今回のインタビューは、Instagramキャンペーンコラボをご一緒させていただいているFOODBOX株式会社のCMO/フードカタリストである池田夏子さんです。
池田さんは幼いころから農業・植物に興味を持ち、ミャンマーに農業指導で留学されていたアグレッシブな方!
FOODBOXさんが取り組む「情熱を持った個人・企業が参画する新しい食・農業界のエコシステムの実現」について、池田さんのバックボーンを踏まえながらご紹介します。
- 目次
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- FOODBOXさんに入社されたきっかけは何ですか?
- 池田さんが農業に興味を持った理由を教えてください。
- 約4ヶ月間ミャンマーで農業指導されていたとお聞きしましたが、なぜミャンマーだったのか理由はありますか?
- FOODBOXさんが取り組んでいる事業について教えてください。
- FOODBOXさんが考える自由で開かれた農業経営とはどういったものですか?
- 現在進行中の事業について教えてください。
- FOODBOXさんが目指す伴走型サポートの中で、池田さんが心がけていることはありますか?
- フルマラソンを走られているとのことですが、体を動かすことが好きですか?
- FOODBOXさんとして、今後見据えている事業展開について教えてください。
- 農業は少子高齢化が進み、就農者が減っていますが、池田さんの食・農業界に対する想 いはありますか?
- 最後に、新規就農を目指す方や若手農家の皆様へ、メッセージをお願いします。
FOODBOXさんに入社されたきっかけは何ですか?
大学4年生の時にWantedlyを活用して就活をしていた時、弊社の代表である中村さんが一番最初にスカウトメッセージを送ってくれました。私が海外で農業指導していたことをプロフィールに書いていたので、そこに興味を持ってくださったようです。
ご実家が農家で、農薬メーカーでもキャリアを積まれた経験のある中村さんは、農業現場を生産レベルで理解されており、その上で事業を起こした背景に惹かれました。
インターンとして終わるのではなく、大学4年生の冬に、正社員として入社したい旨を中村さんにお伝えしました。
というのも、私が就職するうえで優先していた2つのポイントがあり、一つ目は大学で専攻した農業系のお仕事をしたいこと、二つ目はその中でも農業現場の実情を把握した会社で働きたいという思いがありました。
なので、自分が働く上での理想像とFOODBOXの取組みがマッチングしたんです。
池田さんが農業に興味を持った理由を教えてください。
同級生の家が農家や漁師などが多く、農業に触れる機会が多かったです。
もともと植物が好きで、小学生の時に参加した農作業体験をきっかけに農業にハマりました。もっともっと植物のことが知りたいと思い、大学では農学部に進学しました。
約4ヶ月間ミャンマーで農業指導されていたとお聞きしましたが、なぜミャンマーだったのか理由はありますか?
ミャンマーへの留学は一度も海外に行ったことがなかったので行きたいと思い、大学ではない外部の農業に触れたいと思ったのが動機です。
ソーシャルビジネスを通じて社会問題の解決に取り組む株式会社ボーダレス・ジャパンのもとで、ミャンマーの小規模農家の収入向上支援事業のインターンに参加しました。
指導というとおこがましいんですが、資金調達から作物収穫までアドバイス・サポートをさせていただきました。
留学した時期は、ニンニク栽培や飼料用トウモロコシの収穫・出荷をしている時だったのですが、流通している種子の品質が悪く、収穫する作物も質・量的は安定していませんでした。
「農家さんにまずは良いものを届けたい」と思い、ミャンマー版JAのような事業の基盤づくりに奔走しました。機械化がまだ進んでいない農業の現状を知れたこと、また携われてよかったです。
FOODBOXさんが取り組んでいる事業について教えてください。
事業は大きく二つに分かれています。
一つ目はフードプランニング事業といういわゆるコンサルティング事業です。農家・企業・自治体・教育機関のもとでサポートさせていただいております。
「それぞれの方がやりたいこと」を実現する事業となっています。例えば販路拡大を希望される農家さんの場合、一緒に営業に周ったり、オンラインショップの運営をまるっと任せて頂いたりしています。
二つ目は新規事業創造です。今注力しているのはオンラインサロンの「#FOODlab」です。
#FOODlab(フードラボ)は食・農業に興味がある方のための月額会員制オンラインコミュニティなのですが、新たな取り組みをサロンメンバーと実践することで、新規事業や新たなビジネスを共創する場を目指しています!
FOODBOXさんが考える自由で開かれた農業経営とはどういったものですか?
