農業をこれから始めたいと考えている人や拡大したい人にとって、農業の種類や収益を把握することはとても重要なことです。
農業の働き方や収益は、収穫物によって大きく左右されます。始める前にライフサイクルに合っているか、収益がどのくらいかを把握しましょう。
この記事では農林水産省のデータをもとに、農業の基本情報や今注目のカテゴリを紹介します。
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稲作と畑作だけじゃない!農業の大分類
農業の種類は稲作と畑作だけではありません。細かい分類をする前に、ここでは大きく3種類に分類した耕種農業・畜産農業・アグリビジネスについて説明します。
耕種農業
耕種農業は、田畑で作物を栽培する農業のことです。具体的な作物は、穀物や豆類、野菜や果物、花き、飼肥料用作物、工芸農作物などがあります。
きのこ類も含まれますが、施肥(せひ)を行っていないと耕種には含まれません。施肥は生育させ、肥料を施すことです。例えば、天然のシイタケやタケノコなど下刈り(下草刈り)程度の管理は耕種農業には含まれません。
一口に耕種農業と言ってもその範囲は非常に広く、さらに業種ごとに分けられますので、詳細は後述します。
畜産農業
主に動物を育成したり販売する農業のことです。具体的には、牛や豚や鳥、いのしし、うずらなどがあります。
蚕(かいこ)などの養蚕、モルモットなどの実験用動物、種付け用なども畜産農業に含まれます。また、ペットなど愛がん用に供することを目的に飼育する場合も含みます。
こちらも範囲が広いので、畜産業の主な業種は後述で詳しく説明します。
アグリビジネス
アグリビジネス(agribusiness)とは、農業という意味のアグリカルチャー(agriculture)とビジネス(business)を合わせた造語で、大規模な農業事業のことです。
アグリビジネスの活動領域は広くさまざまな業種が含まれます。例えば、農作物の生産、加工、流通などの業種があります。また、農業生産者と種苗メーカーや肥料・農薬業などをつなげる役割の仕事も含まれます。
アグリビジネスは、未だ定着しきっているとは言えない分野です。しかし、農業の収益性を上げるという観点から近年注目を集めているカテゴリです。企業参入だけではなく、小規模な個人農家による付加価値を高めたビジネスにも期待されます。
耕種農業の種類と収益は?メリット・デメリットも解説
農林水産省:令和2年 農業経営体の経営収支では、農業粗収益が約992万円でした。農林水産省のデータを元に、令和2年度の粗収益を各業種ごとに記載しました。これから農業を始める方はぜひ、農業種類と合わせて収益を参考にしてください。
参照元:農林水産省 令和2年 農業経営体の経営収支
①稲作:米を作る農業
稲作経営の粗収益は約345万円です。
稲作は、新規参入でも初期費用を抑えることが可能というメリットがあります。一方で、台風や猛暑、水不足などの天候に左右されやすいことや、病害虫の影響を受けやすいというデメリットがあります。始めるときには、主食用の米は200種類以上あるため、その土地にあった米を選ぶことが必要になります。
②畑作:広い畑で農作物を栽培
畑作経営の農業粗収益は約1,183万円です。
畑作は、六条大麦やトウモロコシなどの穀物類や、豆類、イモ類などを栽培します。畑で栽培した農作物を加工販売する場合も含みます。
畑作のメリットは農地を工夫して、二毛作や二期作など工夫次第で収入を増やせることや、広大な農地で農機をフルに生かした営農が可能になることです。デメリットは稲作同様に天候の影響を受けやすいことです。
③露地野菜作:屋外の畑で農作物を栽培
露地野菜作作経営の農業粗収益は約1,073万円です。
露地野菜作の主な作物は、ニンジンやダイコンなどの根野菜や、白菜やキャベツなどの葉野菜などがあります。
メリットは、太陽や雨水の自然の恵みを受けられるので、初期費用を抑えることが可能なことです。特にキャベツは労力が少なく、収益率が高い傾向にあります。設備投資を抑えられるので新規参入がしやすいといえます。デメリットは、天候の影響を受けやすいことです。
④施設野菜作:屋内施設で農作物を栽培
施設野菜作経営の農業粗収益は約1,718万円です。
