農業をやめようと考え、離農という言葉に出会うとき、さまざまな悩みと検討を経ていることと思います。
長年行ってきた農業という仕事を仕舞うことは、簡単ではありません。農地や農機具などの処分も考えなくてはならないし、手続きも色々あって大変です。ですが、適切なタイミングで適切な外部の力を得ることで解決しやすくもなります。
ここでは、離農する際に知っておきたいことについて詳しくまとめました。何を考えたら良いか、何から始めたらいいか決める際の参考にしてください。
農業退職「離農」が増えている
業を続けられなくなった人が増えているのは、高齢化によるといえます。総務省のデータでは、農業就業者の平均年齢が、1995年の59.6歳から2017年には66.6歳となり、約20年間で7歳増えていることがわかります。今後も高齢によるリタイアなどの理由で、農業から離れる人が増えていくことが予想されます。
参照元:「農業労働力の確保に関する行政評価・監視」https://www.soumu.go.jp/main_content/000607884.pdf
離農とは農業をやめること
離農の原因として高齢化を挙げましたが、核家族化などによって農家を継げる子どもが減ってきていることも要因の一つです。体力が落ち農家を継ぐ人がいなくては必然的に農業をたたむことになります。
農家は多くの場合、収穫に向けて投資が必要です。肥料や苗、農機具のメンテナンスや飼料などに借り入れをすることが多く、災害に遭うと継続が困難になってしまうことがあります。つまり次の収穫のための資金が用意できずに、農地を手放さなければならなくなる人もいるのです。
このように、体力、資金力、災害など、離農を考えている人は自分ではどうしようもない事情があることが多いのです。
主な離農の原因:高齢化や支援のあり方の課題
若い世代が地元から離れてしまうと、残された親世代だけで農家を維持していかなければなりません。年をとっていくにつれ、体力的に厳しい現実が降り掛かります。病気で続けることが困難になる場合も出てきます。
農家の後継者として親族がいればそのまま引き継がれていきやすいですが、そうもいかない場合があります。そんな時に新規就農者支援やM&A、事業承継などが注目されています。
新規就農者支援は、農業に興味のある人や農業を始めたいと思っている人を対象に研修制度を設け、決められたステージごとに支援を受けられる制度です。この制度を利用した人を対象とした総務省の調査結果(2019年)があります。2014年に支援制度を利用して研修を受けた新規就農者のうち、なんと約35.4%が離農していることがわかっています。
主な離農の原因は思っていたイメージとのギャップです。就業前にはさまざまな研修が行われています。市町村・JAが開く農業研修や、農業法人で働きながら受けられる研修などがあります。この研修内容には品質のばらつきが多く、思ったように学べなかった人もいるようです。これらは今後研修体制を整えることで防げる可能性もあります。
農業M&Aは会社譲渡や事業譲渡を行い、農地や農業設備といった農業資産の譲渡をすることをいいます。企業や個人がゼロから農業進出を目指す場合や、すでにある農業ビジネスを広げる際に活用され、気軽なマッチングサイトなども現在はあります。
参照元:「農業労働力の確保に関する行政評価・監視」https://www.soumu.go.jp/main_content/000607884.pdf
離農の前にチェック!国の離農対策とスマート農業
日本では食料の自給自足はできておらず、部分的に輸入に頼っています。今後の高齢社会ではさらに輸入の割合が増加していくと予想され、自立的な国家の維持を考えたときに離農は大きな経済損失とみることができます。
この対策として注目される次世代型農業がスマート農業です。スマート農業とは、ロボット技術や情報通信技術(ICT)などを活用していく新たな農業のかたちのことです。労働力を軽減して知識や経験値などを継承するためのノウハウなどをデータ化したり、管理するシステムを構築することで効率的に農業を実践していけます。
補助金の活用も検討してみましょう。主に後継者がいないなどの理由で継続が困難になっている農家を含む中小企業を対象に「事業承継・引継ぎ補助金」や「再チャレンジ支援」があります。
現在の自分の状況や将来像にあった補助金や支援を、ぜひ探してみてください。
参照元:「事業承継・引継ぎ補助金」 https://jsh.go.jp/
離農後の農地を活用しよう!農地転用と活用例
離農で農地転用を行う際は、農地法により「許可申請書」を自治体に提出しなければなりません。面倒なことではありますが、2013年度から荒廃農地が増えたことにより遊休農地対策が強化され、手続きは簡素化されています。
農地以外に転用できないよう指定された農業振興地域内の農地であっても、詳しく確認をしてみてください。条件を満たすことで転用できる場合もあるからです。
農地転用の例としては、アパート、一軒家、駐車場、資材置場などさまざまあります。
農地として引き続き活用されることを望む場合は「農地バンク」や、遊休農地活用で給付金を受給する選択肢もあります。
