トラクターが1台あると農作業が効率よくできます。トラクター自体は馬力のある乗り物ですが、トラクターだけで農作業ができるわけではありません。トラクター用のアタッチメントを付け替えてはじめて、さまざまな農作業に使うことが可能になるのです。
アタッチメントは使用する農地や目的によってふさわしいものが異なります。まずは、アタッチメントそれぞれがどのような作業ができるのかを知りましょう。
その上で使用目的をはっきりさせると、正しいアタッチメント選びができます。
この記事では、アタッチメントを選ぶときのポイントまで詳しく説明するので、ぜひ参考にしてください。
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トラクター用アタッチメントを選ぶときのポイント
アタッチメントを使う目的は?
必要なアタッチメントは目的により異なります。まずは、どのような作業がしたいのかを整理しましょう。田んぼ専用、畑専用、田んぼと畑両方で使用する場合など、シーンによってそれぞれ異なってくるからです。
例えば「畑を耕す」作業目的で使用するアタッチメントには、サブソイラーがあります。サブソイラーは、固くなった土を砕いて柔らかくし水はけをよくします。土を柔らかくすることで、通気や水はけがよくなり、作物に養分が行き渡り、根がよく伸びるようになるのです。
このように使用目的をはっきりとさせることは、アタッチメント選びでとても重要なことです。
手持ちのトラクターは2点リンク?3点リンク?
トラクターのアタッチメントを取り付ける装置として、主に2点リンクと3点リンクがあります。2点リンクは、アタッチメントの左右にリンク(ロアーリンク)が付いており、20馬力未満の小型機種や旧型の機種に多く見られます。
3点リンクは、左右のロアーリンクと中央上部にトップリンクがあります。大型機種や最近の機種はこのタイプが多いため、市場シェア率が高い傾向にあります。3点リンクの方が、アタッチメントの種類が豊富で、欲しいタイプが見つけやすいのです。
また、3点リンクの中には「標準」と「特殊」があります。標準は、トップリンクが長く中折れしますが、特殊は、三角金具がありトップリンクが短く中折れすることが大きな違いです。3点リンクの仕様はメーカーによって異なるので、それぞれ確認が必要です。
馬力・重量に合わせたアタッチメントを選ぼう
手持ちのトラクターの馬力や重量に合わせたアタッチメントを選ぶ必要があります。馬力が小さ過ぎると思うように作業機械を動かせない可能性があるからです。反対に、馬力が大き過ぎると作業機械を傷つける可能性があります。
トラクターにアタッチメントを取り付けると、重心のバランスが大きく変化します。バランスが崩れることで、重大事故に繋がる危険があります。一般的にトラクターの前方には総重量の20%程度の重りが必要です。
農作業する場所によっては、粘土質で想定より馬力が必要になる場合があります。一般的には30馬力前後のトラクターに需要があります。3点リンクでアタッチメントの種類が充実していることや、馬力があり粘土質の作業も可能だからです。
ただし、最終的にはメーカーによって適合するアタッチメントが異なるため、メーカーごとに確認するのが一番です。
トラクター用アタッチメントの種類
アタッチメントの種類は、使用する農地や目的によって非常に多岐に渡ります。アタッチメントの中でもここでは主な種類を紹介します。
畑を耕す「ロータリ」「プラウ」
農作業の代表である「畑を耕す」にはロータリーとプラウが一般的に知られています。大きな目的は同じですが、それぞれに違いがあります。
ロータリーの特徴は耕運するための爪が並び、回転させて土を耕すことや、土を整地することです。ロータリーの作業用途は幅広く、固い土を砕き、雑草も粉砕することもできます。粉砕した土はロータリーカバーで飛散を防ぎ、整地します。
肥料を畑に散布してかくはんし土にいきわたらせることや、畝(うね)を平らに整地することにも使用できます。ロータリーが土を耕す深さの目安は20cmまでで、高低差が少ない場所に適し、土を細かくすることが可能です。
プラウは、農作業で土を掘り起こす鋤(すき)の働きをします。すき先が土に深く刺さり土を持ち上げ天地返しが可能です。
ロータリーより土に深く刺さり、鋤こむ働きや乾土効果はプラウの方が優れていますが、土を粉砕する作業はロータリーが優れています。また、土が横に流れてしまうため、あとで埋め戻しや整地作業が必要になります。
このように、土の状態や目的によって使い分けが必要です。
畑の畝作りに役立つ「畝立て」「マルチ」
ロータリーに接続して使用する「畝(うね)立て」と「マルチ(マルチャー)」の2種類のアタッチメントについて説明します。
畝立ては作物の育成に欠かせません。土が高く盛られ作物のスペースとして独立したスペースがあります。その盛り上がった部分を畝といいます。畝作りは作物生育に良いだけでなく畝ごとの作物管理が可能です。
しかし、広い面積の農地に何列もの畝作りを鍬で手作業ですることは困難です。このような農作業は、畝立て専用アタッチメントを接続すると効率的できれいに仕上がります。
ロータリに後付けするタイプと専用ロータリがあります。畝の形状は収穫する作物によって異なり、アタッチメントの種類もさまざまな形状から選ぶことが可能です。