施設野菜作は、ビニールハウスなどの屋内で農作物を栽培することです。主な作物は、イチゴやスイカ、トマトやミニトマトなどがあります。トマトやミニトマトは安定した収益があり、ブランドも増えています。
メリットは天候の影響を受けにくいことや、生育を人工的に管理可能なことです。デメリットは、ビニールハウスなどを設置するための初期費用が必要なことです。
⑤果樹作:木に実る農作物を栽培
果樹作経営の農業粗利益は約682万円です。
果樹作の主な作物は、リンゴや柿、栗や梅などです。多くの果樹は収穫が1年に1回になりますが、収穫時期以外には、病虫害対策や水やり、肥料などの管理に多く時間を費やします。
メリットは、収穫後に加工品にすることで差別化やブランド化ができることです。また、長期間にわたり樹木を育てる喜びや愛着が湧きます。デメリットは、台風などの天候に左右されることと、木が育ち実るまで1年以上かかってしまうことです。
⑥花き作:観賞用の花を栽培
露地花き作経営の農業粗収益は約849万円で、施設花き作経営の農業粗収益は約1,777万円です。
観賞用の植物は、花や芝生、球根や苗などさまざまな形態があります。花き栽培は全体的に経費が高い傾向があります。特に、バラ栽培は特に手入れの労力が多く経費が高いので新規参入には向きません。
花き栽培をするならば、なるべく労力や初期費用を考慮したほうがよいでしょう。
畜産農業の種類と収益は?メリット・デメリットも解説
①酪農:牛などの乳や乳製品を生産
酪農経営の農業粗収益は約8,754万円です。
酪農は、主に牛を飼育して飲用にしたり、チーズやバターなどに加工したりして販売する業種です。最大のメリットは、年間を通して乳製品を製造しているので、安定した収入を得やすいことです。
デメリットは初期投資が高く、年間を通しての労働時間が長いことです。酪農の仕事例は、1日の中で搾乳や牛舎の清掃、餌やりや放牧などがあります。
②肉用牛:牛肉を生産
繁殖牛経営の農業粗収益は約1,794万円で、肥育牛経営の農業粗収益は約1億2,421万円です。
牛を育ててから食用牛肉になるまでには、2年以上かかります。新規参入するには牛を購入後に「肥育する」ことから始めます。また、「肥育」「子牛育成」「繁殖」を計画的に行う必要があります。
メリットは、ブランド牛は高額で取引されるためで高収入が得られることです。デメリットは初期投資や維持管理に経費がかかることと、食用肉になるまでの期間収益がないことです。
③養豚:豚肉を生産
養豚経営の農業粗収益は約2億3,568万円です。
養豚経営は、子取り経営と肥育経営と一貫経営の3形態があります。子取り経営は、繁殖用豚に交配させて、産ませた子豚を飼育後に出荷することです。肥育経営は、子豚を購入して肥育し出荷することです。
一貫経営は子取りや肥育を一貫して経営します。最近では一貫経営が増加を続けていて主流になっています。しかし、最初から一貫経営をするには設備投資が大きくなります。一貫経営するには、単純に豚舎が3種類必要になるからです。
④養鶏:鶏卵や鶏肉を生産
採卵養鶏経営の農業粗利益は約2億7,289万円で、ブロイラー(食用若鳥)養鶏経営の農業粗利益は1億2,512万円です。
大規模養鶏場は年々増加傾向にあり、数千羽から数万羽単位で経営しています。しかし、小規模ながら独自のブランド卵や、ブランド鶏で差別化経営をしている養鶏場もあります。工夫次第で初期投資を抑えられるメリットがあります。
デメリットは規模にもよりますが、初期投資が大きいことです。
農業経営は、設備投資をいかに抑えるかも重要
農業はさまざまな業種があり、収入やライフスタイルで自分に合う業種を選択することが可能です。その中で、農業初心者が新規参入しやすい業種の条件は、初期投資を抑えられることと、収益化しやすいことがあげられます。
しかし、必要な設備投資を削ってしまった場合に余計な労力がかかり、かえって作業効率が悪くなる場合があります。初期投資を抑えるには、先代から譲り受けた古い農機具を売る方法があります。また、中古で農機具を購入する方法も投資額を抑えることが可能です。
あぐり家は、プロ整備士がいるので、壊れた農機具を修理して販売するルートが確立しています。20年以上の古い農機具や、故障している農機具でも買取が可能です。また、中古農機具の販売もしているので必要な農機具の相談もできます。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。