参照元:「遊休農地対策について」https://www.maff.go.jp/j/keiei/koukai/yukyu.html
参照元:「機構集積協力金の概要」 https://www.maff.go.jp/tohoku/keiei/hito_nouti/attach/pdf/index-14.pdf
離農の手続き方法と手順
「廃業届」の提出方法と廃業の流れを知ろう
市町村役場で廃業手続きを済ませたら、廃業するときの「個人事業の開業・廃業等届出書」を管轄している税務署に届ける必要があります。税務署に届けることで廃業をしたことが税務署で把握され、今後事業所としての税金を払う必要がなくなります。
個人事業主の廃業日には注意が必要で、廃業した日から1か月以内に廃業届を届け出ることになっています。青色申告をしていたなら、廃業する次の年の3月15日までに「所得税の青色申告の取りやめ届出書」をあわせて提出しておく必要があります。
負債額が多い場合には破産手続きを行います。破産すると所有する資産(農地、農機具など)の計算をして、負債についての精算手続きを行うようにしてください。その時には農機具や農地といった財産を債権者に引き取られることになります。
以上のように廃業自体は複雑な手続きは必要ありませんので、安心して一つずつ終わらせていくことができるでしょう。
参照元:「[手続名]個人事業の開業届出・廃業届出等手続」 https://www.nta.go.jp/taxes/tetsuzuki/shinsei/annai/shinkoku/annai/04.htm
使わない農業機械を処分するには
廃業する際は、各種手続きのほかに農機具等の処分も必要です。中には長年大事にしてきた農機具を手放すことに抵抗を覚えるなど、複雑な思いがあることでしょう。
廃棄する場合は小型特殊自動車として登録してある農機具のナンバープレートを市町村役場の税務課に持っていきます。この手続きを忘れてしまうと、毎年税金がかかってしまうので注意しましょう。
ナンバープレートを処分した後は、農機具の処分方法を選ぶだけです。
捨てるはずの農機具をお金に!便利な買取査定
長年使ってきた農機具を処分するなら、なるべく高く売る、あるいは大事に使ってくれる人に譲りたいものです。
農機具は基本的に高価なため、中古で買いたい人は多くいます。捨てるとなると処分費用がかかることがあるので、まずは農機具の買取業者で無料査定をしてもらいましょう。
買取査定の手順と流れをチェック
買取査定をスムーズに進めるために、業者への相談前に所有している農機具の種類、メーカー、モデルを調べましょう。相見積もりをするにせよしないにせよ、それらを知ることで目安の金額がわかり、買い叩かれる不安が軽減できます。
買取の査定依頼するときは、まず電話かWebなどで無料の買取見積依頼あるいは出張査定の依頼を出します。電話かメールで見積もりを出してくれるところだと、その後見積結果が伝えられます。相見積もりを出す場合はその数値が参考になりますが、細かく実際の状態をみてくれるわけではないので、あくまで参考です。
出張査定の場合は実際に来てその場で農機具の状態を確認し、額を詳しく出してくれます。
納得のいく金額だったら買取してもらいましょう。出張査定のメリットは、その場で引き取りしてもらえるケースがあることです。
査定価額を上げるための準備をしよう
査定の際には、専用のパーツや書類などがあるなら準備しておくと良いでしょう。紛失したままだと、せっかくの買取の機会を損失してしまいます。
機械類は雨ざらしや直射日光は避けて、なるべく屋内に保管していると劣化も少なくなります。そのような環境がない場合は、シートをかぶせるなどして劣化を少しでも減らしましょう。
傷や汚れはなるべくきれいな状態にして、修理が出来るなら事前に済ませた方が査定額は上がります。ただし外部に修理依頼するとお金がかかるので、おおよその見積もりを出してもらってから検討した方が良いでしょう。
離農で農機具を売るならまずはあぐり家へ相談を
もう使わない農機具は、できれば必要な人に使ってほしいものです。自分でオークションやフリーマーケットを活用する方法もありますが、機械ものは専門業者に依頼しましょう。業界のネットワークや専門の知識があるため、高値で買い取ってもらえることも期待できます。
大切にしてきた農機具だからこそ、信頼できる業者に相談したいものです。あぐり家では農機具修理・販売店で、業界ネットワークを活用し、適正価格での高価買取を実施しています。プロ整備士も在中しており、20年以上の古いもの・壊れているものでも買取可能です。
特定の農機具のみを査定し買い取るのではなく、倉庫丸ごと査定して、使わない機械を全て見積もりした上で引き取ってもらえるのもポイントです。
具体的にどのような機械がやりとりされているかは、実際にサイトを見るとわかります。どんな機械が高値になっているのか、ぜひ見てみてください。
LINEや電話で気軽に相談できるので、まずは連絡をしてみてはいかがでしょうか。
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株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。