農業初心者にとっては、耕運機の「使い方が分からない」「耕運機でできることは?」「動かすコツ?」などの疑問がある人が多いのではないでしょうか。耕運機を上手に使いこなすと農作業が効率的にできます。
耕運機はメーカーやタイプによって操作方法が異なります。この記事で紹介している使い方は代表的な例です。お手持ちの耕運機の説明書を確認するか、メーカーサイトで確認が必要です。
正しい使い方や知識がないと、思わぬ事故に繋がってしまうからです。ここでは、耕運機の基本的な使い方から、上手に使いこなすコツを分かりやすくまとめました。
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あなたの耕運機はどの種類?違いはロータリーの位置
耕運機にはロータリーといわれる回転する部分があります。耕運機はロータリーの位置によって「車軸ロータリー式」「フロントロータリー式」「リアロータリー式」の3つのタイプがあります。
ここでは、それぞれのタイプについて違いや特徴を説明します。
コンパクトで小回りが利く「車軸ロータリー式」
耕運機の車軸に回転刃(ロータリー)がついているタイプが「車軸ロータリー式」です。タイヤが回転して動くのではなく、車軸がタイヤ代わりになり動きます。
コンパクトで小回りがきくので扱いやすいのが特徴です。小型で操作が簡単、初心者でも扱いやすい、価格が比較的安いことがメリットです。
デメリットは他の2タイプに比べるとパワーが劣ることと、車軸にタイヤがないので移動が不便になることです。田んぼや畑までの移動が不便な場合は、後ろ側に移動用のタイヤが付いている耕運機もあります。
力がなくても使いやすい「フロントロータリー式」
耕運機の前側に回転刃(ロータリー)が付いているタイプが「フロントロータリー式」です。前側に回転刃が付いているので重心が安定していることが特徴です。また、タイヤがあるので方向転換が容易にできます。回転刃が足元から離れているので足を巻き込むリスクが少ないこともメリットです。
デメリットは、構造上、深く耕運作業することが難しくなることです。つまり回転刃を土に食い込む力が他の2タイプに比べると弱くなります。
しっかり耕すなら本格派の「リアロータリー式」
耕運機の後ろ側に回転刃(ロータリー)がついているのが「リアロータリー式」です。重量があり、土への食い込みがよいのが特徴です。パワーがあり、直進する作業が得意なこともメリットとして挙げられます。
デメリットは、方向転換がしにくいことと、回転刃が足元に近いためケガをする危険があることです。ロータリーカバーがついている機種や、バックするときにロータリーが停止する機能が付いている機種が安心です。
本格的な農作業をする場合や、広範囲に耕運作業をする場合にはこのリアロータリー式が適しています。
動力は大きく分けて4種類
小さい畑に「バッテリー」「ガスボンベ」
動力(燃料)としてが手軽に手に入るのが「バッテリー」と「ガスボンベ」です。この2つはメンテナンスが楽なことが大きな魅力です。「バッテリー」は、充電して繰り返し使えて経済的、排気ガスが出ない、音が静かなどの特徴があります。
「ガスボンベ」は、入手しやすく経済的、交換が楽に出来るなどの特徴があります。気温の低い時期にはエンジンがかかりにくいのが難点です。
高出力で強力な「ガソリンエンジン」
大型の耕運機はガソリンや混合ガソリンを使用します。燃料があれば長時間使うことが可能なのが大きなメリットの一つです。パワーがあり、小型の耕運機に多く使われています。
ガソリンの入手には専用の携行缶が必要です。オイル交換や使わない時期にはガソリンを抜くなどのメンテナンスが必要になります。また、騒音や排気ガスが電気に比べ多いことが難点と言えるでしょう。
ランニングコストが低い「ディーゼルエンジン」
「ディーゼルエンジン」は、軽油を使用するため、ガソリンよりも燃料のコストが抑えられることと、パワーがあることが特徴です。トルクが大きく負荷がかかっても低速回転が効くことで、大きなパワーが出せるのです。
メンテナンスの手間はかかりますが、ランニングコストや、パワーがあることがメリットです。修理代が高いことや、騒音や排気ガスが多いことはデメリットと言えます。
耕運機の基本的な使い方
①エンジンのかけ方~発進
耕運機のエンジンのかけ方は、メーカーやタイプにより異なります。ここでは、基本的なエンジンのかけ方の流れを説明します。
1.燃料の確認(クラッチレバーは切にしておく・主変速レバーをニュートラルにする)
2.燃料コックを開ける
3.チョークレバーを始動時に合わせる
4.スロットルレバーを高に合わせる
5.メインスイッチを押しながら運転に合わせる
6.リコイルスターターハンドルを握り、引っ張る
(エンジン始動後にリコイルスターターハンドルを戻す)
7.エンジンが始動したらチョークレバーを運転に合わせる
