農作業にグラウンド清掃にと、短時間でパワフルに草を刈り取ってくれる草刈り機ですが、エンジントラブルに見舞われるケースも少なくありません。多くは「エンジンがかからない」「エンジンがすぐ止まってしまう」といったものです。急なトラブルに焦ったことがある人もいるでしょう。
まずは原因を究明し、できる範囲で対応してみましょう。エンジンがかからないときの対処法、正しいメンテナンス法を知っておくと長く使い続けることができます。
この記事では、トラブルがあった際のエンジンのかけ方と対策、ガソリン式の草刈り機の特徴や注意点、グリスアップの方法など広く解説します。
草刈り機の基本構造とエンジンのかけ方
エンジン式の草刈り機は作動方式の違いから「2サイクルエンジン」と「4サイクルエンジン」に分けられます。ガソリンとエンジンオイルを燃料に、シャフトと呼ばれる長い棒の先についた円形の刃を高速回転させる仕組みです。
使用する前には燃料が適量入っているかどうか確認しましょう。それから正しい手順でエンジンをかけます。
プライマリーポンプを何度か押してエンジンまで燃料を送ってから、スターターのヒモを引っ張る、というのが基本的なエンジンのかけ方です。
なお、エンジンの後ろにあるチョークは始動性を高めるためのものです。エンジンがかかったら必ずチョークは閉めましょう。
草刈り機(刈払機)のエンジンがかからない原因と対策
メンテナンスが行き届いていないと、草刈り機にはエンジントラブルが発生します。必要な時にエンジンがかからずに困ってしまい、対処法に悩む人も少なくありません。いくつかの主要な原因を、対策とあわせてご紹介します。
エンジン燃料が原因の場合
燃料が古くなっている場合、エンジンがかかりづらくなります。変なニオイがしたり、色が変わっていたりするときには使用を中止しましょう。燃料の保存期間は意外と短いものです。使用期間として推奨されるのは1か月から3か月ほど。適切なタイミングで燃料交換をして作動するか確かめましょう。
保存方法にも気をつけ、直射日光の当たらない場所で管理してください。草刈り機の使用後、タンクに燃料が残った状態で放置するのも故障の原因になります。数日間使う予定がなければ、一度タンクから燃料を抜いておくと安心です。
入れる燃料を間違えてしまったために、エンジンがかからなくなったケースもあります。2サイクルエンジンには混合ガソリン、4サイクルエンジンにはガソリンのみをタンクに入れます。混合ガソリンは配合割合にも十分注意が必要です。
燃料を使うタイプの草刈り機に関しては、後ほど詳しく解説します。
オイルの沈殿が原因の場合
エンジンオイルは時間が経つにつれ粘り気が出て、「キャブレター」と呼ばれる部品に支障をきたします。燃料と空気を混ぜる役割を果たすキャブレターにドロドロとしたオイルが詰まってしまうと、当然ながらエンジンはかかりません。
詰まってしまったらキャブレターを分解してきれいにする必要があります。年に1度はオイル交換をすると良いのですが、交換時にも注意点があります。オイルが多すぎると逆流してエンジン故障の原因となるのです。傾けずに水平状態で、適量を入れるようにしましょう。
燃料かぶりが原因の場合
草刈り機には「スパークプラグ」と呼ばれる部品がついていて、火花を散らして燃料に火をつける仕組みになっています。スパークプラグに燃料がかかり濡れてしまっていると、点火できずエンジンがかかりません。この状態を「燃料かぶり」といいます。
燃料かぶりはチョークの使用方法が間違っているときに起こるトラブルです。チョークを閉めた状態でリコイルスターターを何度も引くと、スパークプラグに燃料がかぶってしまいます。対処法としてはプラグ交換が考えられますが、掃除で解決できるケースも多くあります。
きれいにして乾燥させるため、まずはスパークプラグを専用のレンチで取り外しましょう。繊維が付いてしまうティッシュ・紙類の使用は控えて、乾いた布で燃料を拭き取ってください。ブラシを使うのもおすすめです。
汚れが原因の場合
知らず知らずのうちに、草刈り機の内部には汚れが蓄積しています。例えば、前述のスパークプラグ、燃料かぶりが起きていなくても燃えカスのカーボンは避けられません。カーボンに覆われてしまっても着火しづらくなるので、こまめに点検と掃除を行うようにしましょう。
吸気口・マフラーも汚れがたまりやすく、詰まってしまうとエンジンがかかりません。オイルの燃えカスが主な原因となるため、2サイクルエンジンの草刈り機でよく見られるトラブルです。取扱説明書に沿ってきれいにしましょう。