マルチは、マルチ張りに欠かせないアタッチメントです。トラクターでのマルチ作業とは、畝(うね)をビニールなどで覆うことをいいます。作物の種類や畝の形によってさまざまな種類が選べます。
田植え前の代かきや畑の整地には「ハロー」
代かきは、田んぼに水を張り、土を混ぜたり、砕いたりして表面を平らにする作業です。代かき専用のアタッチメントをハローといい、ドライブハローやウィングハローなどがあります。
ハローがない場合は、トラクターのロータリーを代かきとして代用が可能です。ハローの使用と、ロータリーの使用の違いやそれぞれのメリット、デメリットを説明します。
ハローを使用するメリットは、土を細かく砕き、切りワラなどを鋤こみする能力に優れていることや、速くきれいに平らに仕上げられることです。デメリットは使用頻度が低く、代かき以外には使えないことがあげられます。
ロータリーを使用するメリットは、トラクターがあれば新たに購入する必要がないのでコストを抑えられることです。デメリットは専用の代かき機に比べるとワラなどの鋤こみする能力が劣ることがあげられます。
それぞれのメリット・デメリットがあるので用途に応じて使い分けが必要です。
田んぼの畦(あぜ)塗りには畦塗機が必須
畦塗りは、田んぼ周りの壁に出来た穴やすき間に田んぼの土を塗り、水が流れ出さないようにすることです。田んぼの畦塗り作業は田植え前には必須ですが、大変重労働です。
トラクターは馬力があるので、専用のアタッチメント装着すると畔塗りに威力を発揮します。アタッチメントは、畦切り用の爪が回転して、古い土を上から下に粉砕しながら削り、その土を押しつけ頑丈な畦ができるのです。
トラクターが畦塗りをすると、重労働から解放されると同時に粉砕された土ですき間のないきれいな畦に仕上げることができます。
肥料をばらまく「ブロードキャスター」「マニュアスプレッダー」
たい肥はマニュアスプレッダーを使用しますが、たい肥の種類や用途、散布範囲によって使用する型が異なります。
肥料にはブロードキャスターが使用され、水分の多い肥料には不向きです。ブロードキャスターの中でも散布方式にはスピン式(回転式)とフリッカ式(振動式)があります。
肥料やたい肥の種類、散布範囲などによってそれぞれ違いがあるので、必要なアタッチメントを選びましょう。
種まきや移植に「プランター」「田植え機」など
畑で種まきに使う「プランター」の役割を持つアタッチメントもあります。
「植付機」「シードドリル」など、プランターの中にもさまざまな種類が存在します。芝やニンニクなど、特定の植物専用のプランターもあります。
種まきは、農作物によって植付に向いた方法が異なるため、撒き方や土のかぶせ方など作物に合ったアタッチメントを選びましょう。
苗を植えるのに「田植え機」が使用されます。田植えの負担を大幅に軽減する機械です。田植え機は単独で使うものと、トラクターに接続できる専用アッタッチメントがあります。田んぼの規模に合っている、手持ちトラクターに接続可能などの条件をクリアすればコストを抑えることが可能です。
移植機は苗を移すためのアタッチメントですが、田植え機で代用が可能です。移植機は収穫する作物によってさまざまな種類があります。
このようにアタッチメントの種類は複数あります。それぞれ使用目的に合ったものを選びましょう。
作物管理で重要な中耕除草に「カルチベーター」
「カルチベーター」は土壌や作物の管理をする機械の一種です。カルチベーターを使用し、根ぎわの土を浅く耕すと、肥料の吸収が良くなります。この作業を行うと、除草を兼ねるので中耕除草ともいいます。
作物は除草をしないと土壌の栄養分が作物に十分いきわたりません。早めの雑草対策が必要ですが、農地が広いと手作業では困難です。カルチベーターを使用するタイミングは、雑草の根が張ってしまう前がベストです。
雑草は成長が早く、カルチベーターで浅く耕すと草の根が張ってしまい、取り切れなくなってしまうためです。
収穫作業にもアタッチメントが活躍!
収穫機は、大きく根菜類、葉菜類の2つに分けられます。根菜類で代表的なじゃがいもなどを収穫する際、多くは土ごと掘り、作物と土をふるい分けます。葉物類のネギやほうれん草などを収穫する際、多くはバリカン状の刃で刈り取って収穫します。
ただし、すべての作物に使用できるわけではありません。収穫機で収穫できる作物は少なく、作物ごとに必要なアタッチメントが異なります。
重いもの運びに活躍「トレーラー」
トレーラーは、コンバインや収穫した作物など、重いものを運ぶのに使います。トラクターとトレーラーを混同する人も多いのではないでしょうか。しかし、トラクターとはけん引する車であり、トレーラーとはけん引される車のことを指します。
つまり、トレーラー単独では公道を走行できないので運搬できませんが、トラクターと併用することで、その動力で運ぶことが可能になるのです。
トレーラーのサイズは大小さまざまです。トラクターの大きさや用途によって選びましょう。
アタッチメントをお得に購入するために
農作業で必要なアタッチメントをいくつか紹介しました。用途に応じてさまざまなアタッチメントがあります。その中で、自分に必要なアタッチメントが見つかったら、まずは中古で探してみませんか。中古販売であればお得に購入することが可能です。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。