新たに農業始めたいなと考える人、企業が自由に出入りできる形を理想としています。
今は、「家業としての農業を継ぐ」場合以外、なかなかハードル低く農業界に飛び込める環境ではないと思います。情熱をもった、個人や企業が、「自分のやりたい形で農業を始められる」ような食・農業界を目指いしたいと考えています。
現在進行中の事業について教えてください。
今進行中の事業では、株式会社松正さんのい草の織物「花茣蓙(花ござ)」のオンラインショップ運営サポートをしています。
花茣蓙とはい草をカラフルに染色して模様を織り込んだラグなんです。以前はto Bのみで百貨店などで取り扱いされていましたが、もっと多くの人に花茣蓙を届けたいというクライアントの想いからオンラインショップでも販売するようになりました。
あとは、農家さんから「農作業記録をもっと簡単にしたい」というお声をいただき、農作業記録を見やすく視覚で把握できるダッシュボードを作成しました。他の農家さんからも「こういうの求めていた」「使いやすい」と評価していただき、ご活用されています。
FOODBOXさんが目指す伴走型サポートの中で、池田さんが心がけていることはありますか?
大事にしている三つのポイントがあります。
一つ目はクライアントにコミットすることです。花茣蓙をオンラインショップで販売するにあたって、い草農家さんのところに出向いてい草の特性を学んだりしました。現場を見ることを心がけています。また、経営計画を立てて終わり、机上の空論で終わりにはせず、実行に移せるようにサポートします。
二つ目は「誠実」であることです。何でもデジタルで解決することはよくない、相手のためじゃないと思っています。「この書類は紙で管理したい」など農家さんがやりやすいベストな方法を見つけるようにしています。
三つ目は先義後利の精神で向き合うようにしています。いきなり最初に利益を求めるのではなく、まずこちらからできることを「Give(提供)」することをモットーにしています。
フルマラソンを走られているとのことですが、体を動かすことが好きですか?
フルマラソンを走ると「何が楽しいの?」とよく言われるんですが、頭を空っぽにできますし、持久力を保てています。マラソンが好きなことと直接イコールになるかは分かりませんが、新しいことをするときの一歩目は出しやすい方だと思います。
FOODBOXさんとして、今後見据えている事業展開について教えてください。
「自由で開かれた農業経営」にも繋がってくるんですが、情熱を持った方や企業が食・農業界に入ってきやすい環境を作りたいです。
エコシステムという言葉を使うとちょっと分かりづらいかもしれませんが、企業の農業参入はフードプランニング事業でサポートしており、これからは参入だけではなく資金調達・農地の確保・販路・消費するところまでサポートすることを理想としています。
勝手な意見ではありますが、農機具を取り扱うあぐり家さんは作物生産する上では欠かせない存在です。食・農業界ですでに活躍されている企業とのアライアンスを進めたり、新規事業を創造したり、そういった形で食・農業界に可能性を持って入ってこれるような環境を作っていきたいと思います。
農業は少子高齢化が進み、就農者が減っていますが、池田さんの食・農業界に対する想 いはありますか?
私自身が小学生の時に体験した農作業のように、若い世代の方が農業に触れられる機会を増やしたいと思っています。そう思ってる方ってたくさんいらっしゃると思いますが、なかなか若い方とマッチングしなかったり、一方通行になりがちだと思うんです。
また、農業は自由に働ける職業だと考えています。農家さんと雇用について「飲食店のアルバイトだとオープン時間に出勤しないといけないなど時間に縛られるけど、農業だと参加できるときに手伝ってもらうこともできるよね」とお話させていただきました。
近い将来、若い方が自分の好きな時間に農業をお手伝いできるような取組みをしたいですね。
最後に、新規就農を目指す方や若手農家の皆様へ、メッセージをお願いします。
いきなり新規就農をするのではなく、異業種でお仕事した後のキャリアで、食・農業界に入ってこられる方は面白い方ばかりだと思います。
新たな発見があると思いますし、外から見て気づくところもたくさんあります。なので、異業種の業界を経験した後に食・農業界に入ることも、1つの選択肢ではないでしょうか。
株式会社K・ライズホールディングス 営業本部
桑原 翔
(Kuwahara Tsubasa)
1987年4月生まれ、趣味はパソコンいじりと音楽全般。専門商社の営業職とSaaS(クラウド)のカスタマーサクセスやマーケティング業務を経て、K・ライズホールディングスに入社。営業本部所属で、主に「國丸」「あぐり家」「RiZ」を担当し、各事業のサイトのディレクションやオンラインマーケティングのほか、オフラインマーケティングを担当。