燃料を入れっぱなしで長期間使わずに放っておくと、燃料タンク内にサビ汚れが発生します。外で雨ざらしになったときには特に注意しましょう。ガソリンをタンクから抜いて、クリーナーを使ってサビを取ってください。
マフラー詰まりが原因の場合
マフラーが詰まってエンジンがかからなくなった、という事例もよくあります。内部でカーボンが固まってしまうと、ガスバーナーでしっかりと焼いてはがし落とさなければなりません。危険を伴うので、慣れない人は無理をせずに修理に出してください。
排気ができているかどうかは簡単にチェックできます。リコールスターターを引いて、マフラーに手をかざしてみましょう。詰まりが確認できなくても定期的な掃除はしてくださいね。しつこい汚れとなる前に手を打っておくのが良いでしょう。
マフラーが詰まると、スパークプラグなどほかの部品にも影響が出てきてしまいます。質の高い混合ガソリンを選ぶとカーボンが溜まりにくくなるのでおすすめです。燃料を変更することも検討してみましょう。
エンジンがかかってもすぐ止まる場合
エンジンが止まってしまうのなら、「キャブレター」か「燃料タンクキャップ」のどちらかに原因があると考えられます。キャブレター詰まりは分解してきれいにする、という方法をすでにご紹介しました。
燃料タンクキャップのせいでエンジンが止まる、というのは少しイメージしづらいですよね。実はキャップの内側には内圧を調整する「ブリーザー」という部品がついています。空気の通り道がふさがっている可能性があるので、小さな空気孔を見つけて針で詰まりを取りましょう。
草刈り機(刈払機)を手放すなら買取査定に依頼するのがベスト
エンジンがかからない原因や対策について解説してきましたが、自分でできることには限界があります。作業に慣れていない人は安全性も心配ですよね。プロに修理をしてもらったり、買取に出したりといった方法もあるのでご紹介します。
草刈り機を修理に出すなら草刈り機を扱う農機具店に相談
「草刈り機の修理ってどこに頼めばいいの?」と悩む方におすすめなのは農機具店です。修理に必要な部品がたくさん用意されていますし、何より専門知識を持っているのでスムーズなやりとりが望めます。
ホームセンターも考えられますが、その場で修理してもらえるわけではありません。一度別の場所に送られることになるので、当然ながら時間も費用もかかります。やはり、草刈り機を扱っている農機具店に相談するのが間違いないでしょう。
草刈り機を購入した店舗またはメーカーの下取りに出す
修理ではなく下取りとなると、購入店舗やメーカーへ依頼することになります。いずれにしても自宅まで古い草刈り機を取りに来てくれるので、処分にかける労力は必要ありません。買い替えを決めているときにはぜひ利用したいサービスです。
注意しておきたいポイントもあります。ひとつは下取りに対応していないメーカーもあること、もうひとつは下取りできる条件が決められているケースが多いことです。買取に比べるとつけてもらえる値段も低いのですが、悩まずに手放せるのは魅力です。
草刈り機を廃棄処分をするなら市区町村に確認する
所有している草刈り機が故障している場合は、廃棄処分してしまうのも選択肢のひとつです。代表的な処分方法として挙げられるのは粗大ごみで、壊れていても気にすることなく格安で捨てることができます。
ただし、粗大ごみの取り扱いは自治体によって違うので要注意です。特にエンジン式の草刈り機は、燃料・オイルを抜いておくことが必要となったり、種類によっては処分ができなかったりといったケースもあります。必ず自治体に確認をとりましょう。
草刈り機の査定・買取してもらうなら農機具専門買取業者へ
使わなくなった草刈り機は「買取」をしてもらうことができます。買い取ってもらうなら、リサイクルショップよりも農機具専門買取業者の方が断然おすすめです。やはり専門知識がある分、赤字にならないギリギリのところまで価格を引き上げてくれることもあります。
故障しているから、あるいは古すぎるから処分するつもり、という人にも専門業者での買取は適しています。「農機具ランドあぐり家」にはプロの整備士がいるため、壊れているものでも買取が可能です。20年以上前の古い製品についても相談することができます。
