小型トラクターは小さくて小回りが利き、農業初心者でもスムーズに乗りこなせる優れものです。
馬力の強いトラクターよりも初期費用も抑えることができるので、農業を始めたばかりの農家にとって導入しやすいのが魅力。
トラクターは田植え機やコンバインなどの独自の機能を備えた農具と比べて、幅広い作業を行えます。
農業のさまざまな場面で活躍できるので農家にとって欠かせない重要な存在です。時には農家だけではなく、広範囲の庭を持つ人も活用したりしています。
ここでは、小型トラクターの役割や選び方、メリット・デメリットなどをわかりやすく紹介します。
購入を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
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小型トラクターはどう使う?使うシーンと特徴を紹介
使い方① 田んぼのあぜ塗り、代かきや耕運などの圃場
「耕運」とは、その次に行う作業である「代かき」のための下地作業のことで、アタッチメントの「ロータリー」を使用して行います。
ロータリーの複数の刃を回転させて土を細かく耕しながら空気を送り込むことでやわらかい土にする作業です。
代かきは、耕運で使用したロータリーよりやや爪が短いアタッチメントの「ドライブハロー」を使用して行い、ロータリーよりも幅が広いため作業効率が良いのが特徴です。
耕運でやわらかくした土に水を入れて細かく撹拌し、練り上げてドロドロの泥状にしてから、土の表面を均一にならして田植えしやすい状態にします。
代かきを行うことで、ワラと雑草を土に混ぜ込むことで雑草を生えにくくさせ、病気になりにくくする効果があり、除草剤をまく回数を減らすことが期待できます。
また、有毒ガスの発生を抑えることで有機物の腐熟を促進させるのに効果的です。
あぜ塗りでは土を寄せて固めて水が流れ出さないようにあぜを作ります。
使い方② 牽引・運搬などの移動
農業は人の力では動かせない重い物を運ぶ機会が多いため、強力なエンジンを搭載した馬力のあるトラクターは重宝されます。
農機がまだなかった時代には、牛や馬などの家畜が牽引・運搬などの役目を担っていました。
現代では、トラクターを使うことで牽引や運搬などの移動も簡単に行えるようになっています。トラクターにアタッチメントをつけることで、それ以外の作業ももちろん可能です。
収穫の際に使用する「ハーベスター」は自走型のタイプと牽引型のものがあり、小さな農園ではコストパフォーマンスに優れている牽引型が選ばれています。
田畑以外で使用される例として、雪国ではトラクター用の除雪機を装着して使用するなど、トラクターは色々なシーンで使えて便利な農機といえるでしょう。
使い方③ 農薬や肥料の散布
農薬散布には、「ブームスプレーヤー」というアタッチメントをトラクターに搭載して広い田畑の消毒や除草剤の散布作業を行います。
薬剤タンクの後方にある横に長く伸びたブームという腕には一定間隔でノズルを配置し、除草剤や殺虫剤をまんべんなくまくことが可能です。
ポンプやタンク、ノズルの種類には色々なものがあり、用途に合わせて選びます。
広い農地でも効率よく散布できるため時間と労力の大幅削減に効果的です。
また、肥料散布には肥料を効率よく散布できる「ライムソワー」というアタッチメントを使用して行います。
ライムソワーは石灰やヨウリンなどの粉末状の肥料から粒状の肥料を散布するために開発されました。
トラクターを走らせながらタンクに入れた肥料を農地全体にまんべんなくまくことができます。
全幅落下式になっており、かくはん装置・操出装置・動力伝道装置・シャッターなどで構成され、スクリューを利用して肥料を均一に排出して落下させつつ散布します。
使い方④ 広い庭での家庭菜園や造園
コロナ禍でのリモートワークの普及によって、北米では広い庭や家庭菜園・造園での需要が増え、田舎への移住の増加などの影響もあり、小型のトラクターの売上が伸びています。
クボタでは2021年の農機小売台数が20万台を突破し、今後も増える見込みだとされており、増産体制を強化しているものの供給が追いついていない状況です。
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大型・中型ではなく小型トラクターを選ぶべき人は?
