業機械士より難易度が高く、資格の勉強をすることで農業についてより広い専門知識を習得できます。
土壌医検定
土壌医検定とは、作物の生育に欠かせない土づくりの専門知識を持った人材を育成する目的でつくられた農林水産省後援の資格です。この資格を取得すると、土づくりの専門家としてのアドバイスや指導を行うことができます。
土壌医検定の資格は、レベルごとに3級が土づくりアドバイザー、2級が土づくりマスター、1級が土壌医となっています。
土壌の知識以外にも作物の生育や収穫、品質との関係などが出題され、本格的な農業を目指す方や農業学生にはぜひトライしてほしい資格です。
農機具を活用して、農業をもっと便利に!
農業で本格的に仕事をしていくためには、運転免許は必須です。それ以外に農機具に関する専門知識、農作物に関する基本知識を深めるための、農業に役立つ資格や免許を紹介しました。
免許・資格を持つことで、知識や技能を生かすことができて、農業でできることの幅が広がります。知識や技能を習得すれば、農機具を活用し、農業をもっと便利にできます。
農機具の新たな購入を考えているならば、中古購入を検討してみましょう。農機具は、整備・修理をすれば長く使い続けることが可能です。
あぐり家は、元農機具修理・販売店の実績や業界ネットワークを生かし、適正価格で販売を行っているので、安心して購入ができます。
株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。