あぐり家はもともと農機具の修理・販売を行っていました。適正価格での買取ができるよう、培ったノウハウ・業界ネットワークで商品価値をしっかりと調査しています。独自の販売ルートも持っており、特に「トラクター」「耕うん機」は需要が高いため、高価買取実施中です。
出張査定に費用は一切かかりません。「長年使っていない」「壊れているから処分したい」、そんな草刈り機を持っている人からのご相談も大歓迎です。
燃料を使う草刈り機の特徴
燃料を使う草刈り機は、主に2種類に分かれます。
・4サイクル式(ガソリン)
・2サイクル式(混合燃料)
それぞれの草刈り機タイプで対応燃料が違うため、間違わないよう注意が必要です。それぞれの仕組みと特徴を簡単に紹介します。
4サイクル式(ガソリン)
4サイクル式は燃料にガソリンを使います。燃費効率がよくパワフルなので、安定した使いやすさと馬力があるのが特徴です。一方で出力が大きい分、草刈り中に何かに接触すると大きな事故につながるおそれもあります。
また内部構造としては、2サイクル式と比べてみると、バルブやオイルパンといった部品が付いています。そのためメンテナンスの点で手間がかかります。
2サイクル式(混合燃料)
草刈機の大部分は混合燃料を使用していて、2サイクル式の形をとっています。混合燃料とは、ガソリンとエンジンオイルが混ざったものです。混合ガソリンとも呼ばれます。
2サイクル式の草刈り機はオイルパン・オイルポンプがないため、燃料にオイルを混ぜ込んでおく必要があり、構造上の問題で混合にしているということになります。
また、排気バルブがないため、排気ポートが開きっぱなしの状態です。結果、排気ガスに未燃焼ガスが混ざってしまうため、環境や健康には優しくありません。
燃料を使う草刈り機の注意点
燃料タイプの草刈り機を所有するなら、以下の注意点を理解して日々取り扱いやメンテナンスを行うとよいでしょう。
長期保存はできない
燃料は長期保存に向いていません。ガソリンや軽油など石油系の燃料は時間がたつと劣化します。場合によっては内部で詰まってしまうこともあり得ます。草刈り機を1週間以上使わないとわかったら、燃料を抜き出すか使い切るかでタンクを空にしましょう。
燃料によって、接触部分が溶けたり詰まったりする可能性もあります。また、機械から燃料が漏れてしまった場合、果菜の下遠因にもなりかねません。長期保存前には必ず燃料を抜いて保存を徹底しましょう。
なお、燃料を抜くときは残った燃料をすべて燃焼させるため、エンジンを始動させ、キャブレター内に残った燃料までなくなるようにします。
劣化した場合は見極めて対応
もし燃料を入れたまま放置してしまったら、その劣化具合をチェックします。まず前提として、劣化した燃料は故障の原因となるため使わず捨てるようにします。
劣化した場合の特徴として、においや色が変わります。成分が揮発して粘度が高くなるのも特徴です。いずれかの特徴がみられた場合は、燃料の廃棄を検討しましょう。
燃料を取り違えない
燃料を間違えると最悪の場合故障に至ります。具体的には、2サイクル式の草刈り機にガソリンを入れてしまうと、オイル分がないのでエンジンに焼き付きが起こります。白煙が立ちのぼる場合もあります。焼き付きが起こると故障して動かなくなるケースがあり、深刻です。
また、自作して混合燃料を作る場合、間違った配合や間違った原料を使ってしまうとこれも故障の原因になります。
草刈り機の燃料トラブル時は無理して自己対処しない
先ほど使用する燃料は間違えないように気を付けるべきと説明しましたが、もし間違ってしまったら専門店に連絡しましょう。購入した店やメーカーでも問題ありません。まず知識に自信がなければ、自分で何とかしようとする前に専門家を頼りましょう。
また、間違った燃料でも少し使用し、その後気づいて何かトラブルが起こる前に使用をやめた場合も放置は禁物です。今後どのタイミングかで不具合が起こることもありうるので、まずは相談するようにしましょう。
草刈り機のグリスアップの方法と頻度
草刈り機は仕組み的に摩擦が起きやすい構造になっていて、可動部であるギアケース内部へのグリスアップは欠かせません。グリスアップせずに使用し続けてしまうと、可動部の油膜が熱で蒸発してなくなり、摩擦が激しくなります。最終的にギアケースの中の温度が上がりすぎ、焼き付きにつながります。
グリスアップすべきか確認する場合は、ギアケースの中を見て空になっていないかチェックします。頻度の目安としては20時間から50時間程度の使用でグリスアップです。頻繁に草刈り機を使うならグリスアップの頻度も上がるので、忘れないようにグリスアップの習慣化が必要です。一度に大量に入れすぎてしまうのもトラブルの原因になるので、適量を頻繁に入れるようにするのが無難でしょう。