国内の主要メーカーが販売しているトラクターは、25~35馬力の中型のものがほとんどで、農地が5~10haの一般農家や兼業農家の方に向けて作られています。
10ha以上の中型農家以上になると40馬力以上のトラクターを選ぶのがいいでしょう。
1~5haほどの小さな圃場やハウス内で使用する場合は、16~25馬力の小型トラクターがおすすめです。
15馬力より小さな小型トラクターになるとアタッチメントの設置が2点リンクなので作業の種類が減ってしまいます。作業効率を考慮するなら16馬力ものがおすすめです。
小型トラクターのメリット
初期投資を抑えてトラクターを導入できる
ほとんどの農具店は、購入の際に作業の幅が広く耐久性の高い30馬力以上の大型トラクターをすすめるようです。
しかし、大型のトラクターには高額な費用がかかるため、農業を始めたばかりの方の購入には注意が必要です。
農業での収益が得られる前に大きな投資をするのではなく、事業が軌道に乗ってからの購入をおすすめします。
その点、小型トラクターなら大型トラクターと比べて価格も低く、初期投資を抑えることができるので安心です。
保管の場所を取らない
小型トラクターは小さいので保管スペースを比較的都合しやすいのがメリットです。
また、運転の際に小回りが利くのでさまざまな農業の場面で役立ち、小さな田畑やハウス内での作業にも適切です。
新しく農業を始める方にとっても小型トラクターなら比較的スムーズに乗りこなせるため、狭い場所での作業も安心して行えます。
扱いやすく多機能
近年では、従来の大型トラクター並のエンジンを搭載したスピードが出るタイプの小型トラクターが販売されています。
小型トラクターが本来持っている操作性の良さはそのままで扱いやすく、農家にとってコストパフォーマンスと機能性を両立した農具だといえるでしょう。
小型トラクターのデメリット
規模が大きい農地だと買い替え・買い足しが必要
小型トラクターはサイズが小さいためアタッチメントの部分もコンパクトです。
農地の面積が広くても対応可能ですが、耕せる面積も狭くなり、何度も往復しなければならないので作業効率が悪くなります。
買い替えや買い足しなども考慮する必要があり、規模の大きい農地の場合は、馬力の大きなものを選びましょう。
使えるアタッチメントの選択肢が少ない
トラクターはさまざまな用途に合わせてアタッチメントを付け替えることで、効率よく作業を進められます。
アタッチメントには2点リンク・3点リンクと2種類あり、ほとんどのトラクターが3点リンクのものです。
しかし15馬力以下の小型トラクターは2点リンクにしか対応しておらず、作業の種類も制限されてしまいます。
3点リンクのアタッチメントを使用して作業を行うなら、たとえ狭い農地だとしても16馬力のトラクターを導入しましょう。
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トラクターの選び方
初畑作の場合のトラクターの選び方
畑作の場合は、どのような作物を作るかによって必要なトラクターが変わります。
稲作よりも3〜7倍程度トラクターを使用する場面が多く、耕うん・肥料や農薬の散布・草刈り・収穫・運搬などさまざまな作業を行うのが特徴です。
行う作業が多いため、農家のほとんどがトラクターを3台ほど使用します。
特に耕うんの作業には強い馬力のトラクターが必要となり、25〜35馬力のものを選ぶと安心でしょう。
稲作の場合のトラクターの選び方
稲作の場合は畑作と違い、耕うん・代かき・施肥の3つの作業での使用がメインです。
田植機は稲を植える、コンバインは稲刈りと、メインの作業はそれぞれの農機を使い分けて行うのでトラクターは1台で十分まかなえます。
稲作では30~50馬力のトラクターを使用します。
50馬力以上のものを使用すると、機体の重量が重すぎて土を踏み固めてしまうおそれがあるからです。
そうかといって馬力が30以下のものだとハローやロータリーの作業幅が短くなり、何度も往復しなければなりません。
しかし広い農地で作業を行う場合、50馬力のトラクターでは作業幅が狭いため作業効率が悪くなってしまいます。
そのようなとき、農家ではトラクターの後輪が三角形になったクローラーを使用します。
クローラーは通常のホイール型とくらべて接地面積が広いためピンポイントで圧力をかけずにすみ、圃場の土を踏み固める心配もありません。
作物にとって適した土壌を守ることができます。
小型トラクターの購入・売却は農機具専門業者のあぐり家へ
ここまでで、小型トラクターの役割や選び方、メリット・デメリットなどについて紹介しました。
小型トラクターは小さいので保管場所に困らない、初期費用を抑えつつ導入できるなどのメリットが期待できます。
小さな圃場やハウス内での作業や、農業を新しく始める方にとっても扱いやすくおすすめです。
小型トラクターの中古販売なら農機具専門業者のあぐり家がおすすめです。
あぐり家では小型トラクターを多数取りそろえており、プロの整備士がきっちりとメンテナンスした高品質のものだけを販売しているので信頼しておまかせできます。
購入後のアフターフォローも万全の体制が整っており、万が一の故障でも安心です。
また、これまで培ってきた業界ネットワークと豊富な実績を活かして、農機具の高値買取も行っています。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。