以上が基本的なエンジンのかけ方になります。詳しくは説明書に記載された方法を確認するか、説明書が手元にない場合は、メーカーサイトで説明書をダウンロードできる場合がありますので確認することをおすすめします。
②前進・変速・旋回
スクラッチを「入」にしてゆっくり前進します。リアロータリータイプの耕運機の場合は、前側にタイヤがあるのでハンドル部分を少し持ち上げると前進しやすくなります。
旋回するときの手順は
1.主クラッチレバーを切り停止し、アクセルレバーを「低」に合わせる
2.レバーを「旋回」に合わせ、ハンドルを下ろす
3.主クラッチレバーを握りながらハンドルを持ち上げ旋回
4.移動後にハンドル高さを戻し、アクセルレバーを「高」に合わせる
5.レバーを「直進」位置にして主クラッチレバーを握り作業を再開
以上が旋回の基本的な動作手順ですが、メーカーやタイプによって操作方法は異なります。
主クラッチから手を放してから、変則レバー「低速」「高速」「後進」に動かすと変則が可能になります。耕運機は前進を前提としていて、バックやターンは得意ではありません。事故防止のために「後進」はなるべく使わないほうが無難といえます。
使い方を誤ると事故につながる危険性があります。また、急発進や、急旋回などでバランスを崩して転倒する場合があるので、操作に慣れるまでは注意が必要です。
③土を耕す
回転刃が後方にある耕運機の場合は、ハンドルを少し押し下げます。そうすることで、後方の回転刃が土に刺さりやすくなります。耕運の深さを調節するときには、ハンドルを上げたり下げたりすることで調節が可能です。
ポイントはゆっくりと(低速)押しながら耕運します。速く進むと回転爪がしっかりと土に入る前に進んでしまうからです。固い土やパワー不足の耕運機は、再度耕運すると深くできます。
機種によってはアタッチメントを取り付けて,、畝(うね)立てや整地といった作業が可能です。アタッチメントがある場合は、「はねあげヒッチ」により、ワンタッチでアタッチメントが上がり、取付・取外しが容易にできます。
アタッチメントの有無は機種の仕様により異なります。例えば、抵抗棒を回し畝立てが簡単にできる仕様である場合や、畝立て用アタッチメントが別に必要になる場合があります。使用前には耕運機の仕様をしっかり確認しましょう。
こんなときどうする?上手に使うコツ
エンジンが始動しない
手順通りにしたのにエンジンが始動しない場合は、いくつかの原因があります。まずは、燃料や、変則レバーがニュートラル状態かを確認して、再度手順通りエンジンを始動しましょう。それでも始動しない場合の原因は、以下のようなものがあります。
長期間使用しなかった場合に考えられる原因は、燃料タンク内の燃料の変質・燃料タンクがサビている・バッテリー上がり・ヒューズ切れなどです。燃料は長期間使用しない場合には劣化してしまいますので、抜いておくなどの対策が必要です。
このほかに、プラグの燃料かぶりやキャブレターの詰まり、エンジンの焼き付きなどが原因となる場合があります。
また、点火プラグが濡れた状態だと、エンジンがかかりにくくなる場合もあります。キャブレターが詰まらないように定期的な掃除が必要です。エンジンが焼き付く前に正しいオイル交換を行いましょう。
以上挙げたように、定期的なメンテナンスや掃除をすることで改善できる場合があります。詳細は以下の関連記事を参照してください。
関連記事
耕運機のエンジンがかからないときの原因を解明
土が硬く、耕運機が前に進みすぎる
土が固い場合には、まず1回目の耕運作業で土の表面をほぐします。次からは深く耕運作業ができます。焦って1度に済ますより、繰り返し耕運作業をする方が効率的な場合があります。
また、ハンドルを押し下げ、抵抗棒に耕運機の重さをかけることも重要です。重量がかかることでロータリーがしっかりと土に入るので、進みすぎを防げます。
土が柔らかく、深く食い込んで前に進みにくい
耕運機が進みにくい場合は、ハンドルを上げ気味にしてみましょう。土が柔らかい場合は、抵抗棒を調整することが重要です。
このように、進み具合はハンドルを上げ下げすることと、抵抗棒の調整で改善できます。耕運作業前には、抵抗棒の操作方法を確認しておきましょう。
うまく旋回できない
耕運機の旋回操作は、ハンドルを持ち上げ自分が大きく回り込むイメージです。つまり、押し回さずに耕運機の中心軸から自分が回り込みます。耕運機ごと回ろうとすると大回りしてしまうので、次に耕運したい場所からずれてしまいます。
ずれた場所から戻そうとして、ロータリーが土に埋まった状態から抜け出すのに苦労します。
買い替えるなら中古農機具の買取&販売店へ
耕運機を正しく使うと、効率的に畑を耕すことや、事故を防ぐことができます。それでもどうしても自分の田んぼや畑に合わないという場合は、買い替えする方法があります。不要になった耕運機を農機具専門に扱っている業者に買い取ってもらうのです。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。