草刈り機を修理に出すなら草刈り機を扱う農機具店に相談
「草刈り機の修理ってどこに頼めばいいの?」と悩む方におすすめなのは農機具店です。修理に必要な部品がたくさん用意されていますし、何より専門知識を持っているのでスムーズなやりとりが望めます。
ホームセンターも考えられますが、その場で修理してもらえるわけではありません。一度別の場所に送られることになるので、当然ながら時間も費用もかかります。やはり、草刈り機を扱っている農機具店に相談するのが間違いないでしょう。
草刈り機を購入した店舗またはメーカーの下取りに出す
修理ではなく下取りとなると、購入店舗やメーカーへ依頼することになります。いずれにしても自宅まで古い草刈り機を取りに来てくれるので、処分にかける労力は必要ありません。買い替えを決めているときにはぜひ利用したいサービスです。
注意しておきたいポイントもあります。ひとつは下取りに対応していないメーカーもあること、もうひとつは下取りできる条件が決められているケースが多いことです。買取に比べるとつけてもらえる値段も低いのですが、悩まずに手放せるのは魅力です。
草刈り機を廃棄処分をするなら市区町村に確認する
所有している草刈り機が故障している場合は、廃棄処分してしまうのも選択肢のひとつです。代表的な処分方法として挙げられるのは粗大ごみで、壊れていても気にすることなく格安で捨てることができます。
ただし、粗大ごみの取り扱いは自治体によって違うので要注意です。特にエンジン式の草刈り機は、燃料・オイルを抜いておくことが必要となったり、種類によっては処分ができなかったりといったケースもあります。必ず自治体に確認をとりましょう。
草刈り機の査定・買取してもらうなら農機具専門買取業者へ
使わなくなった草刈り機は「買取」をしてもらうことができます。買い取ってもらうなら、リサイクルショップよりも農機具専門買取業者の方が断然おすすめです。やはり専門知識がある分、赤字にならないギリギリのところまで価格を引き上げてくれることもあります。
故障しているから、あるいは古すぎるから処分するつもり、という人にも専門業者での買取は適しています。「農機具ランドあぐり家」にはプロの整備士がいるため、壊れているものでも買取が可能です。20年以上前の古い製品についても相談することができます。
あぐり家はもともと農機具の修理・販売を行っていました。適正価格での買取ができるよう、培ったノウハウ・業界ネットワークで商品価値をしっかりと調査しています。独自の販売ルートも持っており、特に「トラクター」「耕うん機」は需要が高いため、高価買取実施中です。
出張査定に費用は一切かかりません。「長年使っていない」「壊れているから処分したい」、そんな草刈り機を持っている人からのご相談も大歓迎です。
草刈り機を長く使うためにはお手入れが重要
草刈り機は鋭い刃がついた機械ですから、使用に最大限の注意を払うとともにメンテナンスを大切にしないといけません。正しいメンテナンスをすれば草刈の効率も上がり、とても長く使えます。メンテナンスの基本は「点検」と「掃除」です。
エンジンの動力をブレードに伝えるギアケースには回転軸があり、潤滑剤である「グリス」が欠かせません。グリスは使っているうちに蒸発していくもので、こまめに注入しないとギアが焼き付いてしまいます。20時間使ったらゴミを取り除いて少しずつ注入してください。
切れ味を左右するブレードの確認も欠かせません。刃の先端にはチップソーが付いているので、つぶれたり鈍くなったりしていたら鋭くしておきます。チップソーを本体から外し、ダイヤモンドヤスリで研ぐ、新品と交換するなどの作業を行ってくださいね。
エンジン部品にも、プラグ・クリーナーエレメント(フィルター)などの消耗品があることをお忘れなく。エンジントラブルに直結するところなので、こまめに掃除を行い、必要があれば交換しておきましょう。
まとめ
草刈り機のエンジンがかからない、となると対応に戸惑う人は多いものです。個人でできる対策も多いのですが、決して無理はせず、安全に行える範囲にしておきましょう。修理をしたいときは農機具専門店に相談してみましょう。
株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。